配信者のお金の話(前編)【 投げ銭・サブスク・広告】
※各プラットフォームの料率や条件は変更される場合があります。最新情報は公式サイトを確認してください。
お金の話は生々しいけど、これをちゃんと考えないで始めると後で困ることになります。運営側としても、演者が構造を理解・把握しているかどうかで戦略の立て方が変わるので整理しておきます。
配信者がプラットフォームから得る収益は、主に投げ銭、サブスクリプション、広告収入の3つ。
それぞれ仕組みが違うし、プラットフォームごとに手数料や条件もかなり異なります。

投げ銭
YouTubeのスーパーチャット、Twitchのチアー(ビッツ)、Kickのギフトなど。視聴者が任意の金額を送る仕組みです。
ここで知っておくべきはプラットフォーム側の手数料。
例えば、YouTubeのスーパーチャットは約30%がYouTube側に入ります。とはいっても、70%が配信者に入ってくるわけではありません。YouTubeの手数料に加えて、iOS経由で送るとAppleの手数料が上乗せされます。その結果、配信者に届く金額は送られたスーパーチャットの半分程度になることも。
Twitchのビッツは仕組みが少し独特で、視聴者が事前にビッツを購入し、それを配信者に「チアー」として送ります。視聴者の購入時点ですでにTwitch側の取り分が乗っており、配信者は1ビッツ=1セントを受け取ります。
こちらもアプリ経由だとブラウザからの購入よりも手数料が高くなる可能性があるという報告も見かけます。
Kickは配信時間やフォロワー数、コメント数などの条件を満たすと「パートナー」となることができ、収益分配率95対5という驚異の数字になります。配信者の取り分が圧倒的に大きいことが多くの配信者を引きつけた要因のひとつでしょう。
しかし、投げ銭は爆発力がある一方で不安定。「今月はたくさんもらえたけど来月はゼロ」ということも普通にあります。
サブスクリプション
YouTubeのメンバーシップ、Twitchのサブスクライブなど。視聴者が月額課金で配信者を支援する仕組みで、限定スタンプや限定配信へのアクセスが特典としてつくのが一般的です。
投げ銭との一番の違いは「継続性」。毎月定額が入ってくるので、収益の土台として安定します。
Twitchのサブスクは3つのティアがあって、基本の分配率は配信者50%・Twitch50%。ただしTwitchには「プラスプログラム」という制度があり、一定の有料サブスク数を維持すると分配率が60%、さらに条件を満たすと70%まで上がります。以前は70%の分配に年間10万ドルの上限がありましたが、2024年にこの上限は撤廃されました。
YouTubeメンバーシップもYouTube側が約30%を取る形。プラットフォームによって取り分が違うので、どこで配信するかは収益にも直結します。
ちなみにTwitchではAmazon Prime会員が毎月1つの無料サブスクを送れる仕組みがあります。配信者にとっては「視聴者が無料で応援できる=サブスクのハードルが下がる」というメリットがある一方、Primeサブスクの報酬は国ごとの固定レートになっていて、通常の有料サブスクよりも配信者の取り分は少なくなります。
広告収入
YouTubeでは、アーカイブ動画に広告がつくことで収益が発生します。ライブ配信中にミッドロール広告(配信の途中に差し込まれる広告)を挟むこともできますが、視聴者が離脱するリスクもあるので使い方に注意が必要です。
YouTube広告の強みは「アーカイブが資産になる」こと。配信後も再生され続ける限り、広告収入が入り続けます。
Twitchにもプレロール広告(配信を開くと最初に流れる広告)やミッドロール広告がありますが、仕組みはYouTubeとは異なります。Twitchの広告収入は配信のリアルタイム視聴者数に依存するので、アーカイブからの収益はありません。ライブの同時視聴者数がそのまま広告収入に反映される構造です。
広告収入は3つの中では最も「個人の努力で直接コントロールしにくい」収益源。視聴者数と再生数に比例するので、チャンネルがある程度育ってから効いてきます。
結局どこで配信を始めたらいい?
実際、「絶対にここが正解」という答えはありません。
ただし、何を優先するかで、向いているプラットフォームが選びやすくなります。
・手取りを優先→配信者への還元率が圧倒的なKick
・視聴者数、配信文化の成熟度を重視→母数の大きいTwitchやYouTube
・配信後も収益を伸ばせる資産性に注目→アーカイブ機能が充実しているYouTube
手数料は気になるポイントですが、「稼げるかどうか」より「継続できるか」を考えたほうが後々プラスだったりします。収入は案件やイベントなども大きなウェイトを占めるので、配信の目的、チームの目標などを考えて総合的に判断するのをオススメします。
後編では、プラットフォーム外の収益(案件・グッズ・イベント)の話を。
