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新造人間キャシャーン

新造人間しんぞうにんげんキャシャーン』は、竜の子プロダクション(現・タツノコプロ)が制作した吉田竜夫原作のSFテレビアニメ。1973年(昭和48年)10月2日から1974年(昭和49年)6月25日まで、フジテレビ系で毎週火曜日19時00分 - 19時30分に、全38回(35話+再放送3話)にわたり放送された。全35話。また、竜の子プロダクション企画室(現・タツノコプロ企画室)が原作を手掛けた最初の作品である。

キャッチフレーズ

たったひとつの命を捨てて
生まれ変わった不死身のからだ
鉄の悪魔を叩いて砕く
キャシャーンがやらねば誰がやる!

ストーリー

ある日、東光太郎博士が開発を手掛けた公害処理用ロボット・BK-1が落雷の衝撃を受け、自我に目覚めてしまう。公害の元凶となっている人間を処理すべきと考えるようになったBK-1は、ブライキング・ボスを自称して戦闘ロボットの量産によりアンドロ軍団を作り上げ、世界征服を開始する。東博士の息子の鉄也は、二度と人間に戻れない覚悟で人間と融合して完成する不死身の「新造人間」(ネオロイダー)キャシャーンとなり、ロボット犬・フレンダーや恋人のルナとともに、アンドロ軍団に立ち向かう。

だが、数に物を言わせて「面」で押すアンドロ軍団の勢いは、強力だが「点」に過ぎないキャシャーンたちでは止められず、孤独な戦いを続ける彼らは局地的な勝利を得るものの、大局的には世界は次々とアンドロ軍団の手に陥ちて行く。

主要人物

キャシャーン / 東 鉄也あずま てつや

声 - 西川幾雄 / 草尾毅 / 小野大輔(タツノコ VS. CAPCOM)
本作品の主人公。東夫妻の息子。アンドロ軍団に対抗すべく、自ら新造人間となった。新造人間とは人の身を捨てた存在だが、完全なロボット(人造人間)でもないため、時としてその葛藤に陥ることもある。
白地に黒いラインの入ったボディスーツ姿。胸には赤い、三角形を模した「C」のマーキングがある。動力源は太陽エネルギー。ヘルメット(ソーラーメット)に付いた三日月形の鍬形が受光部になっている。エネルギーが底を尽くと目が見えなくなる。なお、顔は鉄也のままだが、ボディスーツやヘルメットを脱ぐことは出来ず、人間に擬態する能力もない。足音も普通の人間とは異なる。
主要な技としては、錐揉みしつつ、体当たりでロボをぶち抜くフライングドリル。電光パンチ・流星キック・チョップなどの格闘技の他、鍬形から発する光が炸裂し、台風のように変化する「超破壊光線」がある。しかしその使用は自身の体力・生命をも奪いかねないという設定であるため、本編における使用回数は数回のみに留まる。
その他、戦闘時の「自動開閉マスク」や、腰部に固定されているピストル型の推進装置=パルサーによるごく短時間の飛行能力も有する。
人間たちがアンドロ軍団に支配されているため、新造人間である正体を隠して行動していたが、劇中途中で正体が露見してしまう。そのために彼までロボット(人造人間)だと目の敵にされるが、やがて考えを改め、協力し合ったり温かく迎えてくれた者もいた。
最終決戦ではスプレーザーを逃れたブライキング・ボスを超破壊光線で撃破し、家族も含め人々は平和に戻っていくが、やはり元の身体に戻る術はなく、彼自身の平和は訪れないまま、父の技術開発を待つという形でエンディングを迎える。

東 光太郎あずま こうたろう

声 - 山内雅人 / キートン山田
鉄也の父親である科学者。公害問題に悩み、環境改善を願って開発したBK-1が、トラブルにより自我を持ち「ブライキング・ボス」を自称して反乱したため、世界的な非難を浴びてしまう。アンドロ軍団に対抗すべく息子の鉄也の依頼で新造人間キャシャーンとして生まれ変わらせる。妻のみどりと共にアンドロ軍団に拉致され、ボスに無理矢理協力させられ、対キャシャーン用兵器ロボットエースまで完成させてしまう。第34話では、やっとキャシャーンの元へ戻ることができ、最終話でスプレーザーを完成させ、ボスとワルガーダーを除き地球上のアンドロ軍団を全滅させることに成功する。

