ARCO TELE-Colinar 13.5cm f3.8 2週間主役に! じっくり試してみました。
長玉と向き合った二週間、季節の変わり目に


アルコ写真工業という聞き慣れない会社の望遠レンズ
見かけは細めのナマズ似の望遠鏡
TELE‑Colinar は、1950年代にアルコ写真工業(Arco Photo Industrial Co., Ltd.)が手がけた望遠レンズです。アルコ写真工業は ARCO 35 をはじめ、独創性に富んだカメラを数多く生み出したメーカーで、特に ARCO 35 はレンジファインダー機でありながら最短撮影距離 35cm を実現するなど、当時としては群を抜いた技術力を誇っていました。さらに他社向けの交換レンズにも積極的で、小規模ながら意欲的なレンズメーカーでもありました。
その中でも TELE‑Colinar 13.5cm f/3.8 は、Arco が L マウント用として最も多く生産したモデルで、現在でも比較的入手しやすく、オールドレンズ愛好家から高い支持を得ています。TELE‑Colinar には一眼レフ用(M42・エキザクタ)とレンジファインダー用(L39)が存在しますが、L39 仕様だけが f/3.8 と、他よりわずかに暗い仕様になっている点が興味深いところです。
詳しい知人からは、当時のライカ純正 Hektor 13.5cm f/4.5 より明るかったことで、人気の高いレンズだったと聞いています。
とにかく美しいボケに一気に気持ちが奪われた
私がこのレンズと出会ったのは約7年前。知人が購入した個体を撮影に出かけた際に借りて試したところ、その柔らかく美しいボケ味に驚きました。
それ以来、自分でも状態の良いものを探し続けましたが、何せ発売から70年を経過したものですからなかなか良い個体が見つからず、最終的に出張中のニューヨークで理想的な一本を手に入れることができました。
手元の個体はシリアル 28000 番台の後期型で、アルコがレンズの量産体制を確立した時期の製品と考えられます。初期型より銅鏡先端がわずかに細く、さらにコーティングが施されていることを示す赤い “C” の刻印が入っています。表面全てが鈍いアルミ色のもので、これは輸出用モデルの特徴でもあるらしく、私がNYで購入したのも理解できるところです。
幸いにもミント級の美品でレンズの状態も良く、現在も私のライカで使う長焦点レンズの中で最も信頼している一本です。

2週間、不便でもこのレンズとじっくり向き合う
レンジファインダーというカメラの性格上、望遠レンズの出番はどうしても少なくなります。ピント合わせの感覚も、画角の扱いも、やはり広角や標準のほうがしっくりくる。特別な目的でもない限り、棚の奥で眠らせてしまいがちな一本です。けれど、Note を始めたこのタイミングで、あえてこの望遠レンズを2週間だけ“主役”にしてみることにしました。普段なら持ち歩かない長玉で、いつもの街や光がどう見えるのか。レンジファインダーと望遠という少し不器用な組み合わせが、どんな写真を引き出してくれるのか。そんな小さな実験のつもりで、日常のあらゆる場面にこのレンズを向けてみようと思いました。ちょうど美しい花の咲く頃でもありますから。。。
以下、作例です。

ARCO TELE-Colinar 13.5cm f3.8_Leica M11_Light Roomで現像クロップ
古い長玉と最新のレンジファインダー、一番苦手なはずのこの手の写真もこのように。

モノクロの遠景も情緒的

大根の葉切り、春先とはいえまだまだ朝晩寒いです。日本人の知恵。

催花雨で一気に咲き始めた桜、このボケが魅力です。

街中でこのレンズはちょっと目立ちすぎですが。。

ちょうど人物に光が当たっていると嬉しくなる

もう少し画角が欲しかった、これも長玉でよくあること

望遠ならではの背景のボケ、美しいボケが良いです。

絞れはかなりスッキリと現代的にも写ります。

半逆光ではこのようになります。









今回もご覧いただき、ありがとうございました。
