J-Rock Diary7 スピッツ 草野マサムネに感じたロック魂
前回、話題にしたピロウズのデビューが1991年。スピッツはいつだっけ?と思い調べてみた。何と彼らも1991年だった。
メンバーチェンジもなく、活動休止期間もなく、アルバムをほぼ2年に1回のペースで出し、ツアーをし、自分たち主催のイベントも開催し…。
これだけ安定した活動を30年以上も継続してきたバンド、いるんだろうか?それだけでもすごいと思う。
さらにすごいと思うのは、常にいい曲を出し続けていること。
私は、大谷のホームランのようだ、と思ったのだった。要するに、「ハードルが高いことを、普通のようにやってしまう」ということ。
大谷は、ホームランを打つことを、当たり前のようにやっている。スピッツも、とんでもなくいい曲を、当たり前のように出し続けている。凄すぎる、と思う。
彼らは「遅咲き」というバンドの典型だと思う。デビュー時からブレイクしたとは言えなかった。5thアルバム「空の飛び方」でつぼみが出て、6thアルバム「ハチミツ」で花が開いた、という感じだろうか。(セールス面では、という意味で)
時々「ファーストアルバムをなかなか越えられない」と語るミュージシャンがいる。スピッツは逆に、セールス面では苦しみながらも、アルバムを出すたびに曲のレベルを向上させていった、という感じがする。それが結果的に良かったのかもしれない。
「ハチミツ」で個人的に思い入れがあるのは、ラストナンバー「君と暮らせたら」だ。ある日、緑豊かな山道をドライブしていた時、この曲をかけたら、自分が映画のワンシーンにいるような感覚を覚えたのだった。「緑のトンネル抜けて~」と始まるこの曲は、ドライブしていたその時の緑の風景に、奇跡的にマッチしたのだった。(そんな経験、ありませんか?)
(君と暮らせたら)
「ハチミツ」以降のアルバムも傑作揃いなのは言うまでもないが、私が思い入れがあるアルバムは「小さな生き物」だ。
これは震災後の2013年にリリースされていて、草野の、震災に対する心情が垣間見える部分に、心を打たれたのだった。
これもラストナンバーだが、「僕はきっと旅に出る」という曲が好きだ。
「廃墟の中から外を眺めていた」でも「たぶんそれ(旅に出ること?明るい未来?)は叶うよ 願い続けてれば」という歌詞が好きだ。震災に関わるような言葉はないけれど、大丈夫だよ、と語りかけているかのようだった。
草野の歌詞は、ミステリアスな部分があり、リスナーが解釈を自由にできる。イメージを膨らませることができる。それもスピッツの魅力だと思う。
なおスピッツは名曲のオンパレードだけど、その他のアルバムのラストナンバーも名曲揃い。「さざなみCD」の「砂漠の花」や、「とげまる」の「君は太陽」とか、絶品だと思う。
(僕はきっと旅に出る)
昨年、仙台に彼らのライブを見に行った。感じたのは、彼らはロックバンドなんだな、ということ。彼らはミディアムテンポの美しいメロディの曲も多く(「ひみつスタジオ」は特にそうだった)、いわゆる「ロック」というイメージを感じない人が多いのだろうか。
ライブでは、意識的にそうしているのだとは思うが、ノリのいい曲が多い。(ライブ定番曲8823、グレイト!)またMCで三輪が「最近は、エレキギターの音が嫌い、という若者もいるらしいよ。」という話をしたら、草野は「覆してやろうじゃないか。望むところだ。」などと言ったのを覚えている。草野の、ロックミュージシャンとしての意地を感じた場面だった。
「ひみつスタジオ」は2023年。今年末か、来年にはニューアルバムが出るのだろうか?スピッツがまだ活動していて、いずれアルバムが出る。それは何と幸せなことなのだろう、などどこれを書きながら思ったのだった。
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