ファースト奇襲【毎週ショートショートnote】
「……驚かされましたよ、オデッセイ国のエリシオン将軍。貴公は常に正々堂々たる軍略と指揮で数々の輝かしい武功を挙げ『騎士道の体現者』と称された方。それがまさか、こんな奇襲に打って出るとは……完全に不意をつかれました」
「想像もしていなかった……と? ならば、大成功ということですかな。私の、初めての奇襲は」
「初めて――貴公であれば、こんな小国の一参謀ごときに、そんな手をつかわずとも――」
「もはや近隣国同士が正面から戦うような時代ではないのです、軍師アリオン殿よ。……それに、ご謙遜が過ぎる。難攻不落と名高い貴方を落とすには、形振り構ってなどいられない――そう判断したまでです」
「それは恐悦至極――しかし将軍、やはり私には火力が強すぎました――まさか、初手からキスとは」
「す、すまぬ。世が平和になり、晴れて貴方にアプローチできると意気込んだはいいが、正直どうしていいかわからず……こんなひらひらした服を着るのも初めてで……」
