【最新版】バフェットの投資判断: アップル株売却と新規投資の行方【2024年3月末】
ポイント
アップルの一部を売却、手元資金は過去最高
自社株買い増額で、新規投資より株主還元を優先
新規投資先チャブ、お気に入りオキシデンタル・ペトロリアム
最新のポートフォリオ、上位10銘柄
上位10銘柄で90%を占める

円グラフにすると

バークシャーの最新ポートフォリオからわかること
株主還元を優先
引き続き、オキシデンタル・ペトロリアムへの関与を強化する一方、メディア大手パラマウント・グローバル(PARA)は「損切り」として売却されています。アップルも昨年第4四半期に続き一部売却。それでも、13Fベースの保有時価上位10銘柄が全体の90%(上位5銘柄で4分の3)を超える状況は変わっていません。
第1四半期決算では、バークシャー・ハサウェイの現金・現金同等物の残高が過去最高を更新し、自社株買いの実施額が2四半期連続で増額。全体として、新規投資よりも株主還元を優先する四半期と市場では評価されています。
アップル株売却について
バークシャー・ハザウェイは2024年1〜3月期に米アップル株を約13%売却したことがわかりました。アップル株はバークシャーの保有株の約4割を占めており、この売却が市場で注目されています。ウォーレン・バフェット氏は、売却益にかかる税率の上昇が背景にあると説明。が前の四半期に続く売却はアップル株に対する評価が変わった可能性を指摘するアナリストも一部います。流れをまとめますと、
3月末時点の保有時価: アップル株の保有時価は1,354億ドル(約20兆7000億円)で、23年末から22%減少。
1〜3月期のアップル株価: アップル株価は1〜3月期に10.9%下落。(4月以降は上昇に転じています)
売却の理由: バフェット氏は、売却益にかかる税率の上昇を見越して売却を行ったと説明。
アップルに対する評価: バフェット氏は依然としてアップルを「極めて素晴らしい事業」と評価しています。
アップルを何故、長期保有する
バフェット、バークシャー・ハサウェイがアップルに初めて投資したのが、2016年5月のこと。このとき一部市場関係者の中には『ハイテク企業はわからないないから買わない』と言っていたのに、何故という意見もありました。しかし、下記の理由でみると納得がいきます。
アップルは、テクノロジー企業である一方、シンプルな使いやすさとおしゃれなデザインでユーザーにライフスタイルを提案するファッションブランドのような消費関連企業でもある。
一度アップル製品を購入すると、ファンとなって何年にもわたり使い続ける。
新商品が出るたびに買い替えを考える信者が多い。
ユーザーのロイヤリティーが非常に高い(例:iPhone以外は買わない)。
このロイヤリティーはバフェットがコカ・コーラに対するロイヤルティと同じ。
アップルを消費関連企業と捉えると、バフェットの得意分野となる。
アップルは年々ファンを増やす、素晴らしい事業を行う超優良企業である。
手元資金は過去最高
1〜3月期の株式売買動向は172億8100万ドルの売り越しで、現預金と米短期債保有額を合計した広義の手元資金は過去最高の1,889億9300万ドル。

