元従業員13人が内部告発:CIA企業パランティアが作る市民監視網
パランティアという年収4500億円企業が作る全方位監視社会
「パランティア?」最近、耳にするようになったが、よくわからないという人も多いだろう。無理もない。この企業は長年、影に潜んで活動してきたのだが、今、この深層国家の手先企業が突如として表舞台に現れ始めている。
なぜか。答えは簡単だ。もはや隠す必要がなくなったからだ。
CIAのために生まれた監視企業の正体
2003年、アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)の「全情報認識(TIA)」プログラムが市民の猛反発により中止に追い込まれた。このプログラムは、全世界のあらゆる人々の取引、通信、移動データを収集・分析しようという、まさにオーウェルの『1984年』を地で行くような計画だった。
ところが、である。TIAが表向き葬られたまさにその時、PayPalマフィアの首領でビルダーバーグ会議の運営委員でもあるピーター・ティールが、ひっそりとパランティア・テクノロジーズ社を設立していた。偶然だろうか?いや、これは明らかに計画的な「看板の掛け替え」だった。
元TIA責任者で、イラン・コントラ事件の犯罪者でもあるジョン・ポインデクスター(John Poindexter)は、パランティアの能力に感銘を受け、CIAのベンチャーキャピタル部門であるIn-Q-Telに紹介した。こうしてCIAはパランティアの最初の、そして最も信頼できる顧客となった。
「でも、なんで政府機関が直接やらないんだ?」
その通りだ。しかし、ここに巧妙なトリックがある。政府機関が直接市民を監視すれば違法行為になる。だが、民間企業に「外注」すれば、責任を回避できる。パランティアは、まさにこの抜け穴として機能している。
あなたの未来の犯罪を予測する「プリクライム」システム
2018年、ニューオーリンズ警察がパランティアのソフトウェアを使って何をしていたかが暴露された。それは「個人のギャング組織との繋がりを追跡し、犯罪歴を分析し、ソーシャルメディアを解析し、その人が暴力を振るう可能性や被害者になる可能性を予測する」プログラムだった。
映画『マイノリティ・リポート』を観た人なら、背筋が凍る思いだろう。まだ犯していない犯罪で逮捕される世界。それがすでに現実になっている。

「あれは映画の世界だろう」と思うかもしれない。しかし、ロサンゼルス警察の「オペレーション・レーザー」では、パランティアのソフトウェアが車のナンバープレート読み取り装置やソーシャルメディアからデータを収集し、個人に「慢性犯罪者スコア」を付けている。
北カリフォルニア地域情報センター(NCRIC)は、パランティアの「ゴッサム」システムを使って790万人のデジタル監視網を運用している。しかも、地元警察はこの情報源を開示する必要がない。つまり、あなたが「なぜ」止められたのか、永遠に分からないということだ。
殺人AIドローンの開発者として
パランティアは単なる「ソフトウェア企業」ではない。今や軍事請負業者として、レイセオンやロッキード・マーティンといった伝統的な軍需企業に取って代わろうとしている。
2023年3月、パランティアは米陸軍から1億7840万ドルの契約を獲得した。開発するのは「戦術情報標的アクセスノード(TITAN)」と呼ばれるAI搭載地上ステーションだ。これは高高度センサーや宇宙センサーと部隊を接続し、兵士に標的データを提供する。

同年5月には、ペンタゴンから4億8000万ドルで「AIが生成したアルゴリズムと記憶学習機能を使って敵システムをスキャンし識別する」標的システムの開発契約を受注した。
「でも、それは国防のためだろう?」本当にそうだろうか。パランティアCEOのアレックス・カープ(Alex Karp)は「我々の目標は戦争を回避することだ」と主張する。しかし、同社の技術はすでにウクライナとガザで実戦投入され、大量殺戮に加担している。特にガザでは戦闘員ではない一般市民が標的にされていることはあなたも知っているだろう。
あなたのDNAも監視対象に
コロナ禍で、パランティアの触手は医療分野にも伸びた。CDCと契約して接触追跡アプリを構築し、ワープスピード作戦では「ティベリウス」と呼ばれるAIプログラムを提供した。
このティベリウスは、ICUのベッド数や人工呼吸器の利用可能性を監視するだけではない。225のデータベースを統合し、「リスク行動と場所に基づいて民族グループをターゲットにできる」のだ。単にデータをマッピングするだけでなく、行動を予測する。
さらに恐ろしいのは、2015年にリークされたパランティアの文書だ。それによると、米海兵隊はパランティアのソフトウェアを使って「遠隔地からDNAサンプルをアップロードし、長年にわたって収集された指紋やDNA証拠の情報にアクセス」している。結果はほぼ即座に返され、対象者を逮捕すべきか解放すべきかを海兵隊に指示する。
今や米国政府(および他国政府)は、パランティアを使ってバイオ監視を行い、遺伝子バンク内の個人にリスクスコアを割り当てている。何が起こるか、想像できるだろうか?
スーパーマーケットでの買い物も監視される時代
2024年2月、パランティアがオーストラリアのスーパーマーケット大手コールズと契約を結んだというニュースは、多くの人を困惑させた。
「え?CIAの下請け企業がスーパーと?」
そう、パランティアの「ファウンドリー」プラットフォームは、コールズの840店舗、12万人の従業員、9000社のサプライヤー、410億ドルの収益に関する100億行のデータを取り込み、あらゆる側面から「洞察」を提供する。

