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goma_cheese
Yシャツ犬【毎週ショートショートnote】
俺は組織の犬。今日も休日返上で、仕事に励む。
「……何してるんだい?」
同僚の女性社員が、先に誰もいないオフィスにいたので、声をかけた。
「ええ、ちょっと書類の整理を――」
「いくら探しても、その棚に機密書類はないよ」
「……!」
彼女の顔色が変わる。
泥棒猫が、尻尾を出したな。
「ねえ……見なかったことにしてくれない?」
猫撫で声で懐柔しようとしてきた。
普段は猫を被っていた、同業他社のスパイってところか。
「残念ながら、敵対する者には容赦できない立場でね」
俺の役割は、番犬なのだから。
「だから――俺の味方にならないか?」
俺は懐から取り出した――警察手帳を。
「あなた、まさか……潜入捜査官?」
「この会社には深い闇がある。きみもその闇をここ掘れワンワンと掘り出す手伝いをしないか? 正直、猫の手も借りたいところでね」
「お互いの利のため、国家の犬の犬になれってわけね。いいわ。私も、犬死にはしたくないもの」
Yシャツ犬も歩けば、相棒に当たる。
