相続した家をそのまま空き家として放置し続けると、建物の老朽化による危険、近隣トラブル、衛生・治安の悪化、経済的負担、法的リスクの5つのリスクに直面します。放置のデメリットは年々拡大。
2026年6月17日付ブログ「『実家じまい』は、親が亡くなって、誰も住まなくなった実家を子ども世代が整理・処分することです。売却か賃貸か、それ以外か。子供たちが感情を整理し、心の面で両親から独立する機会かも」の続きです。
「実家じまい」せずに、相続した家をそのまま空き家として放置し続けると、「建物の老朽化による危険」「近隣トラブル」「衛生・治安の悪化」「経済的負担」「法的リスク」 の5つのリスクに直面します。
特に、日本では、2023年12月の空き家法の改正により、放置のデメリットが年々大きくなっています。空き家を放置すると、資産価値が下がるだけでなく、倒壊・犯罪・税金増額・強制解体など深刻な問題に発展する可能性があります。
こうしたリスクを回避するためには、空き家をどうするのか、引き続き自家として活用、売却、賃貸、民泊化など、早めに判断する必要があります。
それぞれのリスクはどんなリスクなのか、みてみましょう。
一つ目は、「建物の老朽化による危険」です。人が住まない家は換気されず、湿気で急速に劣化し、倒壊リスクが高まります。破損した外壁や屋根材などの部材が落下し、通行人や隣家に被害を与える可能性があります。それにとどまらず、老朽化した配線や不法侵入者による火の不始末などで火災が起きやすくなります。
二つ目は、「近隣とのトラブル」です。代表的なのが、庭木の越境です。枝が隣地に伸びて建物を傷つけたり、通行を妨げたりします。外壁の汚損やゴミの散乱で景観が悪化し、地域全体の価値を下げてしまいます。
三つ目は、「衛生・治安の悪化」です。不衛生な状態になり、害虫・ネズミの大量発生し、周辺環境にも悪影響を与えます。放置されたゴミや動物の糞尿が原因で、悪臭が発生します。さらに、壊れた窓などから不法侵入され、治安悪化につながるなど、犯罪の温床になりやすくなります。
人が住まないことでコミュニティが弱体化し、治安や防災力が低下していまいます。2025年11月に大分県の佐賀関地区で発生した大規模火災では、空き家が市全体の17%を占めていました。空き家が増えると周辺の不動産価値も下がり、地域全体への悪影響を及ぼします。治安悪化や人口流出に繋がってしまいます。
四つ目は、維持費や税金にかかる「経済的負担」です。使っていなくても保有しているので固定資産税がかかります。また、修繕費・管理費が発生し維持費の負担が大きくなります。資産価値が下落し、老朽化が進むほど売却・賃貸が難しくなります。解体費用は一般に100〜300万円以上ですが、劣化が進むほど解体費が増加し高額になりやすくなります。
五つ目に、最も見落とされがちな「法的リスク」です。空き家法(正式名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」)は、空き家問題が社会問題となる中で、管理されていない空き家が周囲に悪影響を及ぼすのを防ぐため、市区町村が、所有者に指導・勧告・命令・強制撤去まで行えるようにした法律です。
空き家が「管理不全空家」や「特定空家」に認定され、 市区町村から勧告を受けると、住宅用地特例が外れます。行政からの指導・勧告・命令を受けて、行政代執行で強制解体になれば、費用は全額所有者に請求され、数百万円になるケースもあります。
その上、例えば、200㎡以下の小規模住宅用地であれば、更地になるので、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。また、倒壊・落下物などで他人に怪我や損害を与えた場合、所有者が損害賠償責任を負います。遠方に住んでいても免責はされません。
