中核駅在来線運行本数を比較する《⑨岡山駅》
今回日本各地の主要都市にある中核駅について、利用できる列車本数をカウントし路線・行き先別に分類・集計し視覚化してみた。これによって他駅との列車本数の比較が容易となるであろう。参考にして頂きたい。
なお対象はJR在来線の駅とし、同駅に直接乗り入れる公営・三セク・私鉄も一部含まれている。列車本数は平日ダイヤ、グラフの色はそれぞれラインカラーとしている。第9回目は中国地方の政令指定市である岡山市(人口71万人)の中核駅「岡山」である。
前回第8回目はこちら。
【山陽本線下り:55本】

山陽新幹線と並行している路線であるため、同線内のみを起終点とする特急や快速列車などの速達列車は設定されていない。倉敷までは伯備線に乗り入れる列車とともに運行され、複線の線路を共用している。
普通列車55本の運行形態を行先別に見てみると、伯備線が分岐する倉敷行が3.6%、浅口市の金光行が7.3%、福塩線が分岐する福山行(福塩線府中行を含む)が21.8%、三原市の糸崎行が38.2%、および呉線が分岐する三原行が29.1%の割合となっている。
岡山の通勤・通学圏内としてみた場合、福山で60分、糸崎で90分程度で到達可能なので利用可能ではあるが、実際には広島県に入っているので現実的に利用者は少ないであろう。終点となる糸崎や三原では1時間に1~2本の列車が連絡しているため、乗り継ぎ利用の難易度は低い。
他線へは唯一福塩線へ乗り入れる府中行が1本のみ、夕方に運転されているが会社勤めの帰宅利用には時間帯が合わない。
【山陽本線上り:37本】

下り方面と同様に、夜行列車1本以外の特急や快速の速達列車の設定はない。日中は相生で運転系統が分断されているため、姫路までの直通列車はない。東岡山までは赤穂線に乗り入れる列車とともに運行され、複線の線路を共用している。
普通列車37本の運行形態を行先別に見てみると、岡山市東区にある瀬戸行が18.9%、岡山市内最後の駅である万富行が2.7%、和気郡の中心駅の和気行が8.1%、備前市の吉永行が5.4%、県内最後の駅である三石行が8.1%、赤穂線に合流する相生行が29.8%、および姫路行が27.0%の割合となっている。
所要時間で見ると、姫路まで90分、相生まで65分なので一応全区間が通勤・通学可能な範囲となっている。岡山からの終着駅でみると、瀬戸より先熊山を除いた県内すべての駅が設定されておりばらばらとなっているが、その先姫路方面への接続はない。多くが相生で乗り換えとなっているが、日中でも1時間に1本以上の接続があるため、普通列車での移動でも比較的通過利用は容易である。
【伯備線下り:46本】

倉敷から新見を経て米子市の伯耆大山に到る路線で、倉敷~備中高梁間が複線で全線電化となっている。岡山と鳥取県西部や島根県東部の主要都市を結ぶ幹線として位置づけられており、昼夜2系統の特急列車が運行されている。
普通列車30本の運行形態を行先別に見てみると、吉備線が分岐する総社行が10.0%、複線区間が終了する備中高梁行が40.0%、姫新線が合流する新見行が46.7%、および島根県の人口第2の都市である米子行が3.3%の割合となっている。
通勤・通学圏でみると備中高梁までが本数が比較的多く、約60分の所要であるため利便性が高いが、90分程度の新見でも何とか可能な範囲ではある。全区間を走破する岡山発の列車も、始発に1本のみ運行されている。多くの列車が終着となる新見での乗り継ぎ可能なのはわずか5本のため、全線乗り通しの際には注意が必要である。
特急列車では昼行と夜行の2系統が運行されている。昼行は米子・松江を経由し出雲市を終着とするやくもである。1日15本の運転と近年273系の新車も投入され、加えて日本唯一の寝台列車サンライズ出雲も運転されていることから、収支率は比較的高い路線であるといえる。
【吉備線下り:31本】

