渡部昇一流『四書五経』の解釈
64、孔子の号泣
🐢 天予(わ)れを喪(ほろ)ぼせり 🐢(『論語』先進第一)
顔回が死んだとき、孔子は「天は私を滅ぼした」と言って人目も憚らずに泣いた。
これは、
自分にとって非常に重要な後継者が死んでしまったことに対する嘆きである。
私にも人前で三十分近く泣いた経験がある。
それはロゲン先生という上智の恩師が亡くなったときの話である。
府中のカトリック墓地で先生の遺体が沈められるとき、
「本当に私を知ってくれた人が亡くなった」という感じが強くして、
おいおいと泣いたのである。
後にも先にも人前であんなに泣いたことはない。
孔子は顔回について「予を見ること子の如し」だったと思うのである。
