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はじめての冷しゃぶ

noteにはもう何度も登場している話題だけれども、料理が苦手だ。
生活や健康に密着したこの活動が苦手かつ好きでもないというのは、ちょっとしんどいよなあと他人事のように思う。

どれくらい苦手かといえば、カップラーメンのお湯をわかすことですら面倒で、食べるのを諦めるぐらい。自分でもかなしいほどだ。

そんなふうなのに、いやそんなふうだからか、食事や料理をテーマにした小説やドラマ、映画は好きだ。
数年前、友人からドラマ『晩酌の流儀』を教えてもらって、現在放送中の第5シーズンまで欠かさず観ている。

主人公は「1日の最後に飲むお酒をいかに美味しくいただけるか」を追求している。仕事終わりにスーパーや魚屋さんで食材を調達し、手際よく夕飯兼お酒のおともを仕上げていく。
最後に冷蔵庫からお酒を取り出し、同じく冷蔵庫から取り出したグラスに注いだら、至高の晩酌の幕開けだ。

わたしはこの番組を観ながらお酒を飲む。
冷やしたグラスに注ぐこともなく缶から直飲みだし、ていねいにつくりあげられたおつまみもない。冷凍のたこやきとか、お惣菜、冷蔵庫にあった漬けもの、ポテトチップなどなど適当なもんだ。
だけど主人公の晩酌に対する姿勢をみていると、おつまみは適当でもお酒を適当に飲んではいけない気がして、リラックスタイムであるはずの晩酌でいつになく背筋が伸びるんだから可笑しい。

そして、ドラマのように自分の手でおいしいおつまみをつくって晩酌ができたなら、それはそれは充実した時間になるんだろうなあと少し憧れる。
いわゆる「ていねいな暮らし」っぽいし、これぞ大人の愉しみな感じがするし、かっこいいじゃないか。

そんな「いつか」が訪れる日をうっすら期待しながら、期待するだけで何も変わらない日常生活をたらたらと送っていたところ、数日前あるnoteを読んでひらめいてしまった。
昨日の晩ごはんを紹介する記事、メニューは冷しゃぶ。

冷しゃぶといえば、うちの実家では夏の定番のおかずだ。
たしかお皿には主役の豚肉のほかレタスやもやし、千切りのきゅうりなどが載っていて、ポン酢やごまだれをかけていただくスタイル。
母はしきりに「冷しゃぶは楽だから」と言っていた。

果たして冷しゃぶは楽なんだろうか。
わたしは、豚肉は炒めるほうが楽だと思っている。
だって豚肉を茹でるためのお湯がわくまでに時間がかかるじゃないか。
それに比べて炒めものなら、フライパンを火にかければすぐ温まってすぐ炒めに入れる。
…お湯をわかすことすら面倒くさいと思ってしまう自分にほとほとがっかりだ。

しかし久しぶりに冷しゃぶを食べたくなり、今日の夕飯とした。
といってもレタスは袋に入ったレタスサラダだし、大根おろしもパックに入ったものを買ってきた。もやしまで茹でるのは面倒なので、迷うことなくもやしはパスするという手の抜きよう。

鍋になみなみとお湯をわかし、しゃぶしゃぶ用と書かれた豚肉を1枚ずつトレーからはがして鍋に落としていく。

冷しゃぶというからにはたぶん、茹でた豚肉を何らかの形で冷やすんだろう。そこまで気づいたものの、やり方が分からないしおなかも減っていたのでとりあえずザルにあげてしっかり水を切り、カットレタスを敷いたお皿に並べていった。
もはや冷しゃぶではなく「ぬるしゃぶ」である。

レタスと大根おろしを豚肉で簡単に巻いて、ポン酢にラー油を混ぜたタレでいただく。止まらん。箸も止まらないしお酒も止まらない。
わたしにしては奇跡的に茹で加減が絶妙だったのか、はたまたお肉の質がよかったのか、上出来も上出来であった。結果的に、豚肉は冷やさなくてよかったかもしれない。柔らかくておいしかった。
録画してあるドラマを再生し、充実したひとときとなった。

母が楽だという冷しゃぶをさらに横着してしまったけれども、自分しか食べない夕飯でここまで手間をかけたんだから及第点だ。
お湯をわかせたことも1歩成長。

また気が向いたら、簡単でおいしい晩酌を楽しもう。

…ところで本当の「冷しゃぶ」ってどうやってつくるんだろう。



今日も読んでくれてありがとうございます。
晩酌のおとも、あなたの最近のお気に入りは何ですか?

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