【実録】妊活エッセイでは書かれない、男から見た不妊治療の泥臭い全記録
はじめに
この記事は私の体験と妻から聞いた話を中心につくられました。noteもそうですが、他のSNSやYouTubeにも妊活の話はたくさん出ています。ただ、私が見たそれらは、エッセイや感想文であり、情報を提供している感じではありませんでした(私が見たものがたまたまそうだっただけかもしれませんが…)。
今回、私は記事を書くにあたり、その場その場で感じたことは最低限書いていますが、基本的には「お涙頂戴はいらない」という考えのもと、読んでくれた皆さんが妊活のリアルを感じられるように書いたつもりです。
この記事を読んで、少しでも皆さんのお役に立てれば、と考えています。
※この話題について語る場合、「保険適用」という言葉が一般的に使われます。
ただ、この言葉が混乱を招く原因にもなっており、民間の保険会社の保険適用になる場合と、一般的には「健康保険」と言われる保険適用になる場合と、それぞれ異なります。そのため、本文中では「公的(医療)保険」または「民間(医療)保険」とさせていただきます。
もし、区別がつかないものがあれば、コメントなどでご指摘いただけると助かります。
第1部:3つのクリニックと2人目不妊の現実(筆者の経験)
1. 順調だった1人目と、想定外だった2人目の壁
2010年代後半、私たちは不妊治療の門を叩きました。最初は妻からの提案で、言われるままにクリニックを受診しました。1人目の時は、クリニックで勧められた検査のタイミングが偶然排卵日と重なり、幸運にもすぐに授かることができました。
この検査ですが、フーナーテストというもので、避妊せずに性行為をして、翌朝、膣内に残っている精子と女性の身体を同時に検査するものです。
私は気にしなかったのですが、世の中には、妊活に非協力的な男性も一定数いるようで、この検査なら男性の協力があまりなくてもできるため、クリニックから勧められることがあるようですね。
何はともあれ、1人目はここで妊娠、その後、いろいろあったものの無事生まれました。
しかし、妊活という意味では、本当の戦いは「2人目」からでした。
2人目の時は転居したこともあり、別のクリニックに行ったのですが、そこでの検査の結果、妻側に「卵子の数が少ない」「卵管が詰まっていて卵子が降りてこない」という物理的なハードルが見つかりました。卵子数は生まれついてのもの、卵管については「なんでだろう?」と思えなく、まず1人目は自然妊娠しており、その後、仮にですが、どちらかが浮気などで感染した病気が原因であれば、夫婦とも感染して治療が必要になるため、ごまかしようはありません。
ですが、原因の追求よりも今後の対策が重要でした。医師からは体外受精(IVF)を提案され、私たちの長い病院通いが始まりました。
※補足:体外受精について
この後の話を分かりやすくするために、体外受精について、簡単に説明しておきます。
①薬で卵子を育てる。増やす。
②採卵:卵巣に針を刺して卵子を取り出す
③受精:精子をふりかける、もしくは注精子を1匹選んで卵子に直接注入する。
④培養:受精させた卵子を3~5日ほど育て、育ったものは冷凍保存する。
⑤移植:育った卵子(卵細胞)を子宮に戻す。
⑥妊娠判定
当然ですが、1つの卵子で上手くいくものではなく、例えば採卵できた卵子が②ですべて受精できるわけでもなく、④の段階でも全部がきれいに育つわけではありません。ただ、④で移植に適合する卵細胞を複数育てることができれば、その卵細胞がなくなるまでは移植を繰り返すことになります。
ですので、まず最初の卵子が大量に採取できれば、そこからが楽になりますし、逆に卵子がたくさんあっても、男性側に無精子症などの疾患があると、受精させられる数は少なくなります。
ですので、語るときは確率論になりますが、確率通りにいかないのが妊活の難しいところです。
2. 3つのクリニック、それぞれの特徴と失敗
私たちは結果的に3つのクリニックを渡り歩きました。これから病院を選ぶ方のために、その時の判断基準と実態をお伝えします。
• 1軒目:通いやすさ重視の落とし穴
