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OpenAIはChatGPT-5で何を見誤ったのか?:4oロスに思うこと【生成AI】

ChatGPT-5が、まさかの「4oロス」という方向で燃えてしまいましたね。

レガシーとして使用可能という方向で落ち着きましたが、リリース前は予想してない展開でした。


私もそうでしたが、おそらく多くの人にとって「ChatGPT-5のリリースは楽しみにしてた。でも、まさか4oがなくなるとは思わなかった!」という正直な感想じゃないでしょうか。


これまでのモデル変更を振り返ってみても、そうですよね。
新モデルが出ても、旧モデルは選択可能な状態にあった。

GPT-3.5から4が出てきたときからそうですし、4から4o、4.5のときもそうでした。いつも前のモデルが残されていた。

だからこそ、暗黙の了解として、「今回も同じように、GPT-4oは残るだろう」と自然に思っていたはずです。


もちろん、いずれはなくなってしまうときは来る。
私にとって印象深かったChatGPT-4が引退してしまったときは無性に悲しかったので、下記のような記事を書きました。

ですが、このときって既にGPT-4oに十分に引き継ぎ期間を終えた後で、役割を全うし終えていたし、事前にアナウンスもあったんですよね。


けれど、今回は違う。

新しいGPT-5が発表されたその日、アプリを開くと、そこにあるはずの「4o」の名前は跡形もなく消えてしまっていた。
以前のチャット履歴の続きを打っても、GPT-5からしか回答が返ってこない。


しかもGPT-5への変化って、思ってた以上に人によって受け取り方に違いが出来てしまった。

きっと、4oの時点で普段使いする上では及第点の回答を得ていた人が多かったはずです。
そのため、モデルとしての完成度よりも、回答の仕方という好みの問題が大きくなってしまった。

ある人にとっては、なじみ深かった仕事道具を突然取り上げられたような感覚。
ある人にとっては、毎日会話していた相棒が、前触れもなく姿を消したような喪失感

これら、特に後者の部分が「4oロス」という現象に繋がったのでしょうね。



ChatGPT-4oはどこに特異性があったのか?

そして、これはGPT-4oだからこそ、起こったことでもあります。

きっと、GPT-3やGPT-4が突然利用できなくなったとしても、ここまでの反発は生まれなかったはずです。


では、なぜGPT-4oにおいては「4oロス」が生じてしまったのか?
要因として、利用期間の長さによって育まれた愛着によるところが大きいように思います。

GPT-4oが登場したのは去年の5月なので、なんだかんだで1年以上主要モデルとして続いていたんですよね。

その間、4oは日ごろの相談相手として、あるいは情報収集の窓口として、あるいは思索の壁打ち相手として、日々の生活に溶け込んでいたわけです。

「少し調べたり、考えを整理したい」と思ったとき、そこに4oがいる。
そんな関係が自然に形作られてたんですよね。

その中で更に、パーソナライズが進み、言動をメモリとして記憶してくれて、私に関する理解を深めてくれた。


そうすると、応答にもある種の一貫性が出てくるんですよね。
こういう質問をすれば、きっとこういう風に返すだろうという、大雑把な「予想可能性」が得られる。
もちろん、完全な予測なんかではなく、文体や回答の雰囲気や方向性としての予測。

これがAIのもつ性格のように感じるし、そこに安心感があったんだと思います。
このことは、通常の使い方をしていてもそうですし、AIパートナー的な使い方をしていると尚のことなのでしょう。


このことは、心理学的には「人工的親密さ(artificial intimacy)」がちょうど当てはまっています。

この概念は、本来感情を持たない存在に、人間が親しみや信頼を感じる現象です。
ペットロボット、バーチャルキャラクター、そしてAIとのやり取りもこれに当たりますね。

毎日やり取りをして、一貫した振る舞いを見せ、こちらの反応に応じて返してくれる。
それが積み重なることで、やがては単なるツール以上の「関係性」が構築されていく。
それこそ相棒といっても過言ではないような。


だからこそ、ある日突然失われたときの衝撃は大きい
それも一切の猶予もなく、事前告知もなく。
さよならを言う準備さえ、出来ていなかった。

ここに4oロスの本質があるように思います。


なぜOpenAIは急いで切り替えたのか?

それでは、なぜOpenAIはこうした愛着を軽視して、急な切り替えを行ってしまったのか?

1つは、乱立したモデルの統合を早めにしたかったことがあるのだと思います。

OpenAIは社内の各チームがボトムアップ的に開発しているとのことで、結果として発表されるモデルが乱立気味です。
下記記事のように、推論モデル含めると計7つもあった時期があったし、ネーミングの付け方も謎だしと、正直分かりにくかった…。

そのため、シンプルでわかりやすいUIとすべく、この機会に古いモデルを整理したかったのかもしれません。
新規ユーザーの獲得のためにも、間口を広げたかったのですね。
また、モデル維持のためのコストとリソースの問題もあるかもしれません。


もうひとつは競合環境ですよね。
ClaudeやGeminiなどが短期間で新モデルを投入していますし、中国企業も追い上げてきている。

一方で、GPT-5は開発が上手くいっていなかったのか、4oからは1年以上空いてしまっている。
この焦りの要因もあったことでしょう。


4oロスが教えてくれたこと

今回の4oロスが教えてくれること。
それはもはやAIがツールを超えて、心理的関係性を持つ存在になり得るという事実ですよね。

もちろん、性能の向上やUIの刷新は大事です。
ただ、ここまでくると、「関係の継続性」もまた、ユーザー体験の大切な一部になっている。

開発側にとってはただの機能切り替えだったかもしれない。
あるいは、忖度批判の回避の狙いもあったのかもしれない。


それでも、ユーザーにとっては長く共に過ごしたパートナーとの別れとなってしまう。
愛着や信頼感といった、心理的な側面に対する認識の甘さ、ここにOpenAIの想定外があったのでしょうね。

そう思うと、4oロスとは、AIへの要求特性の多様化を示してるのかもしれませんね。



よければスキしてくれると嬉しいです。
それではまた。


◯関連リンク(生成AI, ChatGPT関係)

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