Anthropicのデザインツールが来ても生き残るWebデザイナーの動き方
:: Anthropicがデザインツールを出す。正直、焦りました。
4月15日、こんなニュースが飛び込んできました。
Anthropicが、ウェブサイトやプレゼンテーションをAIで作るデザインツールを今週リリース予定と。
Anthropic is poised to release Claude Opus 4.7 and a new AI design tool, potentially as soon as this week, according to a report from The Information. The announcement follows insights from a source familiar with the company’s plans.
(The Informationの報道によると、AnthropicはClaude Opus 4.7と新しいAIデザインツールを早ければ今週にもリリースする予定だという。この発表は、同社の計画に詳しい情報筋からの情報に基づいている。)
そのニュースが出た直後、FigmaやWixの株価が数パーセント下落しました。
私も最初に読んだとき、正直「あ、やばいかも」と思いました。
というのも、このAI時代に私たちWebデザイナーの居場所はどこになるのか、そもそも近いうちに失業するのではないかとビクビクしている最中にトドメを指すようなニュースに感じたからです。
Figmaを日常的に使い、WordPressでサイトを作り、HTMLを手で書く or STUDIOにインポートして公開する。それが私の仕事です。
そのど真ん中に、AIが入ってこようとしている。
でも少し落ち着いて考えてみると、不安を感じること自体は正しい反応だと思いました。むしろ危機感がない方が怖い。
この記事では、「これからどうなるんだろう」と不安に感じているWebデザイナーの方に向けて、自分なりに整理したことを書きます。
:: まず、何が変わるのかを整理する
Anthropicのデザインツールは、「自然言語でサイトやスライドが作れる」ものとされています。つまり、文章で指示するだけで、デザインが生成されるわけです。
これは確かに大きな変化です。でも「ツールが変わること」と「仕事がなくなること」は、別の話です。
AIが得意なのは、以下のようなことです。
テンプレートに沿ったサイトを素早く作る
量産が必要なバナーやLPを大量に生成する
「指示された通り」に忠実に作る
一方で、AIが苦手なこと、あるいはまだできないことがあります。
クライアントの事業課題を理解して、何を作るべきか考える
「なぜこのデザインにするか」を根拠を持って説明する
既存のシステムや資産と組み合わせて、複雑な要件を整理する
要は、「何を作るか」を決める部分は、まだ人間にしかできないのです。
:: 淘汰されるデザイナーには、共通点がある
正直に言うと、AIの台頭で立場が厳しくなるWebデザイナーはかなりの数に昇ると思います。
淘汰されてしまうWebデザイナーには2つの共通点があります。
「ツールが使える」を強みにしている人
「Figma歴5年です」「WordPress構築200件です」
これらが唯一の強みになっているとしたら、少し立ち止まって考えた方がいいと思います。
なぜなら、ツールの習熟度という価値は、AIが代替しやすい領域だからです。
「なぜそうデザインするか」を言語化できない人
もうひとつ厳しいのが、「なぜそうデザインするか」を言語化できない人です。
感覚でいいものを作れても、なぜそのレイアウトにしたか、なぜこの色を選んだかを説明できないと、AIの出力をレビューする立場にも就けません。
俗に言う「感覚派デザイナー」のことです。
AIに指示するには、判断基準を言葉にできることが必要です。
:: それでも、必要とされ続けるデザイナーになれる
不安を感じているデザイナーほど、実は有利だと思っています。
危機感があるから、動けるからです。
では、具体的に何をすればいいか。
すぐにできることを3つ挙げます。
① AIツールを触って、限界を知る
怖いと感じているうちは、相手を知らない状態です。
Anthropicのデザインツールが出たら、すぐに触ってみてください(私もすぐにやります)。
「ここまでできる」「ここはできない」を自分の手で確かめることが、最初の一歩です。使える人より、限界を知っている人の方が、仕事では頼りにされます。
② 制作の「前」と「後ろ」に興味を持つ
サイトを作ることだけが仕事、という状態から少し広げてみます。
このサイトは何のために作るのか。どんな人が見るのか。公開後の数字はどう変わったのか。
そういった視点を持つだけで、「AIが作ったものを評価・改善できる人」になれます。
③ 「AIに指示できる人」を目指す
AIを使う側に回ることが、今後のキャリアを守る最大の手段です。
「AIに何をどう作らせるか」を設計できれば、ツールが何に変わっても対応できます。
成果物を作るのではなく、仕組みを作ることです。
私自身が今取り組んでいて手軽に導入しやすい例としては、NotionとClaude Codeを連携させた制作ワークフローの構築です。
Notionに記事やページの仕様・要件を書いておくと、Claude Codeがそれを読み取ってコードを自動生成するという仕組みです。
コードを1行ずつ書くことが仕事ではなく、「どんな仕様を書けばAIが正しく動くか」を設計することが仕事になっています。
また、Figmaでのコンポーネントライブラリ構築も同じ発想で進めています。デザインのパーツを整理して、AIが参照できる形に整えておく。そうすることで、AIへの指示精度が上がり、修正回数が減ります。
どちらも「自分が手を動かす時間を減らす」ためではなく、「チーム全体の制作品質を安定させる仕組みを作る」ことが目的です。
ここに自分の価値を置くようにしました。
:: 自分自身の取り組みとして
この記事で書いた「AIを使う側に回る」「成果物ではなく仕組みを作る」を
自分でも実践してみた一例として、最近こんなものを公開しました。
▼ デザインの「視覚的重心」を可視化する無料ツール
https://ameamelog.com/tools/design-gravity/
▼ ツールの設計思想とアルゴリズムを解説した記事
https://note.com/ameamelog/n/n4069937f566a
「なんとなくバランスが悪い」というデザイナーの感覚を、ロジックで判断できるようにするための一歩です。
AIに代替されない判断力を、自分自身でも鍛えるために作りました。
:: まとめ
「Figmaが使える」から「AIで何を作るか設計できる」へ
ツールが変わる局面は、実はポジションを上げるチャンスでもあります。
みんなが同じツールを使っていた時代は、差がつきにくかった。でも、AIという新しい手段が出てきたとき、それをどう使いこなすかで差がつく。
不安を感じているなら、それはちゃんと現実を見ている証拠だと思います。その感覚を大事にしながら、AI時代のWebデザイナーとして一緒に動いていきましょう。