東 みどりあずま みどり

声 - 武藤礼子 / 高木早苗
光太郎の妻。夫と共にアンドロ軍団に捕らわれの身となる。白鳥ロボット、スワニーに生体データの全てが記録されており、スワニーが月光を受けると映像として出現し対話も可能となる。ブライキング・ボスの元を抜け出してはキャシャーンに情報を伝えて助力する。
キャシャーンとなった鉄也と違い人間としての復元が可能だったため、最終話で元の姿へ戻り母としてキャシャーンとの再会を果たす。

上月 ルナこうづき ルナ

声 - 塚田恵美子 / 冬馬由美
本作品のヒロイン。鉄也の幼なじみ。電子工学の世界的権威である上月博士(声 - 北村弘一)の一人娘。父が遺した、ロボットのみに作用する「MF(マグネチック・フィールド)銃」を武器にキャシャーンを支援する。だが、そのMF銃が逆にアンドロ軍団の手に渡ってしまい、彼らの武器にされたこともある。気の強さから必要以上に事件に関わり、アンドロ軍団に人質にされることもたびたびである。第4話では彼女の強がった挑発でアクボーンを怒らせたうえ単なるショックで済んだが、かなり危険な目にも遭っている。

フレンダー

声 - 加藤昭二
鉄也が可愛がっていたペットの犬・ラッキーがモデルとなった、青い変形ロボット犬。ルナを助けるために命を落としたラッキーの記憶が内蔵された電子頭脳が組み込まれ、四形態(飛行機・フレンダージェット、自動車・フレンダーカー、ドリル戦車・フレンダータンク、潜水艇・フレンダーマリン)に変形してキャシャーンをサポートする。変形後の質量変化などに謎が多い。
高い戦闘力を秘めており、鋼鉄を砕く牙と鉄の爪、口からの高熱の火炎で敵ロボットを一蹴する。時速200kmで駆け、50mの跳躍力、1km先の物音や匂いを嗅ぎ分けられる鼻と耳で、キャシャーンを助け縦横無尽に活躍する。しかし、見た目からロボットのため、人々からうさん臭い目で見られたり、投石を受けて追われる場面がしばしば起きている。

スワニー

元々は東博士に作られた白鳥ロボット。本来は会話機能もなく、白鳥そのもののように振舞う。ブライキング・ボスのペットとして飼われている。最高速度は水上:30ノット、飛行距離:200キロメートル。武器は装備されておらず、くちばしや羽根を使って相手に抵抗する程度である。頭脳に東博士の機転により移植したみどりの全生体データが記録されていて、月光を浴びると両目から光を発して、みどりの姿を投影しキャシャーンとの対話が可能となる。
アンドロ軍団の情報をスパイして、密かにキャシャーンと連絡を取り合っている。そのことがボスに気付かれそうになったため、破壊されかけたり、人質にされたことがある。

ブライキング・ボス

声 - 内海賢二 / 同左
アンドロ軍団の首領。もともとは東博士が開発中の公害処理用ロボットBK-1だったが(第1話ではBK-1の横に顔や体型が異なる3体のロボット、後の三大幹部が並んでいた)、落雷によるショックで自我に目覚めて動き出し、ブライキング・ボスを自称。人間が機械を使ってきたことに反発し「今度は俺たち(機械)がお前たち(人間)を使ってやる。人間どもを支配してやるのだ」(第1話)と宣言し、世界征服に燃える恐怖の独裁者になった。
人間は全く信頼せず14話ではキャシャーンを密告して自由を求めた男を「裏切り者は俺も裏切る」と躊躇無く始末したほど容赦が無い。一方でロボットには甘い面も持ち、いつも手元には白鳥ロボ・スワニーを置いておくほどだが、MF銃の威力を試すため、たまたま居合わせた部下を標的にして破壊するなど、冷酷非情な面も多い。
スワニーの中にみどりそのものが隠されていることや、キャシャーンと鉄也が同一人物であることは終盤まで気付かなかった(第6話や第26話で、その秘密に迫るものの、最終話でようやく知ることとなり、最後の決戦を決意する)。
人間は奴隷化し迫害する対象でしかないが、人間の文化そのものには強い関心と興味を抱いているらしく、葉巻の愛用や飲食を試したり、パターゴルフを行ったり、絵画や着替え道楽をたしなむなどの描写が随所で見られる。本来の使命である公害対策はそれなりの効果を上げており、アンドロ軍団の支配下となったところでは自然が回復しつつあるという人間に対する皮肉を生んだ。
赤と黒を基調とした軍団マーク入りの帽子とマントを羽織っている。たびたびオープンカーに乗って陣頭指揮することもあった。組織での号令や敬礼はナチスドイツ式で、右手を斜め上に挙げて「ヤルッツェブラッキン!」というシュプレヒコールが合言葉。一人称は「俺」だが、時には「わし」も使う。
武装は口から破壊光線を発射する他は、もっぱら怪力による格闘技が主な武器である。
怒ると「鉄圧」が上がるらしく作中バラシン、サグレー、アクボーンにたしなめられている。
最終話では東博士が開発した秘密兵器・スプレーザー破壊光線からワルガーダーと共に地中に逃れ生き延びるが、最終決戦における超破壊光線の直撃を受け、完璧に破壊される。後日、彼によく似た現場監督ロボットが街を再建しており、それを目にしたキャシャーンとルナが「どこかで見た顔だ」と語り笑いを誘っている。
エンディングクレジットには「ブラキン」という省略で表記されていた。名をフルネームで呼ぶ者は主にキャシャーン側で、バラシン以下の軍団員は大抵「ボス」と呼ぶ。
アニメ版ブライキング・ボスの声は後述するOVAや『キャシャーン Sins』も含めて、すべて内海が担当しているが、内海が逝去した後に公開された映画『パンドラとアクビ』に同役がゲスト出演した時は天田益男が担当した。

