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この夏、舞台に立ちます。

例えではなく物理で。
ミュージカルに出ることにしました。
「A COMMON BEAT」(以下、コモンビート)という作品で、出演するのは今回が3年ぶり2回目です。

参加にあたり歌やダンス、演劇の経験は不問。素人の大人100人がたった100日間で一つの作品を作り上げ、演じ切ります。
100日しかないから、週末はほぼ全てが練習に消えていくというなかなかにクレイジーなプログラムです。


今回、参加した理由は何なのか。
前回があまりにもはっきりしていたから、今回はなさすぎて逆に困ってしまいました。

過去の縁で誘ってくれた人が何人もいた。
プログラムに参加して舞台に立つ自分がリアルに想像できてしまった。
コンセプトにぴったりはまってしまった。
参加しない決断をするのは後ろ髪を引かれる思いだ。
心が動かなくなっている気がして危機感があった。
人とコミュニケーションを取りながら身体を動かすのもいいなと思った。
細かい理由はいろいろ挙げられるが、どれも決定的ではない気がする。

とはいえ「なんとなく参加しました」では決意表明にはならないし(そもそも決意を表明する必要などないのかもしれないが)
先述したようになかなかクレイジーなプログラムなので、なんとなくで続けるのはしんどいことも理解しています。

だから、参加を決めてからというもの、この100日間で何をしたいのかをゆるゆると考え続けていました。
ようやくまとまってきたので、始めた直後の思いとして書き残しておこうと思います。

自分を"魅せる"こと

舞台に上がれば現実とは離れた作品世界であるということを利用し、自分自身をいい意味で盛ること、自己演出することをやってみたい。

衣装!

いきなりミュージカルの本質から離れますが、ファッション好きを名乗る者としては、衣装は得意分野であり、大事な自己表現のツールです。

コモンビートは一般的な演劇作品とは異なり、役柄ごとの細かい人物設定がありません。
それぞれが自分の役としての人物造形を考え、衣装も自前で用意します。
役柄ごとに色などの制約はあるものの、デザインから自分で考えることができ、現実世界につきもののTPOの縛りはないに等しいです。

自分で考えたキャラ設定の人は、どんな服を着ているだろうか?
それを一から考えて衣装を用意し、その服で舞台に立つことができるなんて、ちょっと想像するだけでも楽しすぎる。

現実世界で着るには心理的なハードルが高い、個性的なデザインの衣装が着たい。
キーワードで表すなら、かわいさと強さ(モード)の二つの要素が入った服。
「なりたい」ほぼ100%な衣装で自己表現をしてみたいです。

表現の幅を広げる

自分が得意としているファッションや文章以外にも、表現方法の幅を広げてみたいです。

自分自身をいい意味で盛ること、演出することは苦手です。
最近の記事を読んでくださっている方からすると意外かもしれないけど、「私が語れるとしたらファッションとアートだな!」と思えるようになったのはごく最近のこと。
得意分野をもってキラキラしている人を見ると、「私にはこれといって語れるものもないし……」と自信を失い、自然とモブになる道を選んでいたように思います。

普段の私は積極的に前に出るタイプではないし、感情表現も控えめな方だと思います。
仕事で成果をアピールしろと言われても、できていないことばかり気になってしまい、積極的にアピールする気にはなれずにいました。

悪い物事ほど早く報告する、は仕事の基本。
至らないところを素直に認めて改善すべく努力することも大切な姿勢。
しかし、それだけでは損することもある、とようやく分かってきました。

失敗や至らなかったことの裏側にいいこともあったとしても、自分から良い部分を伝えていかなければ、相手は悪いところにばかり目がいってしまい、思うように認めてもらえないと悔しい思いをすることになる。
(失敗したとしても、その裏にある努力や成果を見てくれている人は確かにいる。でも「現場」から遠い距離感にいる人からしたら、こちらが伝える結果がすべてである)
だから、100点を取れないからと引け目に感じることなく、もっと良いところを積極的にアピールできるようになりたいと思っています。

ミュージカルでメインとなる表現方法は歌・ダンス・演技です。
中でも私が苦手なのはダンスで、手と足の動きを同時に振り入れされると訳が分からなくなってしまいます。
自分の動きが他人にとってどう見えているのかを感覚的に理解ができず、鏡を見なければ分からない。
鏡を見なければ分からないのなら、鏡を見て納得いくまで研究すればいい。
……分かる、分かるのだけど、鏡を見て表情や動きを研究するって、一般人でも普通にやることなのだろうか。

自分を良く見せること、演出することって、ナルシストみたい、かっこつけてるみたいと思ってすごく抵抗感がありました。
表情も、動きも、行動も、ほとんど全てに関して。

でも今は、嘘偽りない範囲で、ちょっとよく見せてみることをやってみたい。
例えばミュージカルらしい身体表現。
鏡を見て自分の動きを研究して、現実よりも大胆に動いてみたい。
言葉(文字ではなく話す方)の表現も効果的にできるようになりたい。

