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人口戦略会議によると、将来若い女性が減少し地域として立ち行かなくなる「消滅可能性自治体」が約4割。大都市圏は、若い女性の流入に依存する「ブラックホール型自治体」だが、自然減が課題。

(出所)人口戦略会議「地方自治体『持続可能性』分析レポート」
(2024年4月24日公表)のデータを基に筆者作成

2024年4月24日、政府の人口戦略会議が、地方自治体「持続可能性」分析レポートを公表しました。要点を一言でまとめると、若い女性が減りすぎて、 このままでは地域として立ちゆかなくなる可能性がある自治体が約4割、と分析したレポートです。さらに、具体的にどの自治体がどんな理由で人口減少に陥っているか、「自然減」か「社会減」かを分類し、必要な対策の方向性を示しています。

全国1,729の市区町村を対象に、特に出産適齢期の20〜39歳の若年女性人口の将来推計にスポットをあてて分析しています。上の図表がその結果です。この図表では、「自立持続可能性自治体」「ブラックホール型自治体」「消滅可能性自治体」「その他の自治体」の4つに分類しています。

「自立持続可能性自治体」とは、2020〜2050年の30年間で、若年女性人口の減少率が20%未満に止まり、100年後も人口構造が維持できると推定される自治体です。全国にたったの65の自治体しかありません。出生率が比較的高く、地元に残る若者が多く、人口流出が少ない地域です。都市近郊で子育て世代が流入している地域も多くなっています。沖縄・福岡・愛知県が特に多くなっています。

「ブラックホール型自治体」とは、若年女性人口は増えているけど、これは人口流入による「社会増」に依存していて、一方で、出生率は極端に低く、「自然減」となっている自治体です。人が集まる25の自治体です。東京23区の多く、東京周辺の自治体、大阪市、京都市、名古屋市などです。大都市も安心してはいられません。人口流入が止まれば、一気に人口減少に転落します。都市の住宅価格高騰・保育環境・働き方などが出生率低下の要因です。

「消滅可能性自治体」とは、2020〜2050年の30年間で、若年女性人口が50%以上減少すると推計された自治体です。若年女性人口が減少し続ける限り、出生数は低下を続け、人口の減少に歯止めがかからなくなります。なんと全国の半分弱43%にあたる744自治体が判定されました。特に、東北・北海道では、約3分の2の自治体が該当しています。

消滅可能性自治体は、10年前の2014年の公表時の896自治体に比べれば少しは減少したのですが、その要因は、外国人流入によるものです。少子化の基調は全く改善しておらず、外国人流入がなければ人口減少はもっと深刻になっていたでしょう。多くの自治体が対策を打っていますが、内容をみると、「人口流出対策」に偏りすぎていて、若者の奪い合い(ゼロサム)になっています。出生率向上を目指す「自然減対策」が手薄になっています。

「消滅可能性自治体」というセンセーショナルな言葉に惑わされず、 地域ごとに異なる課題を冷静に分析する必要があります。

このレポートでは、自治体ごとに「どこが問題なのか」を可視化しています。人口の自然減対策としての出生率の向上と、社会減対策としての人口流出の是正の両面からの分析を行っています。各自治体の人口の減少が、出生率の低さが原因なのか、人口流出の多さが原因なのかを分析しています。

「封鎖人口」(他の自治体への人口流出、他の自治体からの人口流入がないと仮定した場合の人口)の分析と、「移動仮定」(移動傾向が一定程度続くとの仮定した場合の人口)の分析を行っています。

この比較では、例えば、封鎖人口において若年女性人口が急減する地域では、出生率の向上という「自然減対策」が重要な課題となります。一方、封鎖人口では人口減少は穏やかですが、移動仮定の分析で人口が急減する地域では、人口流出の是正といった「社会減対策」が重要となります。このように地域によって、取り組むべき対策が異なってきます。

出生率が低い地域では、自然減対策として、子育て支援・出生率向上対策が必要です。ブラックホール型の自治体では、出生率の改善が最重要課題です。一方、人口流出が多い地域では、雇用・教育・交通など社会減対策が必要です。

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