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Homecomingsと羊文学について
ほんとは逆の方がいいんだろうけど、平賀さち枝とホームカミングスみたいで
Homecomingsはライブで知った
2013年のナノボロフェスタが初めてのよう
当時すでに話題になっていたと思う
観れた時にようやく観れた、という記憶
たしか同い年くらいで、親近感を持っていた
京都のレーベルSECOND ROYALから1st EPが発売されていて、京都のバンドの中でも期待されていた
当時から定期的にライブは観ていて、いい意味で残らないライブだった
彼女たちの音楽は軽やか
イージーリスニングに近いというか、誰にとっても耳馴染みのいい音楽
言葉選び的にオールディーズというワードが上手くハマる印象、実際のジャンルという意味ではなく
だから、ああ音楽はやはりいいなあ、とは思うが、ホームカミングスいいなあ、とは若干ちがう
もちろん、彼女たちはいい
ただ、どうしても感情にまで訴えかけてこない
個人的には、もったいないな、と
一方で、彼女たちと同じ府県に住んでいたからこそ、常に身近だった
タワレコ京都店に行けば福富さんが結構な頻度で働いていたし、時折行くスマート珈琲店では畳野さんが働いていることもあった
畳野さんが働いているのを最初は知らなくて、ライブで観て少ししてから店に入ったら、メガネ姿の畳野さんが働いていてびっくりしたし、向こうもなんとなく客にいたなくらいの雰囲気がして、追っかけみたいですこし恥ずかしくなったのを今でも覚えてる
時折ライブで見て、いいなあ、でも追いかけるほどではないな、と毎回思う
日本語詞で歌うようになった時は驚いたと同時についにそちらに舵を切るんだなと思った
英語だからこそ軽やかだったものが、意味が伝わるものになる
彼女たちの音楽はどう変わるのか気になった
上京されたこともあってか観ることがなくなった
ただ音源は時折聴いていて、すこしずつ変わっている様に感じられた
そして自分の中でのタイミングが合った
最新作のアルバムが発売された時だ
Spotifyのニューリリースの一覧で表示され、先行配信のslowboatを聴いた時、畳野さんの歌声がスッと響いてきた
メロディーや演奏もこれまでと一線を画すもので、ついに彼女たちの音楽が10年越しに心に本当の意味で響いた
これは近々観たいと思っていたら、京都で自主企画が発表され、ゲストアクトが誰かもわからない中、申し込んだ
きっと素晴らしい人を呼ぶだろうと思っていたら、羊文学というドンピシャで聴きたかったバンドを呼んでくれた
羊文学はいつ知ったかは覚えていないが、SNSで見つけたのを覚えている
一時期Conton Candyが異常なほどTikTokで表示されていたけど、さすがにそこまでではないが、結構な頻度で羊文学のライブ映像が表示された
ライブでのビジュアルもサブカルチャー好きには刺さる風貌で、一度は観たい、いちどは観たいと思いながら、そのタイミングを探していた
しかし仕事の休みとも合わずじまいで、契機を逃し続ける
すると、みるみる人気となっていき、気がつくとそれなりのキャパでライブをするようになった
こういうのはインディーバンドあるあるで、過去に何度も経験していたから特段驚かなかったが、ここ5〜10年のバンドの中では人気の伸びはかなりすごかったと思う
そうこうしているうちに興味が薄れていき、なんとしてでも観たいという気持ちは薄らいでいった
ただ楽曲はふつうに好きで、アルバムも通しでなんとなく聴いたりはしていた
塩塚モエカさんの歌声は本当に美しいし、すこし陰がある
女性ボーカルの中でも、トップクラスで好き
音、メロディーもスリーピースで余白は多い
その部分を彼女の歌声は、歌メロとしてだけでなく、楽曲全体の構造としてのメロディーとしても作用している印象
あとはわかる人もきっといると信じているが、これまで積み上げてきた"女性ボーカルのバンドとして成功してほしい未来像"に彼女たちがいま到達しようとしている
どうしても重ねてしまうのは、きのこ帝国
彼女たちを見て描いた理想像を、道半ばで潰えた未来像を、羊文学は叶えてくれているような気がする
自分たちがやりたい音像を変えることなく、求めているものに答え続けている
"more than words"も"Burning"も"声"も、彼女たちのらしさを損なわずに、でも世界を広げていっている
だからこそ横浜アリーナ公演をするとなった時も納得したし、今年は城ホと武道館も決まっている
もっと大きくなってほしいと願っている
初めて観たのは、23年の音博
ようやくタイミングが合って開催日までワクワクしていたし、ようやく観れた達成感もあった
Spangle call Lilli lineを初めて観た時と感覚は似ていて、自分が思っている、こうであってほしいと願っていた音像や歌を、しっかりと届けてくれた
SCLLとのちがいは、ちゃめっ気や愛らしさが加わっていたこと
完璧には構築はされておらず、その隙間の部分は聞き手に委ねてくれている懐の深さがあった
24年はOTODAMAでも観れたが、同じように感じた
そうしていると、長尺でも観たいと思うようになった
そこで奇跡的にこのイベントでの出演者として発表された
hereというタイトルが付いていて、GRAPEVINEか!?と思っていたが、さすがにワンマンの前日はないかと思い直し、誰だろうと期待していた
それが自分にとっては最高の形で叶った
3/29
KBSホール
そこそこ離れた駅から徒歩で向かう
