社会福祉法が改正され、社会福祉協議会(社協)に、見守り、金銭管理の支援、入院・入所手続きに加え、死後事務まで含めた一連の終活支援体制が整備される方向性が明確になりました。

2025年12月23日付ブログ「歩けなくなった母の介護の相談に乗ってくれた『社会福祉協議会』をご存じですか。『社協』と呼ばれ、社会福祉活動の推進を目的とした非営利の公共性の高い民間の社会福祉団体です」の続きです。
2026年6月19日、身寄りのない単身世帯の高齢者などへの支援強化を盛り込んだ社会福祉法などの一括改正法が、参議院本会議で可決・成立しました。
上の図表をみてください。今回の改正で、社会福祉法の「福祉サービス利用援助事業」が、「福祉サービス・保健医療サービス等利用援助事業」に改められました。この「等」には、葬祭などの死後事務が含まれると明確化されました。
その事業の中で、頼れる身寄りがいない高齢者等や判断能力が不十分な者に対する日常生活支援・円滑な入院等の手続支援・死後事務の支援を「第二種社会福祉事業」に位置付けることが定められました。利用者のうち一定割合以上に無料または低額の料金で提供する事業に限ってです。
改正の背景には、高齢・長寿化で、単身高齢者の急増、身寄りのない高齢者の入院手続き・金銭管理・死後事務を担う人がいない、地域差が大きく、全国的な公的支援体制が必要になったことが挙げられます。
さて、具体的には、何が変わるのでしょうか。
現在、全国の社会福祉協議会(社協)が、判断能力に不安がある人を対象に、福祉サービスの利用手続きや金銭管理など日常生活の支援を一定の利用料で、「日常生活自立支援事業」という名称で実施しています。実際の支援は、都道府県社協から委託を受けた各市町村の社協が担っています。
今回の改正で、終活支援が、正式に「社会福祉事業」として法定化されました。従来は、社協が、生活支援、見守り、入院手続き支援などを独自事業として実施する自治体もありましたが、法的根拠が弱く、地域差が大きく、全国的な共通の取り組みではありませんでした。
社協は、第二種社会福祉事業者ではありません。ただ、法律上、第二種社会福祉事業の一部を実施できます。
今回の改正で、身寄りのない高齢者等への日常生活支援・入院手続支援・死後事務支援が第二種社会福祉事業として法定化され、都道府県社協に取り組みが義務付けられました。 死後事務の具体的範囲や対象者の詳細は今後政令で定められますが、全国的に終活支援体制が整備される方向性が明確になりました。
社協の終活支援が、法律上の事業として位置付けられたことになります。具体的には、日常生活の見守り、金銭管理の支援、入院・入所手続きから、葬儀・納骨などの死後事務まで含めた一連の終身サポートができるようになる方向です。地方自治体の判断にもよりますが、遺品整理の支援も扱えるようになります。
ここまでみてきたように、今回の社会福祉法の改正で、社協が行える「終活支援・終身サポート」の範囲が大きく拡大しました。社協の終活支援は 、相談から死後事務まで一気通貫で支援できる公的サービスへと進化する方向です。 特に、これまでグレーだった死後事務まで、公的な支援として扱えるようになったことが最大の変化です。身寄りのない高齢者が増える中で、安心して終活支援を受けられる体制が整いました。
民間の高齢者等終身サポート事業者との連携も制度化されます。公的支援と民間サービスをつなぐ仕組みが整備されました。社協・地方自治体・民間団体の3者連携が既に始まっている地域もあります。
対象者の範囲が拡大します。従来は、生活困窮者など一定の要件に該当する人が中心でしたが、 改正後は資産や所得に関係なく、身寄りのない高齢者全般が対象になります。
死後事務を含む新しい終身サポート事業の施行時期は、公布から2年以内です。2028年頃までに全国で開始される予定です。高齢・長寿化や単身世帯の増加で、主に家族が担ってきた役割を果たす人がいない高齢者が増えています。全国の社協では、支援体制を強化していきます。
