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境界線は、拒絶ではない。

人間関係に疲れた私が、NVCで学んだ「我慢せずに伝える方法」


境界線を引くことに、ずっと罪悪感がありました。

嫌だと思っても、断れない。
疲れていても、頼まれると応えてしまう。
本当はやりたくないのに、

「これくらいなら、私が我慢すればいい」

と自分に言い聞かせる。

断ることで相手が困ったり、
嫌な思いをしたりするなら、
私が少し無理をすればいい。

そんなふうに、何度も
自分の気持ちを飲み込んできました。

そして心のどこかでは、

こんなに相手のことを考えているのだから、
いつかきっと報われる。

そう思っていたのだと思います。

でも、実際にはなかなか報われませんでした。

むしろ我慢を続けるほど、

「どうしてわかってくれないんだろう」

という気持ちが強くなっていきました。

今振り返ると、
それは当然だったのかもしれません。

私は口では、「大丈夫」
と言いながら、心の中では、
「もう無理」と思っていたからです。

言葉では受け入れている。
でも、内側では疲れや不満が積み重なっている。

そんな状態が続くと、ある日突然、
相手のちょっとした言葉や行動に
強く反応してしまうことがあります。

「どうして気づいてくれないの?」

「どうして私ばかり?」

以前の私は、
そんなふうに思うことがありました。

でも今は、

相手にわかってもらう前に、
まず私自身が自分の限界に気づく必要があった

と思っています。

「いつかわかってくれる」が苦しさに変わるまで

人間関係の中で、一度や二度なら
我慢できることもあります。

私自身も、理不尽だと感じることがあっても、
「今回は仕方ない」
「またやり直せばいい」
と、何度も飲み込んできました。

けれど、一方的に合わせ続けていると、
「いつかわかってくれる」
という期待は、少しずつ、
「どうしてわかってくれないの?」
という苦しさに変わっていきます。

しかも、こちらが何でも受け入れ続ければ、
相手にとってそれが
「普通」になってしまうこともあります。

何を頼んでも聞いてくれる。
強く言っても受け入れてくれる。
こちらに合わせてくれる。

相手に悪意がなくても、
境界線が見えなければ、
どこまで踏み込んでいいのかわかりません。

だからこそ、

自分の限界を伝えることも、
人間関係の一部なのだ

と思うようになりました。

NVCを知って、「我慢するか、動くか」
以外の選択肢を知った

そんな中で知ったのが、
マーシャル・ローゼンバーグが提唱した
「非暴力コミュニケーション(NVC)」です。

NVCは、相手を責めたり
批判したりするのではなく、
自分の気持ちや大切にしたいことを
言葉にしながら、相手との
コミュニケーションを考えていく方法です。

私が特に助けられたのは、
「相手が悪いか、自分が我慢するか」
という二択ではなく、

自分の気持ちを認めたうえで、相手に伝える

という選択肢があると知ったことでした。

NVCは、大きく4つのステップで考えていきます。

NVCの4つのステップ

1.評価ではなく「事実」を見る

まず、起きていることを観察します。

ここで大切なのは、
評価や決めつけと、
事実を分けることです。

たとえば、
「あなたはいつも私に頼ってくる」
ではなく、
「ここ3日、夜に相談の
電話がかかってきている」
と捉えてみます。

「いつも」「全然」「普通は」
といった言葉には、
自分の評価が入りやすくなります。

人間関係で疲れているときほど、
頭の中にはこうした言葉が増えていきます。

そんなとき、一度、

「実際には、何が起きているんだろう?」

と考えてみる。

それだけでも、状況が少し整理されます。

2.相手ではなく「自分の感情」に戻る


次に、自分が何を感じているのかを見ます。

「疲れている」
「寂しい」
「不安を感じている」
「戸惑っている」
「負担を感じている」
などです。

ここで私にとって大切だったのは、
相手ではなく、自分に意識を戻すことでした。

たとえば、
「あなたのせいでイライラする」
ではなく、
「私は今、かなり疲れている」
と考えてみる。

これは簡単そうに見えて、
意外と難しいことでした。

これまでは、
自分がどう感じているかより先に、
「相手が何をしたか」
を考える癖があったからです。

でも、
「私は今、何を感じている?」
と自分に聞いてみると、
自分でも気づいていなかった疲れや
悲しさが見えてくることがあります。

3.感情の奥にある「ニーズ」を探す


感情の奥には、
自分が大切にしたいものや、
必要としているものがあります。

たとえば、
疲れているなら、
「休息が必要なのかもしれない」

不安なら、
「安心したいのかもしれない」

寂しいなら、
「理解されたい」
「つながりを感じたい」

と思っているのかもしれません。

これは、大きな発見でした。

以前は、しんどいと感じると、
「これくらいで疲れる自分が弱い」
「もっと我慢できるはず」
「こんなことで嫌だと思うのはわがままなのでは」
と考えることがありました。

