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街って絵画で窓って額縁だと思ったあきりたりな話

街って絵画で窓って額縁だ、と思った。

薄い窓枠の外に、絵画が見えた。正確にはずっと見えていたのだが、私がはっきりと絵画だと思ったのは今日が初めてであった。

街が終わりかける時間。日も落ちかけて、オフィスの廊下が薄暗くなった定時過ぎ。薄暗い廊下の先で窓の外、夕陽に照らされて赤みがかったようなオレンジ色のような色になった街があった。

一瞬で、絵画だ、と思った。

私がその“絵画”に見惚れていた時間は実際は1秒もないだろう。日々忙しなく流れ続ける仕事に翻弄されているわたしにはそれをゆっくり鑑賞出来るだけの時間的余裕も精神的余裕もなかったからである。

だが、私はあの瞬間完全に魅入っていたのだ。

だって私はあの1秒にも満たないその時間を鮮明に覚えている。コントラストが強くなり、遠くまで伸びる影。夕陽色に染まった白い建物にまだ少し青い空。薄暗い廊下から見えるそれは、スポットライトが当たっているかのように白く光っていた。

窓と街。額縁と絵画。一瞬を切り取るそれらはどちらも美しい。窓を見て、絵だと思える感性が、少しだけでも残っていてよかったと思う。振り回され消耗する日々に少しだけの潤いを。

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