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料理好きが厨房に入ったら、全然違う世界だった

初出勤してきました。

オリエンテーションの帰り道、

「意外となんとかなるかもしれない」

なんて思っていました。

結果から言うと、全然なんとかなりませんでした。

というより、情報量が多すぎました。

まずお店に着いて、制服とサロン(前掛け)を受け取ります。

そして、いきなり最初の失敗。

制服のボタンです。

本当は全部閉める必要があったのですが、僕は上下2か所しか閉めていませんでした。

支給された時にそうなっていたので、

「こういうものなんだろう」

と勝手に解釈していたんです。

もちろん後で怒られました。

今振り返ると、

「これで合っていますか?」

と一言聞けば済んだ話です。

でもその瞬間って、不思議と

「まあ大丈夫だろう」

と思ってしまう。

怒られてから

「聞けばよかった」

と思うことって、仕事でも人生でも結構ありますよね。

思い切りの良さは自分の長所だと思っていましたが、慎重さも同じくらい大事なんだなと、初日から学びました。

そんなこんなで12時から勤務スタート。

すでに店内は動いていて、料理の注文もどんどん入っています。

最初の仕事は洗い物でした。

基本的には食洗機を使うので、やることは予洗いです。

皿をラックに綺麗に並べる。

これはすぐに慣れました。

問題は量です。

本当に多い。

次から次へと皿が返ってきます。

食洗機が回っている間にも予洗いを進めないと追いつきません。

飲食経験者の方々には頭が上がらないなと思いました。

しかも洗い物をしながら、

お客様が来店したら振り返って

「いらっしゃいませ!」

と大きな声で挨拶します。

さらに笑顔。

言うのは簡単ですが、実際やると意外と難しい。

忙しい時でも空気を崩さず、お客様を迎える。

これも大切な仕事なんだなと感じました。

洗い物をしながらも、覚えることは山ほどあります。

まずは前菜からということで、

アンチョビポテトとバーニャカウダを教えてもらいました。

「これなら次回もできそうだな」

そう思ったのも束の間でした。

ここからが、僕にとっての本番です。

注文が入ると伝票が発行され、それをキッチンスタッフが読み上げます。

でも、新人の僕にはまず何を言っているのかわからない。

アンチョビポテトは

「アンポテ」

と呼ばれていました。

最初は何のことかまったくわかりません。

でも考えてみれば当然です。

料理名をフルで言っている時間すら惜しい。

その数秒を削って、お客様へ少しでも早く料理を届けているんです。

そして驚いたのが、スタッフの動きでした。

伝票が読まれた瞬間、それぞれが一斉に動き出します。

洗い物をしながら厨房を見ていると、あることに気付きました。

パスタの注文が入ると、まず最初に麺を茹で始める。

その間にソースを準備する。

さらに別の人がポテトを揚げている。

全部が同時進行でした。

しかも、ただ早く作ればいいわけではありません。

例えばアンチョビポテトとパスタを同時に提供するなら、ポテトだけ先に完成しても意味がない。

冷めてしまうからです。

だから提供時間から逆算して料理を作っている。

これが本当にすごかった。

料理って味だけじゃないんだなと思いました。

どの順番で作るか。

いつ完成させるか。

そういう設計まで含めて料理なんだと知りました。

この世界、思っていたよりずっと奥が深いです。

まずは前菜を覚えること。

そして次は、

「どのタイミングで作るか」

まで理解したい。

それが今の目標です。

あと、伝票の読み上げ。

どうやら新人が積極的にやるポジションらしいので、次回までにメニューの略称を覚えようと思います。

目指せ、伝票読み上げマンです。

今回は比較的落ち着いている日だったそうですが、それでも圧倒されました。

忙しい日は一体どうなってしまうんだろう。

正直、まだ自分がやっていけるのかはわかりません。

平日は会社員。

休日は厨房。

体力が持つのかも未知数です。

それでも今は、不思議と楽しい気持ちの方が大きい。

できることが増えて楽しくなるのが先か。

つらくなって辞めたくなるのが先か。

今のところは前者を信じています。

次回は、少しだけ前進した話ができたらいいなと思います。

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