美術展感想|空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン|名古屋市美術館
空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン
場所: 名古屋市美術館
会期: 2025.1.11 - 2025.3.23
*あべのハルカス美術館にて巡回展あり
(2025.4.5 - 6.22)
偶然に流れて来た広告を目にした時から、作品の雰囲気に惹かれていた。Instagramのサジェスト機能が良い仕事をした。
展覧会のタイトルは画家自身が名刺に使っていた「空想旅行エージェンシー」から付けられたもので、日常からの脱却を常に望んでいる私にとっても魅力的に響いた。
また、会場内の解説文が好みで心地良かった。美術展の解説はツアーガイドのようなものだから。
特に印象に残った絵、その1《日刊紙》
都市には道案内の矢印が多すぎて、かえって何処に進むべきか分からなくなる。氾濫する矢印に飲み込まれ、感情や思考を掻き乱され、あたかもそれが本来自分が望んでいた方向だったかのように錯覚してしまう。
これが描かれたのは1970年代で、現代に比べれば圧倒的に情報が少ない時代だったと思うが、フォロンが現代の超情報社会を見たらどう感じるだろうか。

特に印象に残った絵、その2《白い扉》
暗闇の中に差す一筋の光、長い長いトンネルを抜けた先にあるような、希望の光。

特に印象に残った絵、その3《遠い国からあなたへ手紙をしたためています》
ハットマンが立っているのはタイプライターのキーボードの上。

特に印象に残った絵、その4《『世界人権宣言』 のための挿絵原画》

特に印象に残った絵、その5《上昇》
先の見えない、一歩でも踏み外せば一番下まで転がり落ちてしまいそうな階段。もうそういう生き方はしたくないなと思いながら眺めた。

ああ、脱帽
ああ、私もこんなセンスが欲しい。


*本展は一部除き撮影可