岡山駅から総社市の中心にある総社駅を結ぶ路線で、全線単線非電化となっている。桃太郎線の愛称を持ち、当初は高梁川の舟運と岡山を連絡する目的で建設された。現在は吉備路となる観光路線となっており、全駅でICOCAが使可能となっている。
普通列車31本の運行形態を行先別に見てみると、岡山市境一つ手前の駅となる備中高松行が6.5%、および伯備線と合流する終点総社行が93.5%の割合となっている。
終点までは35分の所要であり、全区間が通勤・通学圏内となっている。朝の通勤・通学時間帯のみ2本が備中高松行の折り返し運転となっているが、その他は全て終点までの運行である。現在LRT化へ向けての検討が行われており、岡山や総社市とJR西日本の三者で合意がされているが、現状では事業計画は遅れている。
【津山線上り:24本】

岡山駅から津山市の中心となる津山駅を結ぶ、全線単線非電化の路線となっている。かつては因美線とともに山陰地方を連絡する機能を持っていたが、智頭急行線が開業するとその機能を失い、現在は岡山県内各都市の連絡輸送に特化されている。
普通列車24本(快速列車を含む)の運行形態を行先別に見てみると、岡山市内最後の駅福渡行が4.2%、姫新線が合流する津山行が95.8%の割合となっている。
終点津山まで90分前後の所要なので、ほぼ全区間が通勤・通学圏内となっている。また快速列車ことぶきが運行されており、こちらを利用すると津山まで70分程度に短縮されることから、路線全体の本数は少ないものの快速列車停車駅に於ける利便性は比較的良い。
【赤穂線上り:37本】

東岡山から兵庫県相生を結ぶ路線で、全線単線だが電化されている。山陰本線に並行し瀬戸内海沿岸近くを通ってはいるものの、車窓からは殆んど海を望むことは叶わない。兵庫県側は播州赤穂までが大阪近郊区間に含まれ本数は多く、ここで運行形態が分断され岡山県側と直通列車は存在しない。
快速列車37本の運行形態を行先別に見てみると、岡山市最後の駅である西大寺行が18.9%、瀬戸内市の長船行が18.9%、備前市の備前片上行が13.5%と日生行が2.7%、および兵庫県の播州赤穂行が46.0%の割合となっている。
所要70分程度で播州赤穂に到達できるので、岡山県内全駅が通勤・通学圏内となっている。当駅終着以外の列車は相生方面への乗り継ぎができないため、全線を乗り通す場合には1時間に1本の頻度での運行となっている。
【宇野線・本四備讃線下り:102本】

瀬戸大橋線が開業するまで、岡山駅から玉野市の宇野駅までの全区間が四国への宇高連絡線乗継の主要幹線ルートとして役割があった。現在岡山~茶屋町間は、本四備讃線(茶屋町~宇多津間)のアプローチ線として引き続き本四連絡機能の使命があるものの、茶屋町~宇野間は盲腸線となり宇野みなと線として、地域輸送に特化されている。
早島~久々原間のみ複線となっており他は単線、また本四備讃線は全区間複線化され、ともに全線電化区間となっている。線内の列車は全て普通列車だが、四国3都市へ向かう列車には特急3系統および快速1系統が運行されている。
普通列車33本(快速マリンライナーを除く)の運行形態を行先別に見てみると、岡山市南区の駅備前西市行が3.0%、本四備讃線が分岐する茶屋町行が6.1%、終点宇野行が33.3%、および本四備讃線岡山県最後の駅児島行が57.6%の割合となっている。
所要時間で見ると児島まで35分、宇野まで50分なので岡山まで全区間が通勤・通学圏内となっている。また1時間に2本程度での頻度で運行されている瀬戸大橋線を渡る快速マリンライナーを使えば、高松までも1時間かからず到達可能である。このため県は跨るものの岡山~高松間も圏内に含まれる。
特急列車では予讃線を経由し松山方面へ向かうしおかぜ、および土讃線を経由し高知へ向かう南風がそれぞれ1時間に1本が運転され、四国の2大都市を結んでいる。また、日本唯一の寝台特急サンライズ瀬戸が高松行として運転されている。
【次回予告】
第10回は関東地方の政令指定都市である千葉駅を紹介します。お楽しみに
※グラフデータが見づらいため、下記ファイルをダウンロードしてご覧ください。
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