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🛒 みんな黒字、ぼくだけ赤字。なんで?

ブラックフライデーの季節になると、街もネットも、なんだかお祭りみたいに黒く染まる。
いや、祭りなのは雰囲気だけで、財布の中身は真っ赤なんだけど。

よく考えると、おかしいよね。
ブラックフライデーって“ブラック”って言いながら、黒字で喜んでるのはお店側。
じゃあ、僕ら消費者は何色なんだろう?って考えたら、どうも“レッドフライデー”って言ったほうがしっくりくる。

だって、Amazonのカウントダウンがチクタク鳴るたびに、僕の心の中で「買わなきゃ損じゃない?」って小さな悪魔が踊りだす。
あれ不思議だよね。普段は絶対買わないような抱き枕とか、USBがやたら刺さるタコ足みたいなハブとか、全然欲しくなかったのに、気づいたらカートに入ってる。

お店は言うよ。「今だけ半額!」って。
でも僕は言いたい。「いや、半額でも買う予定なかったんだよ」って。
だけどその頃には、もう指が“購入する”をタップしてるんだよね。僕の指って、あの日だけ独立国家みたいに勝手に動く。

で、次の瞬間、財布の残高を見て「あれ……?」ってなる。
ブラックはどこ?喜んでるの誰?
少なくとも僕じゃない。

街のショッピングモールもすごい。
入り口からもう“ブラックフライデー”って大きく貼ってあって、黒と黄色の配色が妙に危機感を煽る。
あれ完全に“注意!トラップあり!”って警告色なんだけど、みんな笑顔で吸い込まれていく。
僕もそのひとり。吸い込まれるように歩いていって、気づくと両手が重くなってる。
買ったのは日用品や食材、赤ちゃんの服。どれも必要なもの。必要なものなんだけど……
袋をぶら下げながら、僕は心のどこかで「これは本当にブラックに参加したかっただけなんじゃないか?」って思う。

家に帰って袋を開けてみると、意外と“普段とあんまり変わらない買い物リスト”なんだよね。
冷静になると、「これ、普通の日に買ってもよかったんじゃ?」って思う。
でもブラックフライデーという言葉の魔力で、心が踊るんだよ。

たとえば夕方のスーパーで「見切り品」とか「半額シール」を見てテンション上がる感覚があるでしょ?
あれの巨大版がブラックフライデー。
でもスーパーの半額は、レジで「おお、やった!」ってなるけど、ブラックフライデーは買った後に「おお……使いすぎた……」ってなる。

お店は黒字、僕の財布は赤字。
なんだこの構図。
ブラックフライデーって、誰がブラックで喜んでるの?

ある日、ショッピングモールのレジで長蛇の列を眺めながら思ったんだよ。
前の人も、その前の人も、みんな似たような表情をしている。
“お得だった気がする”って顔。
“買っちゃったなぁ”って顔。
それでいてどこか“まあいっか”っていう謎の満足感。
財布は軽くなってるのに、心だけちょっとふくらんでる。

あれ、何なんだろう。
あの日だけ、なんだか“自分に言い訳できる日”みたいになるんだよね。

「まあブラックフライデーだし」
「今だけだし」
「これは必要だし」
「来月から節約すればいいし」

こうして、僕の中の言い訳リストがズラァァッと並んで、最後にひとこと。

「……買おう。」

でも家に帰って冷静になるとね、やっぱり思うんだよ。

“ブラックって、誰のブラックなんだ?”

企業が黒字。
お店が黒字。
物流も黒字。
倉庫も黒字。
広告会社も黒字。
ついでにアマゾンは宇宙まで飛んでいくほど黒字。

じゃあ僕は?
僕の財布はレッド。
まっかっか。
赤ちゃんのほっぺくらい赤い。
いや、ほっぺは好きだけど、赤字は好きじゃない。

でもね、不思議なことに、
レッドフライデーでも僕はそんなに落ち込まない。
なんでだろう。

もしかすると、買い物って“もの”じゃなくて“体験”なんだと思う。
あの賑わい、あの雰囲気、あの「今日は特別だぞ!」って空気の中に入ると、
なんか自分までイベントの一部になった気がするんだよね。

たとえば夏祭りで、特に必要ない光る剣とかヨーヨー買っちゃうみたいな。
家に帰ったら「これ要らなかったな」ってなるけど、祭りの時はそれでいい。
ブラックフライデーも、それと同じ“気分”なのかもしれない。

……いや、でもやっぱり気になる。

誰がブラックで喜んでるの?

僕じゃない。
妻でもない。
赤ちゃんは箱のほうに喜んでる。
猫は袋に喜んでる。(猫いないけど)

じゃあ、本当に喜んでるのは……
たぶん“イベントそのもの”なんだろう。

ブラックフライデーという名前の化け物みたいなイベントが、
「今日は俺の日だぞ!」ってドーンと構えて、
僕らがそれに吸い寄せられて、
勝手に盛り上がって、
買って、
帰って、
翌日また普通の生活に戻る。

そう考えるとなんかちょっとおもしろい。

結局のところ、
ブラックで喜んでるのは、お店と“イベントそのもの”。
僕らは赤くなりながらも、どこか楽しんでる。

だから今年もたぶん買っちゃうんだろうな。

そして来年もきっと同じことを言うんだ。

「ブラックって誰がブラックなの?」って。

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