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現実はドラマのようにはならない

ドラマのようにはいかない、という話

テレビドラマでは、よくある展開がある。
腐敗した組織。声を上げられない人たち。
そこに現れる一人の主人公。

正しいことを言い、ぶつかり、孤立しながらも、
やがて誰かの心を動かし、仲間が増え、
最後には組織全体が変わっていく。

見ていて気持ちがいい。
「やっぱり人の気持ちが世界を変えるんだ」と思わせてくれる。


でも、現実は違う。

正しいことを言っても、人は動かない。
むしろ距離を取られる。
共感していそうな人ほど、何も言わない。

味方が現れるどころか、
静かに孤立していく感覚だけが残る。


最初は思う。

「まだ伝わっていないだけかもしれない」
「そのうち誰かが気づくかもしれない」
「同じことを思っている人がいるはずだ」

でも、何も起きない。

何も起きないまま、時間だけが過ぎていく。


そこでふと考える。

あのドラマのように、
人の気持ちが連鎖して、
組織が変わっていくことなんて、
本当にあるのだろうかと。


たぶん、多くの場合は起きない。

人は正しいから動くわけではない。
損をしないか、立場が守られるか、
その中でしか動けない。

気づいている人がいても、
動く理由がなければ動かない。

だから、外からどれだけ言葉を投げても、
それだけで何かが変わることはほとんどない。


それでも、ああいうドラマが人気なのは、
きっとどこかで、みんな分かっているからだと思う。

現実ではできないことを、
誰かが代わりにやってくれる。

言いたいことを言い、
ぶつかり、
最後には報われる。

その「あり得ないかもしれない展開」に、
どこか救われているのかもしれない。


現実は、もっと静かだ。

誰も何も言わず、
大きな変化も起きず、
それでも日々は続いていく。

その中で、何かを変えようとすることは、
ドラマのように美しくもなければ、
分かりやすい結果も出ない。


だから、最近はこう思う。

ドラマのようにはいかない。

それは少し寂しいことだけど、
同時に、現実をちゃんと見ているということでもある。


変わらないことを前提にするのか、
それでも何かをするのか。

答えはまだ出ていない。

ただ一つ言えるのは、

少なくとも、ドラマのような展開を期待しているうちは、
現実とは噛み合わない。

そんな気がしている。

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