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紙の手形・小切手は2027年3月末以降、利用廃止となります。政府の成長戦略・デジタル化政策の一環です。紙の手形に代わるデジタル決済手段として、電子記録債権「でんさい」などに移行します。

(出所)全国銀行協会「紙の手形・小切手利用廃止へ」

紙の手形・小切手は、2027年3月末までに利用廃止となります。これは、政府方針に基づき、産業界・金融界が連携して進めている全国的な政策です。単なる金融機関の都合ではなく、政府が成長戦略として進めるデジタル化推進政策の一環です。

なぜ廃止されるのでしょうか。
企業間決済のデジタル化が、世界的に進む中で、日本だけに紙文化が残っていました。高コストで非効率、リスクが大きい紙の決済手段をやめ、デジタル化によって生産性を上げるためです。人手不足などで業務効率化が急務な中でのコスト削減、効率化とリスクの低減が目的です。また、全国銀行協会の電子記録債権(でんさい)の利用が急増し、紙の手形・小切手にら代わる代替手段が十分普及してきたことが背景にあります。

紙の手形・小切手にはどんな問題点があるのでしょうか。押印・郵送・保管・持参などの現物管理が必要です。印紙税・郵送費などのコストが発生します。紛失や盗難リスクが伴います。手形の取立などで、資金化まで時間がかかります。これらを解消するため、政府や全国銀行協会は、電子記録債権(でんさい)やインターネットバンキングによる振込などへの移行を後押ししています。

政府の成長戦略では、「成長戦略実行計画」(2021年6月)、「新しい資本主義のグランドデザイン」(2023年6月)、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(2023年6月)で、決済のデジタル化が標榜され、紙の手形・小切手の利用廃止が進められてきました。

いよいよ2027年3月末に、紙の手形・小切手の電子交換所での取り扱いが終了し、交換が完全廃止となります。つまり、2027年4月からは紙の手形・小切手は実質的に使えなくなります。このため、多くの銀行は2025~26年中に紙の手形・小切手帳の新規発行を停止します。

さて、「でんさい」とは何でしょうか。全国銀行協会が設立した電子記録債権のことで、紙の手形に代わるデジタル決済手段です。 手形と同じように「支払期日を指定して支払う」仕組みを持ちながら、紙を使わず、すべて電子的に記録・決済されます。記録は、全国銀行協会が設立した「㈱全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)」が一元管理します。全国の銀行・信金・信組など、ほぼすべての金融機関で利用可能です。紙の手形を電子化した全国共通の仕組みです。

でんさいは、次の3つステップで動きます。
まず、発生記録です。手形の振出に相当します。支払企業が銀行を通じて「発生記録」を行うと、でんさいが発生します。
次が、譲渡記録です。手形の裏書譲渡に相当します。電子記録上で譲渡でき、必要なら金額を分割して譲渡も可能です。
最後に、口座間決済です。手形の取立に相当します。支払期日になると自動で口座から引落し、相手先に入金されます。紙の手形のように「郵送」「押印」「保管」「銀行への持ち込み」が不要になります。

でんさいのメリットの一つ目は、コスト削減です。印紙税が不要です。郵送費・保管費が不要となります。
二つ目は、事務負荷の大幅軽減です。押印・郵送・取立などの作業が消滅し、Web上で完結します。
三つ目が、リスクの低減です。紛失・盗難のリスクがなくなります。記録が残るため追跡が可能です。
四つ目が、資金繰りの円滑化です。支払期日当日に自動入金され、必要に応じて分割して資金化も可能です。決済のデジタル化の中心的なインフラの役割を担うのが「でんさい」です。

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