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ひとり親世帯は2.5%、その大半が母子家庭です。母親の収入が少なく生活が厳しい中で、ひとり親世帯の45%は相対的貧困線以下です。政府は親権・養育費・ 親子交流などのルールを見直しています。

(出所)こども家庭庁支援局家庭福祉課
「ひとり親家庭等に関する施策・制度について」(2024年3月26日)

ひとり親家庭の暮らしについて、こども家庭庁が公表している資料でみてみましょう。厚生労働省の「2021年度全国ひとり親世帯等調査」(5年毎に調査)や「2022年国民生活基礎調査」(3年毎に大規模調査)の結果をベースにして作成しています。

一番上の図表をみてください。ひとり親世帯の世帯数は、母子家庭が120万世帯、父子家庭が15万世帯です。2020年の国勢調査では、日本全体では5,378万世帯ですので、ひとり親世帯は2.5%と40世帯に1世帯、うち母子家庭は2.2%と45世帯に1世帯、父子家庭は0.3%とおよそ300世帯に1世帯の割合です。離婚の場合は、子どもを母親が引き取るケースが多いので、母子家庭が多くなっています。

ひとり親になった理由としては、離婚が大半を占めています。母子世帯は8割、父子世帯は7割です。父子家庭では、死別が2割を占めていて、母親が亡くなったためです。

ひとり親の人はどのようにして収入を得ているのでしょぅか。ひとり親の就業状況をみると、母子家庭の母親は9割の人が働いています。正社員が5割、パート・アルバイトが4割です。父子家庭の父親も9割の人が働いています。正社員が7割、パート・アルバイトが5%です。比較してみると、母子家庭の母親は、パート・アルバイトといった非正規社員の割合が高くなっています。

平均的な年間収入はどのくらいでしょうか。母子家庭の母親が272万円、うち就労収入が236万円です。父子家庭の父親が518万円、うち就労収入が496万円です。これらの収入を比較してみると、母子家庭の母親の収入は、父子家庭の父親の収入の半分程度となっています。

二番目の図表をみてください。別の調査で、母子家庭と一般的な児童のいる世帯とを比較したものです。公的年金や財産所得、社会保障給付金なども含めた総所得で比較しています。一般的な児童のいる世帯が年間785万円の収入、母子家庭は年間328万円と4割程度の収入しかありません。うち稼働所得(働いて得る所得=就労収入)をみると、児童のいる世帯が年間721万円に対して、母子家庭は年間270万円とおよそ3分の1になっています。

母子家庭は、一般的な児童のいる世帯と比べても、父子家庭と比べても、家計が如何に厳しいか推察できます。

三番目の図表をみてください。相対的貧困率の推移を示しています。2021年の日本国民全体の相対的貧困率は15.4%、日本のこどもの相対的貧困率は11.5%です。これに対して、日本のひとり親世帯の相対的貧困率は44.5%とかなり高い水準となっています。

なお、「相対的貧困率」は、パリに本部を置くOECD経済協力開発機構が定義したものです。 等価可処分所得の中央値の半分のところを貧困ライン=相対的貧困線とおいて、その水準以下で生活する人の割合を示す指標です。

最新の「国民生活基礎調査(2022年調査)」に基づく、日本の最新の貧困ライン=相対的貧困線は一人世帯の場合年間127万円です。 これは等価可処分所得の中央値254万円の半分に相当します。

ひとり親で子ども1人の場合の相対的貧困線は年間180万円です。ひとり親で子ども2人の場合は年間220万円、ひとり親で子ども3人の場合は年間254万円です。

等価可処分所得とは、 世帯の可処分所得を、世帯人数に応じて、生活のしやすさが比較できるように調整した所得です。

等価可処分所得=世帯の可処分所得÷√世帯人数
可処分所得とは、収入から税金・社会保険料を差し引いた「手取り」です。

例えば、手取り300万円で1人暮らしの人は、300万円÷√1=300万円
手取り600万円で4人家族の人は、600万円÷√4=600万円÷2=300万円
このように、手取り600万円で4人家族の人は、手取り300万円の1人暮らしの人と同じ生活水準と定義しています。

さて、政府もこんなひとり親世帯、特に母子家庭を救済しようと、2024年5月に約70年ぶりに民法を改正しました。父母が離婚した後も、子供の利益を確保することを目的として、子供を養育する父母の責務を明確化するとともに、親権、養育費、 親子交流などに関するルールが見直されました。

詳しくは、2026年1月9日付ブログ「2026年度から、離婚後の『単独親権』に加え、父母双方へ親権を認める『共同親権』の選択が可能となります。子供の利益の確保を目的として、養育する父母の責務を明確化しています」をご覧ください。


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