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誤字審査【毎週ショートショートnote】

四次が最終審査と発表されていた『MAISHOファンタジー文芸コンテスト』。
しかし、なぜか私は直接対面しての「五次審査」を受けることになった。
何とも奇妙な話だが、全身全霊を注ぎ紡ぎ上げた自信作を直接プレゼンできるなら、望むところだ。

「では審査を始めます。まず、作品に登場する主人公の村の名前――これ、誤ってはいませんか?」

審査員の一人が原稿を見せてくる。

「……合っています。『オゲレツ村』です」
「では、ライバルの名前は」
「『プリプリ・プリンプリン』で間違いありません。プリンプリンとは、この国の英雄が継承する称号で」
「……あの、今からでも、誤字ってことになりません?」
「私は主人公『ワキヤク』が冒険を繰り広げる魔法界『ブツリシカ=カタン』の世界を、長年かけて緻密に構築したんです。一字一句、この名前でないと!」
「そうですか……話は文句なく面白いのにな……では、最後に、作者名。さすがにこれは『たらばがに』の誤字ですよね?」



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