人生と仕事を変える“情熱と考え方”の成功法則 「成功への情熱【新装版】」を小学生にも分かるように説明します。
成功への情熱【新装版】
著者 稲盛 和夫
はじめに
このnote記事は、無料部分の「小学生でもわかる解説」だけでも十分にご理解いただけます。
有料エリアには「音声考察(日本語版・英語版)」と本のエッセンスをより深く理解するための「大人向けの解説」を用意しております。
なお、この記事は無料・有料・音声考察のすべてにおいて、原著の引用は一切使用しておりません。すべて、私自身の言葉のみで構成したものです。

誰もがこれから先の人生で、勉強や部活、友達関係、そして将来の夢など、たくさんの壁にぶつかったり、悩んだりすることがあると思います。
そんな時に、皆さんの人生を力強く導いてくれる「羅針盤(進むべき方向を教えてくれる道具)」となるような素晴らしい教えがあります。
それが、世界的な大企業である京セラを創業した稲盛和夫さんが書いた「成功への情熱」という本に書かれている考え方です。
稲盛さんは、特別な才能や経験がなくても、人間として正しいことを追求すれば必ず成功できると信じ、その哲学をアメリカの会社の人たちにも伝えて大成功を収めました。
今回は、この本の中から、皆さんがこれからの人生を最高に素晴らしいものにするためのヒントを紹介していきます。
君の人生の主人公は「君自身」である
稲盛さんは、「人生とは、自分自身が主役を演ずるドラマである」と言っています。
テレビや映画のドラマには、最初から結末が決まっている台本(脚本)がありますよね。
しかし、私たちの現実の人生というドラマでは、ただ決められた役を演じるだけではなく、自分自身でその台本を書かなければならないのです。
皆さんの運命は、生まれた時からすでに決められているわけではありません。
自分の心や考え方を高め、毎日を一生懸命に生きることで、運命はいくらでも素晴らしい方向へ変えていくことができると稲盛さんは信じています。
目的も持たずにただ流されるように生きる人と、「自分はこういう素晴らしい人生を送るんだ!」と自分で台本を書いて主役を演じる人とでは、将来に大変な違いが生まれます。
だからこそ、まずは「自分の人生の主役は自分であり、未来は自分で作っていくんだ」という強い気持ちを持つことが、成功への第一歩なのです。
魔法の方程式「人生の結果=考え方×熱意×能力」
では、ごく普通の人が大きな成功を収めるためには、どうすればいいのでしょうか?
稲盛さんは、とてもわかりやすい「成功のための方程式」を発明しました。
それは、【 人生の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力 】という掛け算です。
足し算ではなく、掛け算であるというところが最大のポイントです。それぞれの言葉の意味を詳しく見ていきましょう。
まず「能力」とは、頭の良さや運動神経など、生まれつき持っている才能のことです。これは「0点から100点」まであります。
次に「熱意」とは、「絶対にこうなりたい!」という強い思いや、一生懸命に努力する情熱のことです。これも自分で決めることができ、「0点から100点」まであります。
もし、この方程式が足し算だったらどうなるでしょう?
生まれつき才能に恵まれた天才には、普通の人はどんなに努力しても絶対に勝てないことになってしまいます。しかし掛け算であれば話は別です。
例えば、能力が「90点」もある天才が、才能を鼻にかけて努力を怠り、熱意が「30点」しかなかったとします。
掛け算すると、90×30=2700点です。
一方で、能力は平均的な「50点」でも、誰にも負けないくらい情熱を燃やして「90点」の熱意で努力した人がいたとします。
掛け算すると、50×90=4500点になります。
つまり、平凡な人でも、真面目に情熱を持って努力すれば、天才と呼ばれる人たちよりもはるかに素晴らしい結果を出すことができるのです。
そして一番重要なのが、3つ目の要素である「考え方」です。考え方とは、どんな心構えで生きるかということです。
この考え方だけは、「マイナス100点からプラス100点」まであります。
嫉妬や恨み、自分だけが得をすればいいという悪い心を持っていると、考え方がマイナスになります。
掛け算ですから、どんなに能力が高くて熱意があっても、考え方がマイナスなら、人生の結果はすべてマイナスになってしまうのです。
逆に、前向きで素直な、人間として正しい考え方を持っていれば、素晴らしい人生を送ることができます。
素晴らしい才能を持ちながら、間違った方向に努力して犯罪者になってしまうのが、考え方がマイナスになった最悪の例です。
だからこそ、プラスの正しい「考え方」を持つことが何よりも大切なのです。
「能力」と「熱意」の本当の意味を理解しよう
方程式の中にある「能力」について、稲盛さんはとても深いことを教えてくれています。
最も偉大な能力とは、頭の良さなどではなく、「自分自身に打ち勝つ能力」のことだと言っています。例えば、学校のテストで考えてみましょう。
