泣くな!おれ
妻とテレビのドラマを見るのが一日の楽しみだ。夕食を食べながら鑑賞する。何を見るか、ドラマの決定権は妻にある。録画で見ることが多い。僕は録画がどこに保存されていて、どう再生すればいいのか分からないので全て妻まかせ。だから、妻の興味のないドラマは見ない。でも、基本的にドラマの好き嫌いや、面白さのツボは妻と同じなので、支障なくドラマを鑑賞できる。
たまに困ることもあるけど、なんとかなっている。
妻はネットでドラマの知識をいろいろ頭に入れ、視聴者のコメントなんかも読んだり、ネットの実況を見たりして学習し、ドラマを深掘りしている。僕の知らない裏話をドラマの最中にチョイチョイ挟み込んでくるので僕は感心する。
妻は役者の名前や過去の出演作が気になるらしく、「あ、この役者さん何て名前だっけ?」と僕に聞く。僕はそもそも役者の名前あまり知らないし、知っていても思い出せない。妻は妙に役者さんの名前を知っている。怖いくらいに。
妻はお茶を運んでくる脇役のおばさんや、河原で殺されるだけのおじさんの名前も気になるらしい。「この人、よく出ているよね。名前なんだっけ?」とスマホで速攻調べ、「あー、やっぱり〇〇〇〇だ…」と独りで納得している。テレビの画面なんかは全く見ていない。
妻はドラマの途中で、ソファの上で眠りに落ちてしまう。ドラマの一番肝心な所を見落とす。ドラマが終わり、僕が皿を洗って洗濯物を干し終わったころで、「あー、寝ちゃってた!」と目を覚ます。毎回ドラマを最後まで見ていない。
昨日もドラマの中盤で寝落ちし、「どうなったの?内容説明して」と言う。僕はめんどくさくて教えないが、妻は次の回も想像力とネットの情報で普通に続けて見るのだろう。
妻は最終回を見ないことがたまにある。
これが困る。
見るのがつらいとか言うが、理由は定かではない。僕は録画がどこに保存されているのかも再生方法もよく分からない。
いつまでも見ることができず、そのうち僕は見ることを忘れてしまう。
『いだてん』の最終回を僕はまだ見ていない。
『泣くな!はらちゃん』の最終回が気になって仕方ない。

