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ぐうたら蜜バチが教えてくれた、世界でいちばん優しいサレンダー


先日、息子と一緒にスーパーへ出かけたとき、 乳製品の棚のすみっこで、ふと不思議なヨーグルトと目が合いました。

絵本のような、どこかメルヘンなパッケージ。 そこに書かれていた名前は、なんと「ぐうたら蜜バチ」でした。

お値段もそんなに高くないし、なんだか妙に惹かれるものがあって、 「ちょっと買ってみようか」と、そっと買い物籠へ滑り込ませました。

そして昨日の夕飯のデザートタイム。 ワクワクしながらそのヨーグルトの蓋を開けると、 内蓋のアルミビニールに、小さな、小さなお話(あらすじ)が印刷されていたのです。

「あらすじ: まだ知られていない小さな島にとろーり蜜の実がなる不思議な森がありました。 あちこちに実がなるので、島のハチたちはみな、ぐうたらものになってしまったのです。 『おーいみんな、そろそろ時間だぞ』 ハチたちは蜜を抱えて、町のヨーグルト工場にブンブンと運んでいきました。 『よいしょよいしょ』『もうすこしだ』 この島のヨーグルトはやさしい甘みとゆたかな香りがするので、町でも大人気。 『僕たちが一生懸命集めたハチミツだから、おいしいに決まってるよね』 ハチは誇らしげに羽をバタバタさせました。」

古谷乳業


「ねえ、見てみて」と、隣にいる息子と一緒にその文字を追いかけました。

読み終えてから、スプーンですくって一口。

……なんだか、とってもワクワクしちゃって、 今までの人生の中で、こんなにヨーグルトを全神経で味わって食べたことはないというくらい、 二人でじっくりと、噛み締めるように味わって食べてしまいました。

だって、よく考えてみたらとってもおもしろいのです。

あちこちに豊かな実がなるから、いつもは「ぐうたら」してサボっているハチさんたちが、 いざ工場へ運ぶときだけは「よいしょ、よいしょ」と羽をバタバタさせて、 「僕たちが一生懸命集めたんだ!」と、ものすごい自信たっぷりに誇らしげに言っているのですから。

「一生懸命」と「ぐうたら」が、なんの矛盾もなく、 ひとつの可愛い体の中にまろやかに同居している。 それはまるで、「いつも100%完璧に頑張らなくても、豊かさの中で生かされていていいんだよ」という、 宇宙からの小さなお手紙のようでもありました。

ハチさんたちの健気な誇らしさと、優しいハチミツの甘み。 四角いプラスチックの容器の中に広がっていたのは、 どこまでも優しい、小さな小さな楽園の味でした。



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