あまり頭は良くなくても、真面目にコツコツ勉強して良い成績をとる人がいます。
一方で、頭の回転が速くて全然勉強しなくても簡単にテストをクリアしてしまう人もいます。
後者の人は「俺が本気を出せば、あいつなんかには負けない」と見下すかもしれません。
しかし、コツコツ勉強できるということは、テレビを見たい、ゲームをして遊びたいという目の前の楽しいことや、怠けたいという「自分自身の心」に打ち勝つことができるという素晴らしい能力なのです。
人間は誰でも楽な道を選びたくなります。しかし、安易な道を避け、困難に立ち向かって自分を鍛えていく意志の強さこそが、真の能力なのです。
そして、「熱意」を持ち続けるためには、自分のやっていることを「好きになる」ことが大切です。
仕事でも勉強でも、ただ義務感だけで嫌々やっていたら、それはただ辛いだけのものになってしまいます。
自ら進んで「これは楽しいことだ」と自分に言い聞かせて努力を重ねることで、本当に心からそのことが好きになり、燃えるような熱意が湧いてくるのです。
壁にぶつかった時に、「自分にはここまでしかできない」と諦めてしまう人と、諦めずに粘り強く突破しようとする人の差は紙一重ですが、結果には大きな違いが生まれます。
情熱を持って、絶対に諦めない粘り強さを持つことが、成功への鍵となります。
「考え方」を磨く〜地獄と極楽のうどんの話〜
方程式で一番大切だった「考え方」をプラスにするとは、具体的にどういうことでしょうか?
それは、「人間として何が正しいのか」を常に自分に問いかけ、思いやりの心を持つことです。
このことを分かりやすく教えてくれる、ある若い修行僧と老師の「地獄と極楽」のお話があります。
ある日、修行僧が「地獄とはどんなところですか」と尋ねました。
老師はこう答えました。
「地獄には、大きな釜の中に美味しいうどんがぐつぐつと煮えている。
しかし、それを食べるためには長さが1メートルもある長い箸を使わなければならない」。
地獄にいる人たちは皆お腹を空かせています。
美味しそうなうどんを我先に食べようと、その長い箸を釜に突っ込みます。
しかし、箸が長すぎるため、うどんを掴むことはできても、自分の口に運ぶことができません。
みんな自分が真っ先に食べようと狂ったように争い、喧嘩になり、ついにはうどんはあちこちに飛び散ってしまい、誰も食べることができず飢え苦しむのです。
修行僧は次に「それでは、極楽とはどんなところですか」と尋ねました。老師の答えは驚くべきものでした。
「実は、極楽も地獄と全く同じ状況なのだ。同じ大きな釜があり、同じ1メートルの長い箸を使わなければならない」。
しかし、極楽にいる人たちは違いました。
彼らは長い箸でうどんをつかむと、釜の向こう側にいる人に向かって「どうぞ、このごちそうをお先に召し上がってください」と食べさせてあげるのです。
すると、食べさせてもらった人は「どうもごちそうさまでした。今度はあなたにお返しをさせてください」と、自分の箸でうどんをつかみ、相手の口に運んであげます。
こうして、極楽では全員が美味しいうどんを仲良く食べることができ、永遠の幸せを楽しんでいるのです。
このお話が教えてくれるのは、私たちの人生や生活の場も、私たちの「考え方」次第で地獄にも極楽にもなるということです。
自分さえ良ければいいという利己的(自分勝手)な心を持てば争いが起きて地獄になり、お互いに思いやりを持って助け合う心(利他の心)を持てば、そこは極楽になるのです。
常に相手の立場に立って考える純粋な心を持つことが、プラスの「考え方」の基本です。
大きな夢を具体的に描く〜ホットドッグ屋さんのシミュレーション〜
皆さんは、将来の夢や目標を持っていますか?
何かを成し遂げるためには、心の底から「絶対にこうしたい!」という強い願望(夢や目標)を持つことがとても大切です。
稲盛さんは、この強い願望が潜在意識(無意識の深い部分)に届くまで、寝ても覚めても24時間そのことを考え続けるべきだと言っています。では、どのように夢を現実にしていくのでしょうか。
ここで、アメリカの勉強会で稲盛さんが話した「屋台のホットドッグ屋さん」の例を紹介しましょう。
もしあなたが、生活のために仕方なくホットドッグ屋さんを始めるとします。その時に、「他に仕事がないから仕方なくやる」という負け犬のような態度であってはいけません。
家族を幸せにするんだという大きな夢と希望を持つべきです。大胆に夢を持つことは決して悪いことではありません。
そして次に大切なのが、その夢を頭の中でまるで映画のカラー映像を見るように、具体的にシミュレーション(想像)することです。
まずは車を買い、ガスコンロを置き、ジュースの機械をつける場面を想像します。次に、どこで売れば一番お客さんが来てくれるかを考えます。
大学の近くがいいか、工事現場の近くがいいか、実際に行って観察してみようと考えます。さらに、困ったことが起きた時の対策も考え抜きます。
もし雨が降ったらどうする?もし車が壊れたら?もしお客さんに味が美味しくないと言われたら?材料が切れたら?ライバルのお店ができたら?
