赤に飲み込まれた日のお話
先日、お仕事の合間にカフェに行きました。駅からは少し距離があるお店で、過去に何度か来たときには人が少なくて落ち着いて作業ができるなあと思っていたんです。
でもその日、結構広い店内はほぼ埋まっていて、平日の夕方なのに想像よりもずっと賑やか。よく見ると、1人でお仕事をしている人はあんまりいなくて、5人くらいのおばさまたちのグループが複数いらっしゃいました。
そんななかでもなんとか空席を見つけ、コートを置いてレジへ。すると、なぜかいろんな人からの視線を感じるじゃありませんか。
んんん? なんかついてる…??
と、不安になってきょろきょろしていたら、気がついたんです。グループでいらしている方のほとんどが、どこかに赤いものを身につけてる。コートやトップス、バッグや靴、果てはメガネのフレームまで、それぞれ思い思いの、赤、赤、赤…。
そして偶然にも、わたしも赤いニットを着てる。たぶん、これのせいだ。赤だけど、赤じゃないですよ、の白旗でも振れたらいいんだけど。
たまたまの赤がなんとなく気まずくなって、息を潜めながらカフェラテを注文し、席に戻ってパソコンを開きました。
でもね、やっぱり気になるんですよ。彼女たちは推し活の前か後なわけじゃないですか。とってもテンションが高くて楽しそうで、ハッピーなオーラがびんびんに溢れてるわけです。いいなあ、と、こっちまで幸せな気分になる。
作業をしたり赤の集団の様子をちらりと伺ったりしていたら、別のテーブルにいた方がわたしの近くのテーブルの方に「〇〇さんですよね? 先日はどうも〜!」と話しかけるなんてこともそこかしこで発生して、そこはまるでオフ会会場。
カフェラテを啜りながらその光景を見るとはなしに眺める時間は、なかなか趣深いものがありました。
どんどん人も増えてきて、わたしも次の予定の時間が迫ってきていたので、席を立つことに。
あの日、あの場所の近くでいったい何があったんだろうな。実はちょっと調べてみたんだけど、わからなかった。
同じ赤を身につけていたのに仲間ではなかったことに疎外感はあったけど、なかなかにパワフルだったので、無関係の人には同類と思われてなければいいなあなんて、ちょっと矛盾した気持ちを抱きながら、その場をあとにしました。
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