追いかけると逃げるけど、近づかなきゃ始まらないこともある、のかも。
ある日曜日のこと。
家族でショッピングモールの中にある
動物カフェに行ってきた。
土日の予定といえば、
大体私が決めるか、
直前になって「どうする?どうする?」となって、どうにかこうにか決めているようなものだけど、
今回は1週間前から
夫が「ここなんてどう?」と
アイディアを出してくれた。
それが動物カフェだった
私はそこにどんな動物がいるか知らなかったし、それほど期待もしていなかった。
ただ日曜日の予定が埋まる。
それだけで心はほっとしていたし、
どんな生き物だとしても
娘や息子は喜ぶだろうと思った。
特に考えもせず、調べもせず、
なんとなくこの日を迎えた。
いつもは目標時間を大幅に過ぎて
現地に到着することが多い。
でも今回はショッピングモールの
開店10分前にお店の前に着いた。
なんだかこれだけで得した気分になった。
お店の開店と同時に店内に入ったけれど、
お目当ての動物カフェの場所が分からない。
ショッピングモールが広すぎて、
どっちに行ったらいいのやら。
私は子どもたち
2人と手をつないでいたから
道案内は夫に頼った、
と言うのは口実で、
私はもうすごく方向音痴。
初めての場所なんて
何が何やら分からないので、
誰かがいてくれれば、
地図を開くことすらしない。
私は子どもたちと手をつないでいるから
案内よろしく、と夫に丸投げ。
夫の道案内で動物カフェに到着した。
大きな窓ガラスから店内の動物たちが見えた。
まず目についたのが、
黄色くて小さなひよこたち。
今にもぴよぴよと
声が聞こえてきそうな
たくさんのひよこたちだった。
まずはひよこたち
受付で手続きをして店内に入る。
娘は「ひよこ行きたい」と言ったので、
私は娘についていった。
4人で行ったけれど、
娘の担当は私、息子の担当は夫。
自然とそう決まった。
ひよこって初めて触った気がする。
本当にふわふわで可愛かった。
少し羽が生えてきていて、
少しだけ飛ぶこともできたから、
私が手で囲っても
すぐにバタバタとどこかへ行ってしまった。
このひよこたちは
大人になったらどこに行くのだろう。
そんなことを考えてしまった。
きっともうすぐ新しいひよこたちと
役目を交代するんだろうなぁとも思った。
ここは動物たちに
餌やりもできるところだったから、
ひよこの餌を買って手に乗せてみた。
そうすると大量のひよこたちが
どっと押し寄せて、
手のひらをつつく。
意外にも、全然痛くなかった。
一気に人気者になって嬉しかった。
餌がなくなれば、
波のようにさーっとひよこたちは消えていく。
まぁ、そんなもんだ。
それから店内を進んでいくと、
うさぎやハムスターやモルモットがいた。
うさぎの背中を触った。
可愛かった。
モフモフしていて可愛かった。
でも娘は案外興味を示さなくて、
餌もあげず…
次に餌やりをしたいと言ったのは
リクガメだった。
パリパリとキャベツを音を立てて食べる。
間近で見られるのは
すごいなぁと思ったけれど、
そんなに可愛いかなぁ?と私は思った。
娘が気に入ったのは
それから娘に手を引っ張られ店内を進んでいく。
すると小鳥たちのコーナーがあった。
インコや文鳥、真っ白な鳩たち。
鳥というと、
くちばしがあるから
痛そうというイメージがあったけれど、
想像より全然痛くなかった。
私は最初触るのをためらっていたけど、
そこにいた娘と同じくらいの
女の子が小鳥たちの扱いに慣れていて、
自分の手に乗せた文鳥を娘に渡してくれた。
ありがとうなんて言っていたら、
今度は私の手に鳩を渡してくれた。
きっと常連さんなんだろう。
スタッフさんのような身のこなしだった。
でも、
それだけで終わらなかった。
娘が行く先についてきたのだ。
娘がもう一度
リクガメに餌をあげようとしたとき、
その女の子もついてきて、
「カメの口の方にやると餌があげられるよ」と
聞いてもないのに教えてくれた。
私はちょっと圧が強いなぁと感じてしまった。
たぶん娘も同じように感じていて、
無言ですっと距離を取っていた。
とは言っても、
その女の子のおかげで
小鳥たちの扱いに慣れたことは事実だ。
感謝しなきゃ。
娘は小鳥たちをとても気に入った。
特に文鳥。
たぶんサイズがかわいらしいのと、
手に乗ってくれたので気に入ったんだと思う。
そこに息子がやってきた。
息子も手に文鳥を乗せたかったけれど、
逃げてしまってうまくいかない。
まぁ無理もない。
とにかく圧が強くて、しつこいから笑
そおっと優しく手を出して、
文鳥が乗ってくるのを待っている娘に対して、
背後からつかみにかかる息子。
そりゃね、文鳥も逃げるよね笑
ひよこにも逃げられてたしな。
追いかけられると逃げたくなるのって、
人間でも同じじゃないか?って思った。
恋でも、ビジネスでも、
何でも一緒だと思うんだよね。
でも、あの女の子みたいに、
ぐっと近づくことで、
きっかけをつくるってことも
時には必要なのかもね。
時にはね。
また会えるかもしれない
ミミズクを腕に乗せたり、
なでなでしたりする体験もした。
娘はグローブをはめて
腕に小さなミミズクを乗せた。
それを見た弟もやりたがったけれど、
腕の筋力が弱いということで
お店の人に断られてしまい、
「僕もやりたかったー」と泣いていた。
でも小鳥のコーナーで、
私が手に乗せた文鳥を
息子の手に乗せてあげたら、
すっかり機嫌はよくなった。
それからレインボーボアという
蛇を首に巻く体験をした。
写真があったから、
私が子どもの頃に
沖縄でやったことがあったらしいけど、
何の記憶も残っていない。
今回は私と娘と息子の肩に乗せた。
夫は「遠慮しとく」と言っていた。
夫は生き物の扱いは得意じゃない。
かわいいひよこですら、
それほど乗り気ではなかった。
それでも娘が喜ぶだろうからと
連れてきてくれたことに感謝。
娘は一日中いられるんじゃないかってぐらい
動物たちに夢中だったんだけど、
夫と息子はもう満足、という感じだった。
フリードリンク制だったから
飲み物を飲みつつ時間稼ぎをしたけれど、
息子は限界を迎えていた。
入店から3時間くらい経っていた。
小鳥の扱いや、
リクガメを餌でおびき寄せて
店内を散歩させるやり方を
教えてくれたあの女の子と、
お別れの挨拶とタッチをしてお店を後にした。
ちょっと圧が強かったけど、
なんだかんだ娘と意気投合していた、
娘よりひとつ年上のあの子。
もう会えないのかな?
と思ったら、少しだけ
後ろ髪を引かれる思いだった。
13時過ぎ。
やっとお昼ご飯。
子連れスペースでラーメンを待っていたその時。
あの時の女の子が隣のテーブルに座った。
運命の再会!笑
県内だけど
市外のショッピングモールでのことだから、
たぶんもう会うことはないんだろうけど。
でも、あの子常連そうだし。
もしかしたら。
もしかしたらだけど。
また会えるかもね。
そしたら、
本当に
運命の再会。

