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flower_koibana
獣人十色【毎週ショートショートnote】
「私は占い師です。昨晩彼を占ったら、結果は『人狼』でした」
その言葉に、視線が一斉に俺へと集まる。
「いきなり何を」
「とぼけないで。占いに間違いはないもの」
「お前が本物だったら、ね」
「本当よ!」
「待ってください。僕が本物の占い師です。彼は人狼ではありません」
「そう、そのとおり。俺は人狼じゃない、『人犬』だ」
「人犬……?」
「援護してくれたお礼に、今晩はきみを守ってあげるよ、占い師の『人兎』くん」
人犬は『人虎』や『人熊』と同様、任意の一人を夜の敵襲から守ることができる。『人羊』や『人鹿』など、草食動物しか能力が発現しない占い師を守るのに適した獣人だ。
「ニセ占い師さん、お前はおおかた『人猫』ってとこだろう」
「にゃっ、にゃにを……」
その慌て方。嘘つきで気まぐれ、どちらの味方にもつかない人猫でビンゴだな。よしよし。
でも、まだまだ先は長い。何しろ、ここに集った様々な獣人たちの敵『人間』は、まだ一人も見つかっていないのだから。