表向きは「効率化」と「業務の合理化」だ。しかし実態は何か。
顧客が店に入った瞬間から最終購入まで、すべての動きをカメラで追跡し、売上を最大化するための店舗レイアウトと買い物体験を設計する。従業員の一挙手一投足も監視され、生産的な1分1秒を搾り取る。生活費危機の中で記録的な利益を上げ続けるために。
テクノクラートたちの夢、「科学的管理」による完全な効率化。そこでは人間は単なるアルゴリズムで操作される対象でしかない。
トランプ政権下で急拡大する監視網
ピーター・ティールの子飼いが副大統領に就任し、ティール派がトランプ政権2.0のあらゆる部署に配置された今、事態はさらに悪化している。
トランプが大統領に就任してから、パランティアの株価はほぼ2倍になった。就任週の73ドルから、現在は139.74ドルまで上昇している。
2025年3月、トランプは一見無害に見える「情報サイロ(各部門のデータの独立保持)を排除することによる無駄、詐欺、濫用の阻止」という大統領令に署名した。しかしニューヨーク・タイムズの詳細な報告によれば、これは様々な政府機関がパランティアのファウンドリー・プラットフォームを使用することにつながっている。
トランプ就任以来、パランティアは連邦政府から1億1300万ドル以上を受け取り、国防総省からはさらに7億9500万ドルの契約を獲得した。4つの政府機関がすでにファウンドリーを使用しており、社会保障局と内国歳入庁(IRS)も導入を検討している。
これが何を意味するか分かるだろうか。これらすべての連邦機関が、アメリカ市民に関するデータを統合し、自由に共有できるようになる。日常生活のあらゆる私的で機密性の高い情報を収集する、巨大なデジタル監視網の完成だ。
Thinking Ahead | ビッグデータ、デジタル革命、参加型市場社会に関するエッセイ Dirk Helbing
— Alzhacker (@Alzhacker) November 26, 2022
犯罪やテロ行為に関与していない一般市民にとって、大規模な監視は問題ではないと考えるのは、素朴な考えで、まさに間違いである。 pic.twitter.com/HSfOmR5ioU
ついに立ち上がり始めた市民たち
しかし、希望はある。
パランティアの元従業員13人が先月、技術者たちに侵入的なメガデータベースの作成に抵抗するよう求める書簡に署名した。独立メディアで警告を発してきた私たちは、もはや荒野で叫ぶ孤独な声ではない。今、誰もが懸念の合唱に加わっている。
民主党はパランティアとIRSについて大騒ぎしている。社会主義者はパランティアのテクノファシズムについて警告している。驚くべきことに、MAGAさえも怒っている。「トランプは我々を裏切った:潜在的な国民データベースに対するMAGAの反応」という見出しが踊る。
もちろん、これらの反対の声の動機を疑うべきだ。左派の一部は単にトランプ政権を別の面から攻撃するチャンスを感じているだけかもしれない。民主党が政権に返り咲けば、ブッシュ時代の反戦デモ参加者がオバマ政権下で沈黙したように、左派の反対の声も沈黙するだろう。
だが、動機や意図がどうであれ、パランティアとその活動に反対する声が上がっているという事実が重要だ。たとえ一部の統制された役者が粗野な政治的理由でパランティアに抗議しているとしても、以前は気づいていなかった脅威に気づき、立ち向かっている多くの市民がいる。
悪いことをしていないのだから隠さなくていい?

「何も隠すことがないからプライバシーの権利に関心がない」と主張するのは、「何も言うことがないから言論の自由に関心がない」と言うのと変わらない。 - エドワード・スノーデン
パランティアを単なる悪の企業として片付けるのは簡単だ。しかし、本当の問題はもっと深い。なぜ政府はこんな企業を必要とするのか。なぜ私たちは便利さと引き換えにプライバシーを差し出すのか。
スノーデンは言う。「監視されているってことを知ると、人は無意識に自分を抑えてしまう。社会のルールに合わせて行動したり、ちょっと変わったことを試すのをやめたりするようになる。」
最後のワクチン反対運動
この視点、ワクチン反対運動にもつながる話かもしれない。2025年6月22日、今の時点で振り返ると、ワクチンへの反対って結構大きな動きになってきたけど、もし監視がもっと強まってたとしたら、どうだっただろう。
もしみんなが「政府が見てるから反対するのはやめとこう」って感じで自己規制してたら、ワクチン反対運動は完全に埋もれてしまったのではないだろうか。日本だけでもワクチンで数十万人の人々が亡くなった。その中から自ら実名で訴えた人は数十人しかいなかった。つまり実名で声を挙げることができる人は一万分の1だ!
彼らの勇気は称賛してもしきれない。一方で、プライバシーが守られて、匿名で意見を言い合える場所があったからこそ、その他の大勢のワクチンの被害にあった人が声を出せた部分は大きい。
匿名の彼ら一人ひとりが監視されていると思って、ヤフーの掲示板やSNSに呟くことさえやめていたらと想像してみてほしい。
完全なデジタル監視網が実現することは、匿名の力をすべて抑え込み権力者が民衆の力を1万分の1にまで抑え込むことができることに等しい。これが全体主義国家でないとしたら何がそうなのか?
最大の敵は、実はパランティアではない。監視を受け入れ、それを「安全のため」「効率のため」「便利がいいから」と正当化する私たち自身の中にいる。スノーデンが指摘するように、「悪いことをしていないのだから隠さなくていい」という考えこそが、監視社会の危険性を見えなくさせてしまっているのだ。
監視を正当化する主な理由、それは国民のためであるということは、市民を善人と悪人のカテゴリーに分ける世界観の投影に依拠している。この考え方では、当局は悪人、つまり「悪いことをしている人」に対してのみ監視権限を行使し、彼らだけがプライバシーの侵害を恐れることになる。これは古くからある…
— Alzhacker (@Alzhacker) October 1, 2023
パランティアとの戦いは、結局のところ、私たち自身との戦いでもある。
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