島袋将 vs J.M.セルンドロ テニス試合解説と現地レポートvol.1
ジャパンオープンが30日(火)に閉幕しました。
世界ランキング1位のアルカラスが、初出場で初優勝を飾りました。
大方の予想通りの結果だったとはいえ、おおいに大会を盛り上げてくれました。グラシアス、カルロス!
今年の観客動員数が121,000人を超えたそうです。
これは、望月選手がベスト4に進出した、2023年大会の記録109,733人を1万人以上上回る数字です。今年の有明コロシアムの盛り上がりは桁違いでした。
少し前の試合になってしまいましたが、9月23日(火)の島袋将vsフアン・マヌエル・セルンドロの試合解説をします。
島袋選手は、今大会の本戦1回戦で世界ランキング22位、第5シードの🇨🇿マハーチに勝つという番狂わせを演じました。
世界ランキング271位だった彼ですが、今大会唯一本戦で勝利した日本人となりました。
予選での2勝と本選で1勝した結果、ランキングは一気に197位まで上がります。ATP500の大会で勝利する重大さが分かるジャンプアップですね。
本人の嬉しそうな表情が物語っています。
First main draw match of the season ✅
— ATP Tour (@atptour) September 25, 2025
First main draw win of the season ✅
Sho Shimabukuro knocks out No.5 seed Machac 6-3 7-6(4) to advance to round two.@japanopentennis | #kinoshitajotennis pic.twitter.com/bTfFf8QX3Q
選手紹介
島袋将
出身地:岐阜県
年齢:28歳
身長:180㎝
世界ランキング(9/23時点):271位(最高135位 / 2023年10月)
フアン・マヌエル・セルンドロ
出身地:アルゼンチン🇦🇷ブエノスアイレス
年齢:23歳
身長:183㎝
世界ランキング(9/23時点):72位(最高71位 / 2025年9月)
島袋は今シーズン前半不調でしたが、8月には中国の張家港(Zhangjiagang)チャレンジャー大会で優勝しました。
ちなみに、早稲田大学を卒業してからプロテニス選手になるという、テニス選手の中でも珍しい経歴を持っています。
一方のセルンドロは、9月の中国の広州(Guangzhou)チャレンジャー大会で優勝した他、
7月にスイスで行われたATP250グシュタードの大会で、ルードに勝利する活躍もあり、準優勝しました。
両者は6年前に1度、ITFトルコの大会で対戦しました。この時は島袋がストレートで勝利しました。
ちなみに、セルンドロには兄のフランシスコがおり、同じくテニス選手です。
9/29時点の、兄フランシスコの世界ランキングは21位です。

試合解説
それでは当日の会場の雰囲気を交えて、試合を振り返ります。
有明コロシアムの第2試合に組まれたこのカードは、午後1時20分頃にスタートしました。
直前の第1試合では、19歳の坂本玲選手(9/29時点世界ランキング188位)が、🇦🇺ブキッチ選手(同79位)に惜しくも敗れたばかりでした。
第1試合終了直後のスタートに加え、ちょうど昼食時と重なったため、序盤はトイレ休憩や食事のために離席する観客が多く見られました。
個人的には、前の試合で坂本が敗れたので、島袋も劣勢かな?と予想していました。島袋の勝率は40%程度で見積もっていました。
第1セットは、島袋のサーブから始まりました。
序盤はお互いにサービスキープが続く硬い展開でした。ゲームカウント「2-2」で迎えた島袋のサービスゲームでスコアが「30-40」となり、セルンドロにブレイクポイントが訪れました。
しかし島袋選手は、ミスを恐れずフォアハンドショットを打ち込む攻撃的な姿勢を貫き、このピンチを切り抜けサービスキープに成功。ゲームカウントを「3-2」とします。
その後も両者サービスキープが続きましたが、終盤に動きが。ゲームカウント「5-4」となったセルンドロのサービスゲームで、島袋にセットポイントのチャンスが訪れました。島袋はここでも攻撃的な姿勢を緩めず、見事なダウンザラインへのフォアハンドウィナーを決め、第1セットを先取しました。
このセットで初めて訪れたブレイクポイントで、ワンチャンスをしっかり決め切りました。「あれ?島袋がセット取った!」と少々驚きを含んだ雰囲気が会場にありました。観客も昼食を終えて戻ってきていました。
第2セットも、第1セットと似たような緊迫した展開が続きます。
第2セットでも、島袋の攻撃的なプレーが続き、ラインぎりぎりの際どいショットがよく決まりました。
こうしたプレーがボディーブローのようにセルンドロを追い込み、セット後半では「なんで今の島袋のショットがアウトじゃないんだ」とフラストレーションを表すようになりました。
島袋からみてゲームカウント「4-3」となった、セルンドロのサービスゲームで「0-40」となり、島袋にブレイクポイント3本のビッグチャンスが訪れました。セルンドロは島袋のペースを乱そうと、軌道の高いボールをベースライン付近に打ち込むショットを多用しましたが、島袋はうまくジャンプして打点を調整し、勢いのあるフォアハンドを叩き込み、3回のブレイクチャンスの1回目でブレイクを決めました。
島袋の勝利目前となり、会場の期待感が高まりました。ゲームカウント「5-3」 となった、島袋のサービングフォーザマッチで、1回目のマッチポイントでフォアのドライブボレーを決め、見事勝利しました。
試合時間は1時間21分でした。
予選を戦った日本人選手は5人いたのですが、それまでに残りの4人が敗れていたため、ただ1人の日本人選手となっていた島袋が見事勝利したことで、会場の高揚感が高まりました。
この試合の後の本戦1回戦は、私は仕事で観に行くことができなかったのですが、まさかマハーチに勝つとは思っていませんでした。本当はこの試合の解説もしたかったのですが、映像もあまり残っていないので断念しました。
スタッツ
最後に私が愛用しているアプリ「TNNS」から、試合の主なスタッツを見てみましょう。
島袋
1st Serve In : 66% (41/62)
1st Serve Points Won : 78% (32/41)
2nd Serve Points Won : 52% (11/21)
Break Points Saved : 100% (1/1)
Pressure Points Won : 100% (3/3)
セルンドロ
1st Serve In : 69% (33/48)
1st Serve Points Won : 67% (22/33)
2nd Serve Points Won : 50% (8/16)
Break Points Saved : 0% (0/2)
Pressure Points Won : 0% (0/3)
両者を比較しても、違いがあるとしたら、ファーストサーブのポイント獲得率(島袋が78%に対しセルンドロが67%)とプレッシャーポイント獲得率(ブレイクポイントの場面でのポイント獲得率)くらいで、接戦だったことが見て取れます。
島袋が攻撃的なプレーを続け、数少ないチャンスを活かしたと言えます。
次回の記事では、今大会私が観戦した中でマイベストマッチ
準決勝第2試合の「アルカラスvsルード」について書きたいです。
また、10月はWTA(女子テニス協会)のツアー大会が、東京と大阪で2つ開催されます。WTAはYouTubeでたまにハイライトを見るくらいで、ATPほど詳しく見ていないのですが、女子テニスについても紹介したいと思います。
