「君の名は。」でわかる、シナリオ技法 ~『三幕構成』~
2016年に公開されたアニメ映画「君の名は。」
この映画のシナリオは「きっちり『三幕構成』で書いている」と
新海監督は言ってます。
その「三幕構成」とは、どんなものなのでしょうか。
※ネタばれを、多分に含みます。
映画のシナリオを習った方であれば、一度は耳にする技法です。
一般的に知られる物語技法は「起承転結」ですが、アメリカのハリウッドではこの「三幕構成」を使います。

『一幕目』は主人公(達)が、現状どういう状況に置かれているかを、
観客に説明をするパートになります。
※主人公が誰なのか?年齢・どこで何をしているのか?
ストーリーを進めながら、説明していきます。
「一幕目」の中では「三葉」や「瀧」の状況設定が説明されています。




一幕目の終わり付近で、2幕目に入る前の伏線である
「プロットポイント1」を仕掛けます。
舞台設定を東京に移して、見かけは「瀧」だけれども、心は「三葉」という
入れ替わり現象を観客に見せて、「何が起こっているんだろう?」と、
瀧になった「三葉視点」で物語は進み、そのまま二幕目に入っていきます。


『二幕目』では、出そろったキャラクター達の中で、次々と展開が起こっていき、二幕目の半ばあたりで「ミッドポイント」という物語の転換点を
仕掛けていきます。
瀧と三葉の入れ替わりが判明して、どうにか乗り切ろうと奔走します。
その中で、二人の感情や関係性を深まりを見せていきます。



物語の半ばで、「ミッドポイント」という物語の転換点を仕掛けるのですが、これは(物語の)展開によって、主人公の内面や状況に変化が起き、
物語自体が最初の状況へは、引き返せない流れになるポイントをさします。





三年前にティアマト彗星が落ちたことで、三葉がすでに亡くなっていた
事実を瀧が知ることで、瀧の心に変化が起き、
三葉達を救わなければならないと決意をしていく流れを作るために
映画的技法で「ミッドポイント」が必要になっていきます。





『三幕目』に入る前に、二幕目の終わり付近で「プロットポイント2」を
仕掛けます。このポイントは物語を大団円へと導く重要なカギです。
瀧(三葉)が彗星が落下すると言っても、誰も信じてくれない。
三葉の気配を感じ、御神体があるクレーターへ向かう。




ここまで物語をリードしていた瀧から、今度は三葉が彗星落下から村人を
護る重要な役割を担います。
「入れ替わり」で物語を推進し、「元に入れ替わる」事で終わらせる方向へ物語を導くように作っていく。その為に「プロットポイント2」は
物語を終わらせるための、重要なポイントです。

『三幕目』は、プロットポイント2を軸にして、物語をクライマックスまで
とにかく引っ張っていきます。
(プロット2が弱いと、三幕目が失速するため、注意が必要です。)




ラストシーンは、余韻を残す程度に終わらせます。




以上で「君の名は。」のシナリオ・三幕構成の説明を終わります。
そのうち、君の名はの考察もやりたいと、思います。