車で30分という距離と、土日診療・長時間対応で、働きながら通うには最適でした。しかし、処置室がガラス張りでさすがに待合室側からは見えませんが、妻が言うにはスタッフ側には丸見えだったそうです。プライバシーへの配慮に欠けており、妻の精神的負担が限界に。2回の移植も結果が出ず、転院を決意しました。
• 2軒目:有名芸能人も通う「無麻酔」の恐怖
都内の有名なクリニック。「細い針を使うから痛くない」という触れ込みで無麻酔採卵を行っていましたが、実際は激痛でした。受精卵の状態などを胚培養士の方が丁寧に説明してくれる点はよかったのですが、受診のたびに医師が変わり、妻は2回採卵した段階で痛みに耐えきれず「もう無理」と悲鳴を上げ、ここでは移植することなく離れることになりました。
• 3軒目:相性と結果
最終的に選んだ3軒目で治療を継続しました。ここも大人気のクリニックで、待ち時間は3〜4時間は当たり前、というところでしたが、妻は在宅勤務のため、待ち時間はPCを持ち込んで仕事をしていました。また、医師が1人(女性院長のみ)で話した時の相性がよかったので、こちらでしばらく継続することになりました。
ただ、ここで2回移植しまして、合計4回の移植をしましたが、ここまでいい結果は出ていません。
また、クリニックによって、子ども同伴が認められるところとそうでないところがあります。
私の経験した中では、
1件目:時間によって同伴OK
2件目:基本OK
3件目:NG
となっていました。
要は、我が家のように1人目が生まれていて、2人目の妊活に来ている人もいますが、まだ子どもがいない人からすれば思うことがいろいろあるわけです。
実際、クリニックではないですが、妻も近所で新しいお子さんが産まれた時は、相当なショックを受けていました。
ですので、最初のお子様の妊活であれば、子ども同伴禁止のところを選ぶのもありだと思います。
このように、病院によって方針も環境も全く異なることを痛感しました。
3. 「採精室」の孤独と、男性ができることの限界
男性側の治療参加は、女性に比べて圧倒的に身体的負担が少ないのが現実です。
女性は採卵、移植と何度も痛い思いをして通院しますが、男性は「自宅で採取して持参」または「クリニックで採取」で、クリニックから指定されます。
私の場合、1件目と3件目が持参、2件目がクリニックの「採精室」を利用しました。
持参の場合は妻がクリニックに行く前に、自分で精子をカップに出して、妻に持って行ってもらえば終わり。時間次第では、その後、普通に仕事に行けます。
クリニックで採精の場合は、仕事を1日もしくは半日休むことになります。
「え!」と思う男性も多いかと思いますが、男性はこの時以外は休まなくても妊活を進められますが、女性は生理が来るたびに仕事を休むような状況になります。しかも、「生理が来たら3日以内に来て」と言われるので、「この辺かな~?」となんとなく予定を立てて、生理が来たらそこで休む、しかし生理がずれたら終わる、のような非常に難しい状態になります。
そういう意味でも、やはり妊活で負担がかかるのは女性です。
話を採精に戻します。
私の経験としては、「ご主人は⚪︎階にお願いします」と言われ、私だけで行ってみると、個室が3つと受付のようなところがあり、そこで名前を確認され、カラオケのように、小さいカゴに入った、テレビのリモコン、ウェットティッシュといわゆるアダルトDVDと採精用のカップという一式を渡され、「⚪︎番のお部屋でお願いします」と個室に案内され、その中で用を済ませて、カップその他一式を返却するという作業になります。
ちなみに、この受付の方は女性ですが、本当に機械的に対応されます。
人によっては、この男性の行為を精神的にどうこう仰るかもしれませんが、うちの妻に言わせれば「気持ちよくなっただけでしょ」とのことです。
このような「仕事との両立」「身体的痛みのなさ」が、夫婦間の温度差を生む原因になり得ると感じました。だからこそ、男の出番はなくても仕事を休んで送り迎えする、そこまでできなくてもスケジュールを把握しておくなど能動的なサポートが不可欠なのです。
第2部:経験から導き出された「考察」と「教訓」
1. 「1年」を待つな、検査は今すぐ
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