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合格奇岩【毎週ショートショートnote】
父は奇岩探しの達人だった。
有象無象の岩塊の中から、質の違う奇岩を見極め収集し、検査で合格すると、等級に見合った報酬がもらえるのだ。
流通は『二級』までが主で、『一級』は父でも見つけることは稀だ。
そして、さらに別格――世界的にも貴重な『特級』に合格するような奇岩を見つけたら、いくらでも望みを叶えられるのだという。
父を手伝ううちに、高確率で『特級』奇岩がありそうな場所の目星はついている。が、危険だからと父は決して足を踏み入れようとしない。
ある日、父が怪我をした。
『特級』を探すなら、今しかない。
俺は単身、踏み込んだ――高価値なレアアースを含む『一級』奇岩だらけ、しかしその分危険な小惑星帯へと。
父の手伝いで培った目利きと、陰で練習を重ねてきた操船技術で、俺は見事『特級』を探しあてた。
そして俺は願った。
父の怪我が早く治るように、と。
今まさに夜空に尾を引き、世界中の人々が数多の祈りを向けている、俺が見つけた『特級』奇岩に。
