夕陽色の風がそっと触れた日──シャルメナが見つけた勇気
花畑の小道が、夕陽でゆっくり紫に染まっていく。
ライラックニシブッポウソウのシャルメナは、ひとりでその道を歩いていた。
胸の奥がちくりとしたまま、
ときおり風に混じる赤い羽音に、そっと目を伏せる。
噂が広がってしまったせいで、
どう顔を合わせたらいいのかわからなくなっていたのだ。
「シャルメナ!」
その声に、足が止まる。
振り向くと、金色の光をまとった赤い翼――ピカローザがいた。
夕陽に照らされた彼の羽は、
尾の黄色をやわらかく揺らしながら、どこか不器用に近づいてくる。
「踊らせようとしたなら……ごめん。
でも、もっと話したいんだ。
あなたの声、もっと聞きたいから」
その言葉が、花畑の風と一緒に胸へ落ちてくる。
シャルメナは少しだけうつむいて、
でも、瞳だけはまっすぐにピカローザをとらえた。
「……踊れないけど、そばにはいたいよ」
小さな声でそうこぼすと、
ピカローザはふわりと羽を揺らし、嬉しそうに笑った。
水草の影では金魚トリオがこっそりのぞき、
ルリちゃんとヴァルメイは気を利かせて静かに離れていく。
花畑の風は優しく、
ふたりのあいだに流れる距離をゆっくりとほぐしていった。
その風が、シャルメナの胸の奥にも、
そっと“勇気”を置いていく。
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