こうしたあらゆる問題を前もって頭の中で考え、解決策を準備しておくのです。
昼も夜も考え続けることで、1日に何本売れて、いくら儲かるのかがはっきりと見えてきます。
このように、あらゆる困難を想定して準備をしておけば、いざという時に立ち向かう「真の強さ」と勇気が湧いてきます。
稲盛さんはこのプロセスを、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」と表現しています。
最初は「絶対にできる!」と明るい夢を持ち(楽観的に構想)、計画を立てる時は「こんな失敗をするかもしれない」とあらゆる危険を予測して慎重に準備し(悲観的に計画)、いざ行動する時はまた「大丈夫だ!」と明るく自信を持って実行する(楽観的に実行)のです。
この考え方は、皆さんが学校の行事を成功させたり、将来の仕事で成功したりするために、必ず役に立つはずです。
創意工夫とあきらめない心〜日々の小さな一歩が奇跡を起こす〜
大きな夢を実現するためには、「創意工夫(そういくふう)」を続けることが欠かせません。
創意工夫とは、何か突然すごい大発明をすることではありません。
「昨日よりも今日はより良い方法を考えよう」「今日よりも明日はもっと工夫してみよう」と、毎日少しずつ改善を続けていくことです。
どんなにつまらないと思えるような単純な作業や、例えば掃除のような仕事であっても、「どうすればもっと綺麗に、早くできるだろうか」と想像力を働かせて工夫することはできるのです。
この毎日の小さな工夫の積み重ねが、やがて信じられないような大きな成功や、素晴らしい技術の開発につながっていきます。
また、新しいことに挑戦するときには、必ずと言っていいほど困難な壁が立ち塞がります。
誰もやったことがない未開の領域を進むのは、真っ暗闇の海をコンパスも持たずに航海するようなもので、頼れるのは自分自身しかありません。
そんな時に一番大切なのが、「決して諦めない(ネバーギブアップ)」という心です。
失敗する人は、壁にぶつかった時に「自分には無理だ」と理由を見つけて努力をやめてしまう人です。
成功する人は、壁にぶつかっても諦めず、どうすれば壁を突破できるかを考え、粘り強く努力を続ける人です。
「もうダメだ」と思った時が、本当のスタートです。成功に近道や魔法の絨毯はありません。
自分の足で一歩ずつ、確実に歩みを進めることだけが、夢を実現するただ一つの確実な方法なのです。
努力し続けることをやめない限り、失敗したとは言えません。
自分の可能性を信じて、限界まで挑戦し続ける強さを持ちましょう。
まとめ〜人間として正しい「誠実さ」と「思いやり」を持とう〜
これまで、成功するためのたくさんの考え方を紹介してきましたが、稲盛さんが経営の秘訣として掲げた「PASSION(情熱)」という英語の頭文字には、7つの大切な言葉が込められています。
・Profit(利益):利益は努力の結果として後からついてくるもの。
・Ambition(願望):潜在意識に届くほどの強い夢を持つ。
・Sincerity(誠実さ):相手の身になって思いやりを持って行動する。
・Strength(真の強さ):正しいことを行う勇気を持つ。
・Innovation(創意工夫):昨日より今日、今日より明日と改善を続ける。
・Optimism(積極思考):常に明るく前向きに夢と希望を抱く。
・Never give up(決して諦めない):誰にも負けない努力で最後までやり遂げる。
この中でも、皆さんに一番胸に刻んでほしいのが「Sincerity(誠実さ)」です。
どんなに能力が高くても、どんなに努力をしても、自分勝手で人を騙したり、他人のことを考えない行動をしていては、本当の成功を手に入れることはできません。
人間関係の土台となるのは、相手を思いやる心です。
誰かから信頼され、愛されるためには、まず自分自身が相手を思いやり、信頼される人間にならなければなりません。
うどんのお話にもあったように、自分さえ良ければという「私心」を捨てて、世のため人のためにという純粋な心で行動した時にこそ、周りの人たちも協力してくれて、素晴らしい調和が生まれるのです。
皆さんのこれからの人生というドラマは、まだ白紙の状態です。
どんな困難があっても、常に明るく前向きな気持ちを持ち(積極思考)、人間として何が正しいかを判断の基準にし、周りの友達や家族を思いやる誠実な心を持ってください。
そして、自分自身の無限の可能性を信じて、決して諦めることなく一歩一歩努力を重ねていってください。
そうすれば、皆さんが描いた人生の台本は、必ず誰もが感動する素晴らしい名作となり、皆さん自身が最高の主人公として輝くことができるはずです。
皆さんの輝かしい未来を、心から応援しています。

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