二転三転目まぐるしく変わる展開「レモンと殺人鬼」感想ーネタバレ注意ー
伏線、展開、テンポどれもよかった。
二転三転して、情報が溢れかえる後半が少し評価を下げるポイントだったが、全体的に楽しませてもらえた。
出てきた登場人物に対して、こいつが犯人だったら興醒めだなと印象を抱きながら読んでいたが、うまく覆してくれた。
不要な人物など存在せず、それぞれがしっかり役割を持っているので誰が何のためにという動機を追うのが面白い点ではあった。
情報を小出しにしてくるので、飽きない。
長編で展開が進まない時間が一番しんどいのだが、ところどころ小さな山を作り、見どころを作ってくれているのが助かる。
テンポ感もあって話に入り込みやすいので、すいすい読める。
ただ、ひっくり返ったインパクトが他の有名作品より弱く感じてしまう。
それは佐神の父という存在。
そんなに触れられなかったからこそ気づけない。
けど、そんなに触れてないからそんのなにインパクトもないって感じではある。
こいつは犯人ではない。と思わせてから犯人だったというシナリオが一番インパクトがある気がする。
その距離が主人公に近ければ近いほど、隠すのが難しくなるがインパクトも強くなるイメージ。
それが佐神父になると少々遠い存在なだけあって、気付けはしないがインパクトが弱く感じてしまうのだろうと思った。
ただ、そこを犯人にしてストーリーを作り、ミスリードする構成はピカイチとも思った。
ここは好みによって大きく分かれそうではある。
ストーリー自体への評価というより、構成の評価だったりそっちの方に関心した作品。
