2024年11月5日(火)|御茶ノ水の秋空と、届いたメッセージ
8:00 東京・御茶ノ水にあるシティホテルで目覚めた。昨夜は思いのほか、ぐっすりと眠ることができた。 ホテルを出て神田川沿いを少し散歩する。ひんやりとした朝の空気に、青く澄み渡る秋空。高い位置に浮かぶ薄雲がゆっくりと泳いでいて、とても気持ちが良い。
昨夜、ホテルの部屋から玲へSMSを送っていた。
『お疲れ様。今日から研修で東京に3泊する予定なんだけど、どこかで一緒に食事でもどうかな』
送信してから30分もしないうちに、玲から返信が届いた。
『お疲れ!のりからお誘いなんて珍しいね。どうしたの? いいよ、明日の夜、日本橋のお店を予約しておくね』
メッセージには、洗練された店のURLが添えられていた。
……しかし、実際に会ったところで、美嘉のことをどうやって玲に切り出せばいいのだろう。 玲は10年ほど前に結婚したものの、2年足らずで離婚し、現在は独身だと風の噂で聞いたことがある。
そんな玲に、妻のあの不穏な出来事を相談して、果たしてまともなアドバイスがもらえるのだろうか。 一抹の不安と迷いを胸に抱えたまま、私は研修センターへと足を向けた。
←前回の投稿 2024年11月4日(月)|車窓の記憶と、繊細な熱量
→次回の投稿 2024年11月6日(水)|日本橋の夜と、残された体温
☕ 筆者のあとがき
最後までお読みいただきありがとうございます! 東京出張2日目。澄み渡る秋空とは裏腹に、主人公の心には静かな迷いが広がっています。 意を決して送ったSMS。そして玲からの手慣れた返信と、日本橋のお店の予約。 妻への不信感を抱えながら、過去の女・三尾玲に助けを求めようとする主人公の不器用な足掻きに、どこか人間らしいリアリティを感じていただけるのではないでしょうか。 いよいよ次回、日本橋での玲との再会――。 二人の過去と、美嘉の疑惑が交錯する夜が始まります。ぜひ「スキ」やフォローで続きを見届けていただけると嬉しいです!
いいなと思ったら応援しよう!
『夫と妻、そして家庭教師の洋平』を応援してくださる皆様へ。
サポート(チップ)を通じていただいたお気持ちは、今後の連載活動や次回作の取材費として大切に活用させていただきます。
引き続き【スキ】や【フォロー】、そしてサポートでの応援をよろしくお願いいたします!