20年、美容界隈をうろうろしてきた私の話 ― BWJに行く前に
毎年5月になると、ビューティーワールドジャパン東京に足を運びます。
今は会社員として、ちょっと引いた立場で歩く東京ビッグサイト。
私にとってこのBWJはキャリアの節目でお世話になった思い出の地です。
今回のレポートを書く前に、まずはこれまでの私と美容の仕事との関わりについて、少し残しておこうと思います。
20代 ― 美容機器メーカーの営業として
最初の勤め先は、エステサロンやクリニック向けの美容機器メーカー。
営業として入社して、技術インストラクターの先輩や
機械のエンジニアと一緒に全国を回りながら、
機器導入や契約、メニュー化のサポートなどに携わりました。
当時扱っていたのは、
光フェイシャル機器
光脱毛機
バストアップ機器
化粧品や健康食品
など、今思うと"あの頃らしい美容商材"ばかりです。(2000年代です)
全国の当時活気のあるたくさんのサロンにお伺いできた経験は、
今でも自分の財産だなと思っています。
印象に残っていることはいくつもあります。
まず、社内のインストラクターさんたちからは、肌のターンオーバーや禁忌事項だけではなく、
「なぜそれをカウンセリングで伝えるのか」という、
お客様の体を守るための考え方を教えてもらいました。
一方で、サロンの現場の方たちから学んだのは、 “伝え方”でした。
専門用語だけで説明するのではなく、お客様に届く言葉に置き換えること。
でも薬事法(当時)の制限もあるので、表現にはすごく気を遣いました。
「どうしたら伝わるんだろう」
「どうしたら安心してもらえるんだろう」
そして、
「どうしたら売れるんだろう」(これ大事)
そんなことを、みなさん本当に一生懸命考えていました。
効果を出すための勉強会も頻繁に行われていて、営業後、女性スタッフばかりで夜食を食べながら遅くまで練習しているサロンも珍しくありませんでした。
出張で伺った時は、そこにひょっこり混ざって、一緒にご飯を食べさせてもらったり。(おい)
今思うと、かなり熱量の高い時代だったと思います。
カウンセリング中にわからないことがあると、すぐ電話がかかってくる。
私は移動中の電車を途中下車しながら電話でお返事をしていました。
大変なことも多かったはずなのに、どのサロンの方たちもどこか親戚みたいな距離感で、大繁盛していくお店もたくさんありました。
努力した分だけ結果につながる。
そんな空気が、当時の美容業界には確かにあった気がします。
当時の会社は毎年BWJに出展していて、私自身も“出展する側”として会場に立っていました。
転機 ― 売る人から、現場で伝える人へ
そのうち、営業として“売る”ことよりも、現場で人に伝える仕事のほうに興味を持つようになりました。
そんな頃、業界関係者の方から声をかけていただき、まつげエクステ商材を扱う会社へ移ることになります。
そこでは美容室向けに、まつげエクステの導入サポートや技術指導を行っていました。いわゆる技術インストラクターですね。
当時は、まつげエクステに火がついてサロンはどんどん増えていた時期。
ただヘアサロンさんにはまだ導入されていないときでした。
美容室さん側も、
「どういう技術なの?」「メニューとして成立するのかな」
と手探りの状態でした。
なので単純に“技術を教える”だけではなく、メニュー化や価格設定、
カウンセリング方法などもお伝えしていました。
当時は技術マニュアル作りにも関わっていました。
姿勢の取り方のような感覚的な部分も、できるだけ言語化して伝えられるよう、いろんな方に助けていただいた記憶があります。
さらに会社としてサロン運営も始めることになり、
サロン立ち上げ
スタッフ採用
メニュー構成
広告づくり
など、今思うとマネージャーのような仕事も経験していました。
今みたいにSNSが強い時代ではなかったので、広告の内容も手探りです。
メーカー時代に培った野生の勘で作っていた気もします。
サロンのスタッフさんたちと内装を整えたり、集客の相談をしたり、
試行錯誤したことでお客様一人一人にお越しいただけるのがうれしくて
気づけば、かなりどっぷり現場側の人間になっていました。
30代 ― 美容師免許と、いくつものわらじ
まつげの仕事には美容師免許が必要という時代が到来。
美容学校の通信課程に通い始め、3年後に美容師免許を取得しました。
この時期、わたしのライフイベントとも重なっていて、
派遣社員として美容業界外で働きつつ、(これがよい経験でした)
派遣契約期間外にスクーリングに通ったりしました。
その後も、美容との関わりは途切れませんでした。
個人でまつげ施術を続けながら、美容商材会社の事務業務をしたり、
オーガニック系化粧品・食品の会社に在籍していたこともあります。
振り返ると、形は変わっても、ずっと美容業界の周辺におりました。
まつげ業界にいた頃もBWJには出展していたので、20代~30代前半は、
ずっと“出展する側”としてこの会場に関わっていました。
現在 ― 少し離れた場所から美容を見る
現在、私は別業界で会社員として働いています。
美容の仕事は、今はご要望をいただいた時だけお受けしている形です。
まつげパーマ・エクステ
着付けやメイク
フェイシャル
アロマ関連のご相談
美容関連記事の執筆
積み上げた知識を活かしたり経験を磨きたい気持ちはありますが
「ご要望をいただいたら」という距離感で続けています。
そんななか、固定のお客様には今も毎月お越しいただいています。
(もう干支が一回りしました)
大好きな美容業界ですが、少し離れるきっかけは、2020年コロナ禍でした。
お客様との距離が近い仕事だからこそ、環境の変化は大きく、
働き方や生活も見直すことになりました。
もしあの出来事がなければ、今もサロンワークを続けていた気がします。
距離ができて、視野が広がった点もあります。
わたしがデパコスを定価で買うなんて!
とか・・・(と、この話は別の機会に)
最近はご縁をいただき美容関係のコラムを書かせていただくこともあり…
そして同世代のお客様や知人、
自分のための情報収集も兼ねて今もBWJに足を運んでいます。
かつては“出展する側”として立っていた場所を、
今は“見る側・書く側”として歩く。
そんな視点の変化を感じながら、今年も行ってまいりました。