でも、
感情の元には、
自分が何かを訴えている原因がある、
と考えるようになると、
見え方が変わりました。

「疲れた」という感覚は、
自分を責める材料ではなく、

何か大切なものが
見落とされていることを知らせるサイン

なのかもしれません。

4.我慢ではなく「具体的なお願い」を伝える


最後が、リクエストです。

自分が何を感じ、
何を必要としているのかわかったら、
それを踏まえて相手に具体的なお願いを伝えます。

たとえば、
「もう電話してこないで」
ではなく、

「緊急ではない相談なら、
夜ではなく昼間に話してもらえますか?」
と伝える。

職場なら、
「これ以上仕事を押しつけないでください」
ではなく、

「今の別の急ぎの仕事があるので、
来週以降もしくは、別の方にお願いできますか?」

と伝えることもできます。

ポイントは、

相手を否定するのではなく、
自分がどうしてほしいのかを具体的に伝えること。

そして、もう一つ大切なのは、
リクエストは命令ではない
という認識を持つことです。

こちらにはお願いする自由があります。
そして相手には、断る自由もあります。

NVCは、相手を思い通りに
動かすための方法ではありません。

「私は今こう感じていて、こうしたいと思っています」

と、自分を相手に見せるための方法なのだと思います。

境界線を伝えて、初めて気づいたこと

私自身、境界線を言葉にし始めたころは、
かなり不安でした。

「冷たい人だと思われないかな」
「怠慢だと思われないか」
「私がやれば済むことなんじゃないか」

そんな考えが何度も浮かびました。

それでも少しずつ、
「別の方に」
「明日以降に」
と伝えてみました。

すると、境界線に対する感覚が
少しずつ変わっていきました。

境界線は、相手を遠ざけるためだけに
あるものではありません。

むしろ、
「私はここまではできる」
「ここから先は難しい」
と、自分の限界を相手に
知らせるものでもあります。

こちらが何も伝えなければ、
相手は私たちの限界を知ることができません。

「大丈夫」と言っている人に対して、
「本当は限界なのだろう」
と毎回察してもらうのは難しい。

だから私は、
自分の限界を伝えることも、
関係を続けていくための一つの方法
だと思うようになりました。

「わかってほしい」と我慢し続けない

以前の私は、
自分の時間を全て後回しにして優先している。
それに、気づいてくれるはず
と思うことがありました。

もちろん、
気づいてもらえたら嬉しいです。

何も言わなくても、
「疲れてない?」
「大丈夫?」
と声をかけてもらえたら、
救われることもあります。

でも、自分の心の中を
すべて察してもらうことを相手に求め続けると、
お互いに苦しくなることもあります。

だから今は、
「私は今、こう感じている」
「私はこれを大切にしたい」
「だから、こうしてもらえると助かる」
と、できるだけ言葉にするようにしています。

それは相手への攻撃ではなく、
自分を相手に見せること
でもあるのだと思います。

境界線と優しさは、反対ではない

私は長い間、
「優しい人でいること」と「断ること」は
両立しないと思っていました。

でも今は、
「できない」と伝えることも、
関係を大切にする方法の一つ
だと思っています。

無理をして引き受け続けた結果、
ある日突然すべてが嫌になってしまうより、

「ここまでは大丈夫」
「今日は難しい」
「これはしてほしくない」
と、小さな段階で伝える。

そのほうが、結果として関係を
長く続けられることもあります。

もちろん、NVCを知ったからといって、
いつでも完璧に穏やかに話せるわけではありません。

感情的になる日もあります。
自分の気持ちがわからないこともあります。

それでも、苦しくなったときに、
「誰が悪いのか」ではなく、

「実際に何が起きている?」
「私は今、何を感じている?」
「私は何を大切にしたい?」
「相手に、何をお願いしたい?」

という4つに戻ることができる。

それだけでも、私にとっては
大きな助けになっています。

人間関係に疲れたときに、
まず自分へ聞きたい4つのこと

もし今、
「もう疲れた」
「どうして私ばかり」
「でも断るのも怖い」
と感じているなら、
いきなり上手に境界線を伝えようとしなくても
いいのだと思います。

まずは、自分の中で整理するだけでもいい。

  1. 何が起きた?

  2. 私は何を感じている?

  3. 本当は何を大切にしたい?

  4. できるなら、何をお願いしたい?

この4つを、紙やスマートフォンのメモに書いてみる。

それだけでも、

「私は本当は嫌だったんだ」

「休みたかったんだ」

「安心したかったんだ」

「一人になる時間が必要だったんだ」

と、自分の気持ちが見えてくることがあります。

境界線を引くことは、
拒絶することではありません。

自分の心や時間、体力を大切にしながら、
それでも相手との関係を続けるための
一つの方法です。

そして、

自分の限界を自分で認めることもまた、
自分への優しさなのだと思います。

もしこの記事が、今のあなたの気持ちを少し
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人間関係で落ち込んだときに、
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人との関わり方について書いていきます。
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