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zetsumetsusengyo
ほころびタンシチュー【毎週ショートショートnote】
「その日は、彼女からぁ、『おいしいシチューを作るよ』って誘われててぇ……」
舌足らずな喋り方で、第一発見者である被害者の友人は取り調べに答える。
「待ち合わせの正午にインターホン鳴らしても反応なくてぇ……ノブ回したら開いてて、それで……」
「中に入ったらご友人が刺されて倒れていた……と」
若手の刑事が横から補足する。
「LINEの履歴から、裏はとれています。被害者から調理中の写真付きのメッセージが送られていて――」
ベテラン刑事は若手を遮り、静かに切り出した。
「あなたは、もっと早く現場にやってきて、被害者を刺したんじゃないですか」
「!」
「調理前だったシチューはあなたが作って、被害者のスマホを使い、自分で送信した――」
「そ、そんなわけ――」
「冷蔵庫にね、牛タンがあったんですよ」
「……!」
「被害者が作るつもりだったのは、おそらくタンシチュー。しかし実際にできていたのはホワイトシチュー……どうです、もう二枚舌はやめませんか?」
