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sirasagijyousyu
LOVE怪談【毎週ショートショートnote】
この近所の街外れに、一軒の廃屋があってね。
十数年前までは、一人の老人が住んでいた。常に虚ろな目で「すまない……」とブツブツ謝っていて、地域の住民には気味が悪いと避けられていたらしい。
その老人が亡くなり、もともと古かった平家がさらに朽ちてしまうと、地元の悪ガキが五人、度胸試しと真夜中に忍び込んだ。
奥の部屋に、祭壇のような台があった。
そこには花と、一枚の美しい女性の写真が飾られていた。
朽ちた廃屋の中、そこだけはあり得ないほど綺麗で、花も生き生きと咲いていた。
そして、不用意に写真を手に取った一人だけ、後日、手に酷い火傷を負った――
「実はその老人、若い頃地元の名士の娘と恋仲になったが、相手は他の名家に嫁いでしまった――なんて噂も聞きましたが、まあ、本当かどうか――」
「……お話、ありがとうございました」
怪談好きのタクシー運転手は、客の裕福そうな老婦人がそう答えるのを聞いたと語るが――後部座席には、誰も座っていなかった。
