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フットサルチームの回顧録   ~24年前、チームを作って学んだこと


30年間フットサルを続けて感じた「運営」と「仕組み」の大切さ

私がフットサルを始めたのは、今から約30年前です。

最初の頃は、自分でチームを作ったわけではなく、いくつかのフットサルチームに参加する側でした。

そこで楽しい経験もありましたが、同時に「こういうチームだったら、もっと多くの人が楽しめるのに」と感じることもありました。

経験者中心のチームで感じた違和感

当時参加していたチームの多くは、経験者が中心でした。

もちろん、上手な人が中心になること自体が悪いわけではありません。

勝つことを目的にするなら、経験者を多く出すことは当然の判断です。

しかし、初心者や初級者の立場になると、違う景色が見えます。

大会に出れば、勝つことが優先されます。

下手だから控えになる。

出場時間は少ない。

それでも参加費は、経験者と同じ金額を払います。

大会によっては、一人何千円も負担します。

長い時間プレーする人も、ほとんど出られない人も、負担は同じです。

「楽しむために参加しているのに、なぜ同じ金額を払って、プレー時間はこんなに違うのだろう。」

そんな疑問を感じることもありました。

また、普段の活動でも、

人数が集まらない。

当日にキャンセルが出る。

急に活動が中止になる。

連絡が十分ではない。

そんなチームもありました。

もちろん、趣味の集まりなので完璧を求めるものではありません。

でも、

「初心者でも楽しめるチームがあったらいい。」

「参加した人が気持ちよく帰れるチームを作りたい。」

そんな思いが少しずつ強くなっていきました。

そして思いました。

「不満を言っているくらいなら、自分で作ればいい。」

それが、24年前に自分でフットサルチームを立ち上げたきっかけでした。

ゼロから始めたチーム作り

24年前、インターネットなどを通じてメンバー募集をしました。

最初は知らない人同士の集まりでした。

目指したのは、経験者だけが楽しむチームではありません。

初心者でも参加できる。

上手い下手だけで人を分けない。

みんなが楽しめる。

そんなチームでした。

しかし、チームを作って初めて分かったことがあります。

楽しい場所を作ることと、それを維持することは全く違うということです。

代表の仕事はプレー以外にある

フットサルチームの代表というと、一緒にボールを蹴る人というイメージかもしれません。

しかし、実際の仕事はそれだけではありません。

体育館を確保する。

学校開放の抽選に申し込む。

日程を調整する。

相手チームと連絡を取る。

参加者へ連絡する。

当日の人数を確認する。

足りなければ追加で声を掛ける。

終われば次回の準備をする。

こうした作業を続けていました。

最初は参加費100円でした

当時利用していた小中学校の学校開放体育館は、1時間約600円でした。

私たちは1回約2時間30分活動していたため、体育館代は約1,500円です。

当時は3チームで回すことが多く、1チーム約500円。

5人なら一人100円程度で活動できました。

だから最初は、参加費100円という仕組みにしていました。

しかし、運営を続ける中で問題が出てきました。

人数調整の難しさ

私たちは相手チームを呼んで試合形式で活動していました。

フットサルは5人いれば試合はできます。

しかし、最初から6人や7人しか参加予定がない日に、2人、3人とドタキャンが出れば、試合が成立しません。

4人になれば、相手チームへ謝り、人数を借りることになります。

では、最初から8人以上集めればいいのか。

8人ならちょうど良い人数です。

しかし9人、10人と集まって全員来れば、

「人数が多すぎて、あまり出られない。」

という不満も出ます。

少なければ相手チームに謝る。

多ければ自分のチームに謝る。

結局、どちらの場合でも謝るのは代表でした。

年会費1万円という仕組み

100円の参加費では、運営の責任を共有することが難しいと感じました。

ドタキャンされた時に、

「体育館を取っているから100円払ってください。」

とは言いにくい。

「利用していないのだから払わない。」

と言われれば、それ以上は言えません。

そこで年会費1万円という制度に変えました。

年間100回近く活動していたので、毎回来れば1回あたり約100円です。

値上げではありません。

考え方を変えたのです。

体育館を確保する。

抽選へ申し込む。

活動を維持する。

学校開放が取れない時に備える。

そのための費用です。

学校開放が取れない時は、民間体育館も利用しました。

民間体育館は1時間約1万円。

3時間なら約3万円です。