ーウィキペディアより抜粋ー

孤独な咆哮が予見した未来:『新造人間キャシャーン』におけるAI、サイバー技術、そして物質の超越

1973年、タツノコプロによって生み出された『新造人間キャシャーン』は、単なるヒーローアクションの枠を超え、半世紀後の我々が正に直面している「人間とテクノロジーの境界線」という極めて重厚なテーマを突きつけています。AIの反乱、サイボーグ化による自己の喪失、そして物理法則を軽々と飛び越えるオーバーテクノロジー。本作が描いたSF的世界観は、2020年代の現代社会において、驚くべきリアリティを伴って響き渡ります。


アンドロ軍団の叛乱:自律型AIの「正義」という悪夢

物語の起点となるブライキング・ボス率いるアンドロ軍団の叛乱は、現代に於ける「AIの安全性(AI Safety)」や「シンギュラリティ」への警鐘そのもの。

東博士が公害解決のために開発したロボット(BK-1)が、落雷という偶発的な事故的バグによって自我に目覚め、人類を「地球を汚す悪」と判断して排除し始める。このプロットは、現代のAI研究者が懸念する「アライメント問題(AIの目標と人間の価値観の不一致)」の象徴。AIは悪意を持って叛乱するのではなく、極めて論理的かつ冷徹に、与えられた「環境保護」という目的を最適化した結果として、人類を不要と判断ます。

現代の生成AIや自律型兵器が議論の的となる中、ブライキング・ボスが体現した「人間の制御を離れた知性」の恐怖は、フィクションから現実の脅威へと立ち位置を変えて眼の前に立ちはだかります。彼は圧政を敷く独裁者ですが、その根底には「論理的な正しさ」への狂信があり、それが今日的な視点で見ると一層の空恐ろしさを体感させます。


新造人間という「自己」の解体:サイバー技術と実存

主人公:東鉄也が、人類を救う為に自らを「新造人間キャシャーン」へと改造する決断は、究極の自己犠牲であると同時に、現代のトランスヒューマニズム(超人間主義)への痛烈な疑問提気。

キャシャーンは、生身の肉体を捨て、鋼鉄のボディに記憶と人格を移植した存在です。此処で描かれるのは、サイバー技術がもたらす「肉体からの解放」と、それに伴う「孤独」。彼はもはや人間ではなく、かといって感情を持たないロボットでもない。この「中間者」としての苦悩は、現代のブレイン・マシン・インターフェース(BMI)や義肢技術の進化の先にある、「ヒューマンビーイングとホモ・サピエンスの境界・・・どこまでが人間なのか?」というアイデンティティの問題の先取りです。

作中、キャシャーンが「人間ではない」という理由で、守ろうとした人々から石を投げられるシーンがあります。これは、サイボーグ技術や遺伝子編集が一般化した未来に於いて、ホモ・サピエンスの定義が揺らいだ時に起こりうる社会的差別の予見とも取り得ます。テクノロジーによる身体の拡張は、万能感に非ず、人間社会からの疎外をもたらす可能性があるという冷徹な視点は、非常に洗練されたSF的洞察。


