『株主への手紙』~静かに去る~【2025年11月10日】ウォーレン・バフェット
米投資会社バークシャー・ハサウェイを率い、世界的な著名投資家ウォーレン・バフェット氏(95)は、年末でCEOを退任するにあたり、株主への最後の手紙を公開しました。
後任のグレッグ・エーブル氏への全面的な信頼を表明し、「あなたや私の資産を任せるなら、彼以上の人物はいない」と称賛。
バークシャー株の下落を意に介さず、「アメリカもバークシャーも必ず復活する」との信念を示しました。
今後は会長として会社を見守りつつ、感謝祭のメッセージを通じて株主とのつながりを続ける考えです。手紙では、生前贈与の加速にも触れ、「変化はあっても、バークシャーへの信頼は揺らがない」と締めくくりました。
バフェット氏の引退は、多くのファンにとっても、寂しいニュースです。しかし、彼が投資の世界に残した数々の金言は、時代を超えて語り継がれていくに違いありません。
このnoteは、10日に発表された、バークシャ・ハサウェイ『株主への最後の手紙』を要約したものです。
https://www.berkshirehathaway.com/news/nov1025.pdf←本文はこちら
バークシャー・ハサウェイ株式会社(BERKSHIRE HATHAWAY INC.)
ニュースリリース
発表日:2025年11月10日 オマハ(BRK.A/BRK.B)
ウォーレン・E・バフェット氏は、1,800株のA株を2,700,000株のB株に転換し、これを以下の4つの家族財団に寄付しました。
スーザン・トンプソン・バフェット財団:1,500,000株
シャーウッド財団、ハワード・G・バフェット財団、ノボ財団:各400,000株
寄付は本日付で完了しました。
バフェット氏から株主への手紙
親愛なる株主の皆さまへ。
私は今後、バークシャーの年次報告書を書くことも、株主総会で延々と話すこともやめることにしました。英国流に言えば「静かに去る」ときです。
……もっとも「完全に」ではありません。
年末をもってグレッグ・エーブルが最高経営責任者(CEO)に就任します。彼は優れた経営者で、誠実かつ勤勉です。彼の長期的な成功を願っています。
私は今後も毎年の「感謝祭メッセージ」を通じて、皆さんや私の子どもたちと語り続けます。

オマハと人生の回想
95歳を迎え、生きていることに驚くとともに感謝しています。
1938年、私は虫垂炎で危険な状態となり、オマハの聖カトリーナ病院で手術を受けました。
看護してくれた修道女たちの指紋をとったのは、今となっては笑い話です。
私が育った1930年代のオマハでは、そりや自転車、野球グローブ、電車のおもちゃが宝物でした。
その頃近所に住んでいた人々の中に、後に人生で重要な人物となる人たちがいました。
たとえば、チャーリー・マンガー。彼とは64年にわたり親友であり、最高の教師でもありました。
また、スタン・リプシー(オマハ・サン新聞社社長)やウォルター・スコットJr.(ミッドアメリカン・エナジー創業者)、ドン・キーホー(コカ・コーラ社長)など、多くの人々が同じ街にいたことは偶然ではないように思います。
バークシャーとオマハ
1956年にニューヨークからオマハに戻って以来、ここを離れたことはありません。
公立学校で学び、家族を育て、仲間と企業を築いた──オマハは私とバークシャーにとって最高の拠点でした。
「米国の中心でビジネスを始めるのは、思いのほか良いことだった」と今も思います。
高齢と運命について
長寿は運だけではありません。
私は家族の中で最も長生きしていますが、それは優秀なオマハの医師たちに恵まれたおかげでもあります。
ただし、「幸運の女神(Lady Luck)」は不公平です。生まれながらに裕福な人もいれば、過酷な環境で苦しむ人もいます。
1930年に健康な白人男性としてアメリカに生まれた私は、まさに「幸運の塊」でした。
これからの計画
私の子どもたちはそれぞれ70代になり、今が人生と判断力の円熟期です。
したがって、彼らが元気なうちに私の資産を慈善活動へと分配できるよう、生前贈与を加速させます。
3人の子どもはそれぞれの財団を通じ、すでに年間5億ドル以上を寄付する経験を積んでいます。
また、私はバークシャーのA株をすべて手放すのではなく、グレッグ・エーブルが株主から信頼を得るまで一定数を保有します。
経営とCEO交代について

グレッグ・エーブルは、私が期待していた以上の働きをしています。彼はバークシャーの各事業を深く理解し、誠実で学習意欲の高い経営者です。私は、彼ほど株主の資産を託すにふさわしい人物を他に知りません。
バークシャーは今後も堅実な成長を続けるでしょうが、規模の大きさゆえに市場平均を大きく上回ることは難しいでしょう。
ただし、破滅的なリスクは極めて低く、株主を最優先に考える経営は変わりません。株価が50%下落しても悲観する必要はありません。アメリカもバークシャーも必ず立ち直ります。
最後の助言
私は「人生の後半の方がより良いものになった」と感じています。
過去の失敗を悔やむよりも、そこから少しでも学び、前へ進むことです。
尊敬すべき人物を見つけ、彼らを見習うことが大切です。
そして「他人にしてほしいことを自分がまず行う」という黄金律を忘れないでください。どんな地位にあっても、人は皆同じ人間です。
清掃員も会長も、等しく尊重されるべき存在です。
結びに
すべての読者に「幸せな感謝祭」を。
たとえあなたが少し“嫌なやつ”であっても、変わるのに遅すぎることはありません。
自分の手本にすべき人を慎重に選び、その生き方を学んでください。
完璧にはなれませんが、より良くはなれるのです。
バークシャー・ハサウェイについて
バークシャー・ハサウェイおよびその子会社は、保険・再保険、公益事業・エネルギー、鉄道輸送、製造業、サービス業、小売業など、幅広い事業を展開しています。
同社の普通株式はニューヨーク証券取引所に上場されており、ティッカー・シンボルは BRK-A および BRK-B です。
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*ご注意-このnoteは企業IR(投資家情報)や直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。
投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。
またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが、当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
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