分かりやすく目立つわけではなくても、なんだか気になってしまうような存在感のある人間になれたらいいなと思っています。

人と関わり合うこと

インプットとアウトプットのバランス

大勢の人が週末のたびに集まるプログラムに参加しておいて矛盾するようですが、私は一人が好きな人間です。
一人は気楽だし、やりたいことはいくらでも湧いてくるので、家で一人でいる時間を寂しいと思ったことはほとんどありません。

だからこそ、意識的に人と会っていかないと楽な方(一人でいること)に逃げてしまうことには危機感があります。
一人の時間は豊かではありつつも、いつも大勢の人と楽しく過ごしている側の人になれないことは内心コンプレックスです。

人と関わることは心から楽しい。
しかし人間は情報量が多い。
顏、表情、声、それらから感じ取れる思考や感情。
状況は刻一刻と変化する。
それらを無意識のうちに読み取るだけで、インプット過多になりがちなのです。

インプット過多な状態を改善できたらもう少しコミュニケーションの量を増やせるのでは、と最近思っているので、ミュージカルの練習で人と関わることを通して、ちょうどいいバランスを見つけていきたい。
普段は聞き役に回りがちだけど、自分が話す側になる=アウトプットも心がけていきたいです。

実際、頑張らなくてもインプットとアウトプットのバランスが取りやすいと感じる人がたまにいて、そういう相手とのコミュニケーションは疲れにくいです。
インプットとアウトプットのバランスが取りづらいことを相性の問題で片づけるのではなく、自分ができることをやってみる。
自己開示することで相手も心を開きやすくなり、もっと会話が楽しくなったら嬉しいと思っています。

チームをつくっていくこと

転職で今の会社の面接を受けたとき、やってみたい分野としてマネジメントを挙げました。
マネジメントをやってみたいと思ったきっかけが、3年前にミュージカルに初参加したこと。
当時ステージで目立つ役柄ではなかったのですが、チームの中でいろんな考え方に理解を示しつつ自分の思いを伝え、まわりを励ましていくような役回りを担うことが多くありました。
良くも悪くも流れにのまれず、別方向から考えがちなので、行き過ぎそうになる流れを修正する役回りになることもたびたびあったように思います。

あれ、私こんなこともできるんだ、それに結構楽しい。
と気づいた100日間でした。

偉くなることには正直関心は薄いです。
一人ひとりを尊重し、長所を生かし短所を補いながら、共通の目標に向かって進んでいく組織が作りたい。
だからマネジメントを志望しました。

しかし、現実はそう甘くはない。
仕事は山のように降ってくる。ようやく最近になって落ち着いてきて、マネジメントにも腰を据えて取り組めるようになりそうというところ。
仕事に対するスタンスは様々だから、一丸となって事に当たるのは簡単なことではありません。
時にはちょっと言いづらいことにも切り込まなければならないと思いつつ、正直自分が傷つくのは怖いし気を遣うこともあります。

コモンビートは多様性がテーマということもあり、一人ひとりを尊重する雰囲気ができていて、心理的安全も担保されています。
お互い本音で意見を交わすことへのハードルは低いです。
そこで行動し身に着けたことが、仕事にも活きてくるといいなと思っています。

芸術はコミュニケーションである

練習2日目、作品は観客というピースをはめて完成するという趣旨の話がありました。
演者が観客に思いを、エネルギーを届け、それを受け取った観客が演者にエネルギーを返していく。
演者と観客の相互のやり取りをもって、作品は完成する。

舞台作品は演者と観客が時間と空間を共にしているから、この相互作用が分かりやすいと思います。
一方、私が好きで見に行っている美術作品は、そういうものとは無縁と思う人もいるかもしれません。
しかし、美術作品の鑑賞も、作者・作品・鑑賞者の相互作用で生まれるものがあると確信しています。

持論ですが、アート鑑賞はコミュニケーションです。
作者が作品に込めた思いやエネルギーを受け取り、見た者はその作品から、考えやイマジネーションを膨らませる。
そんな鑑賞をしていると、絵画を見るだけでもハイカロリー。
見た後は感動や発見とともに、疲れに襲われます。

しかし、それがいい。
作者が全身全霊を込めて作った作品と自分自身の対話から何かが生まれることが楽しくて、私は美術鑑賞をしています。

舞台作品は、演者と観客との相互作用をダイレクトに受け取りやすいはず。
芸術から生まれるパワーや、作り手と観客の間に生まれるコミュニケーションを、自分が表現者側に立って届け、観てくれる方々に体感してもらえたらこれほど嬉しいことはないと思っています。

最後に宣伝

自分の思いばかりで作品そのものの情報がなさすぎるのですが、最後にとってつけたように宣伝をします。笑

本番の舞台は8/19(土)、20(日)の2日間、計3公演あります。
場所は東京都北区の北とぴあ(最寄りは王子駅)です。
チケットは6/15から販売開始です!
(販売方法、価格などは検討中とのこと)

コモンビートは毎回同じ演目を上演し続けていますが、メンバーは毎回変わります(その都度募集があります)。
私も出てみたい! と思ったら、演じる側になれてしまうことも面白いところです。
ちなみに2023年11月の大阪、2024年2月の東京公演の実施が決まっており、キャストを絶賛募集中です。

コイツがどんな服を着て何を表現するのか気になると思ってくださったなら、ぜひ劇場でお会いできると嬉しいです!

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