バフェットのお気に入り!?
気になる投資先、ダビータとチャブ
バークシャー・ハサウェイの今回の13Fより、バフェットのお気に入り、3つ企業を紹介します。
オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)
企業名: Occidental Petroleum Corporation
設立年: 1920年
本社所在地: テキサス州ヒューストン
上場市場: ニューヨーク証券取引所(NYSE)ティッカーシンボル:OXY
CEO: Vicki Hollub(2024年現在)
従業員数: 約11,000人
ウェブサイト: www.oxy.com
株価61.95ドル/時価総額577億ドル(2024.5.24)
事業内容
石油・ガスの探査・生産: 世界中で石油と天然ガスの探査と生産を行っています。
化学製品: 子会社のOxyChemを通じて、塩素や苛性ソーダなどの基礎化学品を製造。
低炭素事業: 二酸化炭素回収・利用・貯留(CCUS)技術を推進。
主要市場: 北米、中南米、中東
重要プロジェクト: ペルミアン盆地(テキサス州・ニューメキシコ州)のシェールオイル・ガス開発
カーボンニュートラル:目標に向けた取り組みを強化し、二酸化炭素排出削減に注力。
財務状況: 定期的な配当支払いと健全な財務体質を維持
第1四半期(1-3月) 2024年の業績概要(5/8発表)
売上高: 59億7,500万ドル(前年同期比17.3%減)
純利益: 8億8,800万ドル(前年同期比29.7%減)
1株当たり利益(EPS、調整後): 0.75ドル(前年同期1.00ドル)
四半期配当: 0.22ドル(前年同期から0.04ドル増配)
四半期配当の増配は、投資家に対する還元の一環として行われています。
ダビーダ(DVA)
ポートフォリオの上位の中で、数少ないヘルスケアセクター企業です。
企業名:DaVita Inc.
設立年: 1994年
本社: コロラド州デンバー
ウエブサイト:https://www.davita.com
株価:138.54ドル /時価総額121億ドル(2024.5.24)
社名変更: 2016年にDaVita Inc.に変更
第1四半期(1-3月期/Q1,2024)決算
売上高:30.71億ドル
1株当たり利益(EPS、調整後):2.65ドル
純利益:2.4億ドル
事業内容
外来透析/入院透析/在宅血液透析
統合ケア、疾患管理
臨床研究プログラム
医師サービス
包括的腎臓ケアサービス
急性期入院透析サービス
移植ソフトウェア事業
チャブ(CB)
今回の13Fで注目されるのは、損害保険会社チャブの初めての買い付け。スイスに本社を置く世界的な保険会社であり、財産・損害保険(P&C)分野でリーダー的存在です。
企業名: Chubb Limited
ティッカーシンボル: CB
設立: 1882年
本社所在地: スイス、チューリッヒ
ウエブサイト:https://www.chubb.com/content/chubb-sites/chubb-com/global-about-us.html
株価264.76ドル/時価総額1,142億ドル(2024.5.24)
事業内容
財産保険(Property Insurance): 住宅や企業の建物、設備、在庫などに対する保険。
損害保険(Casualty Insurance): 企業の法的責任に対する保険、事故や災害による損害賠償をカバー。
特殊保険(Specialty Insurance): サイバー保険、政治的リスク保険、海上保険、航空保険など、特定のリスクをカバーする保険。
再保険(Reinsurance): 他の保険会社に対して保険を提供する事業。
リーダーシップ: チャブはP&C保険業界におけるグローバルリーダーであり、特に高ネットワース個人向け保険や企業向け特殊保険で強力な地位を築いています。
ライバル企業、日本での同業種企業
アリアンツ(Allianz)
アクサ(AXA)
アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)
東京海上日動火災保険
損保ジャパン
三井住友海上火災保険
ブランド、サービス名
Chubb Personal Insurance: 個人向け保険サービス。
Chubb Commercial Insurance: 中小企業、大企業向けの商業保険サービス
Chubb Specialty Insurance: サイバー保険、海上保険、航空保険など特殊リスク保険。
2024年1-3月四半期決算/Q1
売上高-129億ドル
純利益は 21.4 億ドル。
損保コンバインド・レシオは86.0%。(100%未満なら保険引受業務で利益を上げている状態。)
チャブは、今後デジタル技術の導入による顧客サービスの向上、新興市場でのビジネス拡大を目指しています。
まとめ
バフェットのポートフォリオのセクターを見るとアップル以外では、金融、エネルギー、生活必需品のウェイトが高いことに気づきます。そしてアップルも消費関連の生活必需品と考えると、彼のポートフォリオは金利やエネルギー、景気に配慮した投資戦略と言えるでしょう。

これらの投資対象は、金利の上昇、エネルギー価格の高騰によって影響を受けやすいことから、株価が大きく落ち込んでも景気が回復する過程では、比較的他のセクターよりも立ち直りがはやく、具体的な数字で状況を把握しやすい(原油価格や金利、消費関連指数の動きなど)と言うメリットがあります。
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