着いたらちょうど整番の少し後くらいがよばれていたので、そのまま入場
グッズは買いたかったが我慢してホール内へ
上手の段差があるところくらいを陣取って見ることにした
開演時間より5分ほど経ち暗転
・羊文学
SETLIST
01.hopi
02.あいまいでいいよ
03.深呼吸
04.声
05.人魚
06.Step
07.OOPARTS
08.more than words
09.Addiction
フェスという明るい空間で観るのとは別物だった
羊文学の音楽はどちらかというと内省的なイメージがあり、そうなってくるとライブハウスなどの暗所が似合っていた
音が闇に溶けていく
近年の曲は外に広がっていくようなものも出てきて、その対比やバランスもよかった
その中でも声はすばらしい
大衆的であり、王道、スタンダードでもあるが、羊文学の良さもきっちり溶け込んでいる
歌いたくなる、珠玉のバラードソング
人魚のきのこ帝国ライクな曲調、歌い方にハッとさせられた
メジャーバンドではあるけど、インディーシーンの延長線上に存在してくれているようにも思う
more than wordsはやはり始まった瞬間盛り上がっていて
この曲は非常に良い、それに尽きる
どこまでも広がっていってほしい
そしてなによりも驚きと感動を覚えたのはStep
次になにをやるのかなと思ってステージを見ていたら、聴き慣れたギターのメロディーが流れる
にわかには信じられなくて数秒遅れてまあまあデカめの声で、はあ!?と口から出ていた
23年の音博以降セトリは時折見ていたけど、ここ数年は一度も披露されていなかった
周年のワンマンとかでしかやらないのかなと覚悟していたにも関わらず、まさかこのタイミングで急に披露するとは思わず、ただただ驚いた
すぐにフロアの反応を見てみたら、特に歓声や悲鳴もあがらず、えっ最近やってるの?まじ?と思うくらいには静まり返ってきた
(終わってからXを見てみるとやはりかなり驚いている人が多かったので、すこし安心)
いつかStepを聴くという夢は予期せぬ形で実現した
運も味方につけた、すばらしい50分のアクトだった
・Homecomings
SETLIST
01.Moon Shaped
02.HURTS
03.luminous
04.Here
05.euphoria / ユーフォリア
06.recall(I'm with you)
07.Shadow Boxer
08.ghostpia
09.slowboat
10.angel near you
11.(all the bright places)
12.Tenderly, two line
13.Air with 塩塚モエカ
14.US / アス
15.blue poetry
encore
16.torch song
17.PAINFUL
観るのは本当に久しぶりだった
メンバーの立ち位置も変わり、機材も増えていた
そして転換中羊文学に関してエゴサしていたら、Homecomingsこサポートメンバーに関して投稿している人がいた
名前を見てびっくりしてステージを向いたら本当にその御仁、THE NOVEMBERSの吉木さんがセッティングしている
前日のノベンバのセトリを見てチェルノブイリや螺旋と水を披露していて羨ましく感じていたが、まさかその翌日に吉木さんが京都にいるとは思いもよらず
転換準備が終わり、すこしの間があった
京都で活動していたバンドがKBSホールという広い場所で自主企画を行ってソールドアウトしているという状況に感慨深くなる
ボロフェスタのステージと同じ作りで、フェスとしてではなく自分たちで掴んだ未来だとういうことに、胸が熱くなる
暗転してメンバーが登場した、そこからの約1時間4、50分、本当にドップリと彼女たちの音楽にドップリと浸かっていた
進化とも深化とも云える、劇的な成長を遂げている
昔は1曲3分くらいで淡々とこなしているような印象だった
それ自体が悪いわけではなく、他のバンドにない良さだと思っていた
この日のライブは本当に深いところまで突き刺さってきた
ホムカミのライブで突き刺さるというワードが思い浮かぶだなんて、昔ではありえない
一重に、吉木さんの影響は大きかったように思う
吉木さんのドラムスタイルは結構オーソドックスだと思う
派手さは感じないし、ノベンバの楽曲におけるドラムは比較的ノーマルな作りだと思う
そうなると、ケンゴさんのギターだったり、小林さんのパフォーマンス、高松さんの妖艶さの方が目立つ
ただ、この日は吉木さんのドラムが思いっきり前に出てきていて、それに引っ張られるようにホムカミの3人が強く前に出てきていたと思う
彼女たちの音楽の強さが際立っていた
あとは畳野さんが日本語詞による生歌は結構な破壊力があった
英語詞の軽やかで耳触りのいい歌もよかったが、圧倒的に日本語詞の方が響く
同じバンドの音楽とは思えないほど劇的に変わった
どの曲も良かったが、今の彼女たちを観たいと思うきっかけになったslowboatは特に響いてきた
曲単体としてもライブの流れの中でも素晴らしい
塩塚さんも登場したAirも非常に良かった
現在の音楽シーンを担うバンドの1つとして上り詰めた人と一緒に歌っていてもまったく遜色がなかった
昔から知っているバンドが、ここから先の未来が輝いている可能性があるだなんて、嬉しい以上の言葉では言い表せない
どこまでも進んでいってほしい、そんな時間だった
両者共にまた近い将来に観たい
曲数は違うにしてもツーマンライブとしての醍醐味を存分に味わえたすばらしい一夜だった
ではでは、また。