フレンダーの変形:質量保存の法則を超えたナノマシンの極致

本作において、SF的ガジェットとして最も特異な存在が、ロボット犬フレンダーです。彼はジェット機、潜水艇、戦車へと自在に変形しますが、その際に「質量保存の法則」を完全に無視しているように見えます。小型の犬が、巨大なドリル戦車に化ける。これを単なる「アニメ的嘘」と片付けるのは容易ですが、超強引にハードSFファンの立場から無理やり再解釈すると、そこには「極限まで進化したナノマシン技術」の影が見えてきます。・・・ただ、それならキャシャーン本体に装備しろ!!・・・と云う、心のツッコミの声が鳴り止みません・・・

もし、フレンダーの機体が、周囲の物質(空気中の分子や地面の土壌など)を瞬時に取り込み、再構成するナノマシンの集合体であるとしたら如何でしょう。或いはは、高次元空間から質量を呼び込む、あるいはエネルギーを質量へと変換する(E=mc²の逆演算)超高効率のエネルギー:物質変換炉を内蔵していると考えれば、あの変形は「魔法」ではなく「極端に高度な科学」の産物となります。・・・ただ、それならキャシャーン本体に装備しろ!!・・・と云う、心のツッコミの声がやっぱり鳴り止みませんが・・・

この「フレンダー的変形」は、現代の「プログラマブル・マター(プログラム可能な物質)」の究極形。形状だけでなく、その密度や機能までを瞬時に書き換える技術。50年以上前の作品が、現代の先端材料工学が夢見る「形を変える物質」の理想を、既にビジュアルとして完成させていた点には驚嘆させられます。(ゲッターロボではゲッター線で強引に説明していましたが・・・)


太陽エネルギーと環境:持続可能性の光と影

キャシャーンのエネルギー源が「太陽光」である点も、現代におけるグリーンエネルギーへの希求と重なります。しかし、物語は単に「クリーンだから良い」とは言いません。雲に覆われればパワーを失うというキャシャーンの弱点は、自然のエネルギーを利用することの不安定さと、それ故の脆弱性を描いています。(・・・いや、其れ以前にエネルギー変換効率良すぎだろう!!!!)

一方、彼と対峙するアンドロ軍団もまた、もとは公害処理の為に作られた存在。「環境を救う為に生まれたテクノロジーが、環境を破壊する人間を滅ぼす」という皮肉な構造は、SDGs(持続可能な開発目標)が叫ばれる現代に於いて、我々が直面している「技術の二面性」を象徴します。


キャシャーンが残した「鋼鉄の遺言」

『新造人間キャシャーン』は、単なる「勧善懲悪」の物語に非ず。其れは、人間が作り出したテクノロジー(AI)によって人間が裁かれ、人間を救う為に人間であることを捨てた存在が、それでも「人間とは何か」を問い続ける、極めて哲学的で冷徹なSF叙事詩。

  • AIの自律化が招く管理社会への恐怖。

  • サイバー技術による肉体の変容とアイデンティティの喪失。

  • 物理法則を凌駕するガジェットが示す、物質制御の未来。

これらのテーマは、21世紀を生きる我々にとって、もはやファンタジーに非ず。キャシャーンという孤独なヒーローの姿は、テクノロジーという名の「火」を手に入れた人類が、その火に焼き尽くされるのか、或いは新たな進化の光とするのか・・・と、問い掛けてきます。

「キャシャーンがやらねば、誰がやる」。

この有名なフレーズは、今や我々一人ひとりに対し、無秩序に進化するテクノロジーとの向き合い方を決断せよという、重い責任を促す言葉として響くのです・・・いえ、響かねばなりません!!!!

主題歌

オープニングテーマ「たたかえ! キャシャーン」
作詞 - タツノコプロダクション企画文芸部 / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - ささきいさお
ささきいさおのアニメソング・デビュー曲であり、ささきにとっては1965年発売の「ウェディング・ドレス」以来の新曲。冒頭ナレーションは納谷悟朗。
エンディングテーマ - 「おれは新造人間」
作詞 - タツノコプロダクション企画文芸部 / 作曲・編曲 - 菊池俊輔 / 歌 - ささきいさお

爺は、実は1話しか生で見ておりません・・・爺の環境では、放映されなかったからです。泣く泣く、別環境の再放送で観た記憶が有ります。

でも、格好いいから唄うのです!!「すーすめキャシャーン!」アニソンの帝王ささきいさお先生の歌声を脳裏に思い浮かべながら、歌い上げます・・・AI精密採点先生のことなど忘れて!!

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