4チーム集めれば、1チーム約8,000円。

10人なら一人800円。

5人なら一人1,600円になります。

年会費があったことで、こうした時でも追加料金を取らずに活動を続けることができました。

料金を決める難しさ

私たちが主催する時は、体育館代をチーム単位で割りました。

3チームなら1チーム500円。

人数が違ってもチーム単位です。

しかし、相手チームに呼ばれる場合は、そのチームの料金体系になります。

中には一人200円というチームもありました。

こちらが10人集めれば2,000円。

12人集めれば2,400円。

体育館代以上の金額を払うことになります。

しかも人数が多ければ、交代ばかりで出場時間は減ります。

「たくさん払って、あまりプレーできない。」

そんな状況もありました。

だから私は、

「自分たちで体育館を取り、自分たちで運営することが一番公平なのではないか。」

と思いました。

しかし、その体育館を取る作業を手伝ってくれる人は、ほとんどいませんでした。

大会とは何のためにあるのか

大会に出る中で、私はある疑問を持つようになりました。

「大会とは、何のためにあるのだろう。」

もちろん、勝つことを目的にする考え方もあります。

しかし、勝つことだけが目的になると、極端に言えば初心者や初級者は出ないほうが良いということになります。

経験者だけで戦えば、勝つ可能性は高くなります。

でも、それは本当の意味でチームの力を試したことになるのでしょうか。

大会とは、普段の練習で積み重ねてきたものが、外の世界でどのくらい通用するのかを確かめる場でもあると思います。

初心者も初級者も経験者も、同じチームの仲間です。

全員で戦ってこそ、本当のチーム力だと思いました。

たとえ優勝できなくても、一回戦で負けても、全員が納得して戦えたなら、それは価値のあることです。

しかし、実際には勝ちたい気持ちが強くなるほど、チーム内で考え方の違いが出てきました。

そこで現在のチームでは、大会には出ないことにしました。

勝負をしたい人は、別の場所で挑戦する。

普段のチームでは、みんなで楽しむ。

目的を分けることで、今は無理なく続けられています。

制度を変えると、人も変わる

年会費制度にした時には反発もありました。

「高い。」

「そんななら他のチームへ行く。」

そう言って離れた人もいました。

でも、残ってくれた人もいました。

そして、その時に残ってくれた人たちとは、今でも一緒にフットサルをしています。

結果的には、価値観が合う人が残ったのだと思います。

忘れられない「ぼったくり」という言葉

大学時代の後輩がチームに入りたいと言ってきたことがありました。

私は、

「このチームは年会費1万円だよ。」

と説明しました。

すると、

「ぼったくりじゃないですか。」

と言われました。

正直、ショックでした。

でも言い返しませんでした。

心の中では、

「一年間体育館を取ってみてほしい。」

「人数調整をしてみてほしい。」

「相手チームへ謝ってみてほしい。」

そう思いました。

でも今思えば、その後輩に悪気があったわけではありません。

運営を経験したことがなければ、その苦労は見えません。

参加者から見えるのは、楽しくプレーする数時間だけです。

その時間を作るために、誰かが準備をしています。

24年後、チームは形を変えました

現在もフットサルチームは続いています。

ただ、24年前と同じ形ではありません。

チーム名も変わりました。

メンバーも大きく変わりました。

当時から残っているメンバーは数人ですが、今でも一緒にプレーしています。

現在は、相手チームを呼ぶこともやめました。

自分たちだけで2チーム、3チーム作れる人数を集め、その中でゲームをしています。

会費も年会費ではありません。

参加した時に1回200円。

ドタキャンも責めません。

人数が多くても文句を言いません。

本当の意味でのエンジョイチームになりました。

ただ、体育館を取る役割は今でも私がしています。

その代わり、自分の参加費は実質無料にしています。

「自分がフットサルをする場所を、自分で準備している。」

そう考えるようにしました。

昔は「代表だからやらなければならない」と思っていました。

今は「自分が楽しむための準備」と考えています。

30年間フットサルを続け、24年間チームを運営して学んだこと。

それは、

良いチームとは、最初の形を守り続けるチームではない。

その時のメンバー、その時の目的に合わせて変化できるチームこそ、長く続く。

ということです。

そして、

運営とは、人を管理することではなく、みんなが楽しめる環境を続けられる仕組みを作ること。

これが、私がフットサルから学んだ一番大きなことです。


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