森が止まったあとのひとこと
追いかけっこというのは、もっと軽やかで、もっと勢いよく進んでいくものだと思っていた。
少なくとも、スフェロはそう思っていた。
枝から枝へ、幹から幹へ、爪先ひとつで森を駆け上がっていく彼の動きは、見ているだけなら風みたいだった。けれど実際にその標的にされると、風というより、やたらと元気な災害に近い。
「待てって!」
「……いやだよ」
そう返したドゥルンの声には、慌てる色がなかった。
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