介護保険料は所得が低いほど軽減され、高いほど増額されています。住んでいる市区町村が定める基準額 × 段階別の保険料率で年間保険料額が決まります。世田谷区では最低2.1~最高36.9万円です。

❓ 66歳となり、区役所の介護保険課から、介護保険料通知書が届きました。2026年の年間の介護保険料額は、「本人の住民税課税状況と収入金額や所得金額、世帯住民税課税状況を基に個人ごとに算定される」と記載され、図表が掲載されています。どのような考え方で、介護保険料が決まっているのでしょうか。
🅰️ 介護保険の被保険者は年齢によって2つに分かれています。介護保険料は、40歳から徴収が開始されますが、65歳以上の高齢者(第1号被保険者)と、40〜64歳の現役世代(第2号被保険者)に区分されています。それぞれ保険料の徴収方法や計算方法が異なっています。ここでは、65歳以上の高齢者(第1号被保険者)についてみてみます。
世田谷区役所から送られてきた「介護保険料のお知らせ」の中に掲載されている図表をさらにわかりやすく加工したのが、上の図表です。この図表をみてください。
年間の介護保険料額は住んでいる市区町村が定める基準額 × 段階別の保険料率で年間保険料額が決まります。基準額は、3年間の介護保険事業計画ごとに見直されます。2026年度、世田谷区では、基準額を第5段階に定めていて75,360円です。その基準額に保険料率をかけるのですが、18段階あります。全国では13段階を基本とし、条例により18~20段階程度に細分化している自治体もあります。
共通していることは、介護保険料は、所得が低いほど軽減され、高いほど増額されています。
本人が住民税課税の場合、この基準額(1.0倍)を境にして、第6段階以降は、青い矢印を下の方に向かって、合計所得金額(注)が増えるにつれて保険料率が1.15倍から4.9倍まで高くなり、年間保険料額が増加していきます。
(注) 合計所得金額とは、収入金額から、年金収入がある場合は公的年金等控除や、給与収入がある場合は給与所得控除などを差し引いて計算した所得金額の合計で、扶養控除や社会保険料控除などの所得控除を行う前の金額です。
逆に、本人が住民税非課税の場合は、年金収入額と年金以外の合計所得金額(注)が一定額以下になるほど、基準額から赤い矢印の上の方に向かって、保険料率が0.85倍⇒0.285倍まで軽減され、年間保険料額が減少していきます。生活保護受給者、中国残留邦人等支援受給者、老齢福祉年金受給者で世帯全員が住民税非課税の場合は、最低の年間保険料となっています。
(注) 上の図表には、一番上の行の緑のところに、本人の年金収入等と合計 所得金額(公的年金等にかかる雑所得金額を除く)の合計と、難解に書かれています。これは、年金収入と年金以外の所得を合計した金額を指しています。
年金収入は総支給額で手取りではありません。合計所得金額(公的年金等にかかる雑所得金額を除く)とは、年金以外の所得です。年金以外の所得とは、合計所得金額から年金雑所得を除いたものです。年金雑所得とは、年金収入ー公的年金等控除です。
なぜ、こんな複雑な計算をするのでしょうか。介護保険料の所得段階は、「年金収入が多い人」と「年金以外の所得が多い人」を区別するために作られています。これは、年金以外の収入(不動産所得や株の利益など)がある人と、年金だけで暮らしている人を公平に比較するための措置です。年金収入額だけでは負担能力を十分に判断できないため、年金以外の所得も区別して判定しています。
上の図表でみると、世田谷区の例では、保険料率は基準額に対して、0.285~1.0~4.9倍の開きがあります。自治体によっては最大が6倍以上になるところもあります。
世田谷区では、この結果、年間保険料額は、第1段階の21,478円~第5段階・基準額75,360円~第18段階369,264円まで開きがあります。
65歳以上ですので、原則、年金からの天引き(特別徴収)となります。なお、65歳になった直後は特別徴収の開始まで一定期間かかるため、その間は、届いた納付書や口座振替で直接支払う普通徴収になります。老齢・退職年金などの年額が18万円未満の方も、原則として普通徴収になります。
