見出し画像

『ヴァージン・パンク』以前の梅津泰臣のシャフトにおける仕事

この記事では、2025年以前の梅津泰臣監督のシャフトに関連した仕事について整理しています。

2025年6月27日、梅津監督にとって約11年ぶりの新作となる『ヴァージン・パンク』第1弾「Clockwork Girl」が、ついに公開されます。

『ヴァージン・パンク』の企画の発端は、2014年に放送された『ウィザード・バリスターズ 弁魔士セシル』の終了後、梅津監督がシャフトに企画を持ち込んだことに始まります。

そもそも、なぜ数あるアニメスタジオの中でシャフトなのか、という疑問を持たれるオタクもいらっしゃるかと思います。それには、梅津さんとシャフトとのあいだに、以前から築かれていた交流が大きく関係していると考えられます。

梅津さんとシャフトが初めて正式にタッグを組んだのは、2010年に放送された『それでも町は廻っている』のオープニングアニメーションでした。もっとも、マニアックな話にはなりますが、それ以前にもシャフト側から梅津さんに対して、複数の作品への参加を打診していたという話があります。

『それでも町は廻っている』

たとえば、『【懺・】さよなら絶望先生』の絵コンテ・演出、『夏のあらし!』のオープニングの作画、あるいは『化物語』「つばさキャット」のオープニング映像については、新房監督自身が直接依頼をしていたとも言われています。しかしながら、いずれもスケジュールの都合により実現には至りませんでした。

ここで注目すべきなのは、新房さんが自ら依頼をしたという点です。これはすなわち、これらの作品の時点で、すでに梅津さんと新房さんのあいだに一定の関係性が存在していたことを示しており、お二人の結びつきが一朝一夕のものではないことを物語っています。

歴史をさかのぼると、1996年に新房監督のOVA『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』で、梅津さんはアニメーターとして参加していました。ただし、このときは処理演出を新房さんが担当していなかったため、お二人に直接の面識はなかったようです。

その後、梅津さんがキャラクターデザインおよび作画監督を務めた『新破裏拳ポリマー』において、監督として新房さんを指名したのは、他ならぬ梅津さんご自身であったという逸話があります。タツノコ作品に深い愛着を抱いていた新房さんに対し、梅津さんが自ら声をかけたことで、ここで初めて両者の間に実質的な仕事上の接点が生まれたのです。

この『新破裏拳ポリマー』は、やがて同じくタツノコプロ制作と新房監督の『The Soul Taker 〜魂狩〜』へとつながっていきます。その第10話「虚無への供物篇」では、シャフトがグロス請けとして制作に参加し、この回が新房さんとシャフトとのあいだに関係性が築かれるきっかけのひとつとなりました。まさに歴史が思わぬかたちで連鎖し、交差した象徴的な瞬間と言えるでしょう。

ちなみに、梅津さんは1960年生まれ、新房さんは1961年生まれと年齢も近く、お二人とも福島県のご出身です。こうした共通点もあってか、私的な交流も長く続いていたようです。

そして時を経て、2010年には梅津さんがシャフト作品『それでも町は廻っている』のオープニングアニメーションを手がけることになり、これがシャフトとの本格的なコラボレーションの始まりとなりました。

本記事では、このタイミングをひとつの起点とし、梅津監督が2025年の『ヴァージン・パンク』に至るまで、シャフト作品にどのように関わってきたのか、その歩みを記録として丁寧に振り返ります(もちろん、梅津さんはシャフト以外でも多方面で活躍されてきた方ですので、本記事ではあくまでシャフトとの関係に絞ってご紹介いたします)。

もしも抜け漏れがありましたら随時追記しますので、気軽にDMください!


『それでも町は廻っている』(2010年)

OP
オープニングディレクター・絵コンテ・演出・作画監督・原画

『魔法少女まどか☆マギカ』(2011年)

第10話「もう誰にも頼らない」
原画

『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語』(2012年)

OP
原画

『幸腹グラフィティ』(2015年)

OP
オープニングディレクター・絵コンテ・演出

『傷物語〈I 鉄血篇〉』(2016年)

原画

『傷物語〈III 冷血篇〉』(2017年)

原画

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(2017年)

原画

『Fate/EXTRA Last Encore』(2018年)

オブリトゥス地動説
01「今は旧き辺獄の底―プレテリトゥス・リンブス・ヴォラーゴ―」
原画

『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(2020年)

第13話「たったひとつの道しるべ」
原画

『美少年探偵団』(2021年)

OP
オープニングディレクター・絵コンテ・演出・原画

※制作に「シャフト梅組」が登場

『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 Final SEASON -浅き夢の暁-』(2022年)

第4話「誰も知らない、私たちの記録」
原画

『女神のカフェテラス』(2023年)

第9話「流星と、その過去」
原画
※シャフトのグロス回

『五等分の花嫁∽』(2023年)

第1話「偶然のない夏休み(前編)」
原画

『傷物語 -こよみヴァンプ-』(2024年)

原画
※劇場総集編

『ヴァージン・パンク』第1弾「Clockwork Girl」(2025年)

原作、監督、キャラクターデザイン

その他

アニメ以外の関連資料としては、たとえば『魔法少女まどか☆マギカ』のスタッフ本である『ティロ・フィナーレ本』、劇場版のイラスト集『劇場版魔法少女まどか☆マギカ KEY ANIMATION NOTE extra 始まりの物語/永遠の物語 RAKUGAKI-NOTE』に、梅津さんの寄稿が収録されています。

また、『五等分の花嫁∽』Blu-rayのSHAFT TEN限定購入特典として付属していた『五等分の花嫁∽ Animation staff comment booklet RAKUGAKI NOTE』にも、梅津さんのページがありました。『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝 TVアニメ公式ガイドブック』の宮本幸裕監督&吉澤翠副監督の対談インタビューにおいても、梅津さんのお名前が登場しており、じつに興味深いです。

他にももっと細かい点を挙げると、〈物語〉シリーズの七夕企画に参加されていた年もありました。このように、アニメ本編に限らず、さまざまな形でシャフト作品との関わりを継続されていることがうかがえます。実際、梅津監督の新作がシャフトになるのではないかという噂は、シャフトオタクのあいだでは2017年頃から囁かれていました。それほどまでに、長きにわたって関係性は続いてきたのです。

そして、いよいよ今週末、『ヴァージン・パンク』が公開されます。6月28日にはシネ・リーブル池袋にて梅津監督とシャフトの久保田社長&鈴木プロデューサーの舞台挨拶も予定されており、オタクが一堂に会する予感がすでにしまくっています。ぜひ皆さんも足を運びましょう。


※『Fate/strange Fake -Whispers of Dawn-』に梅津さん、そしてシャフト梅組の方々、さらにDIGITAL@SHAFTのメンバーが撮影協力として関わっていた経緯については、自分自身の手元に明確な情報がないため、今回は言及を控えています。もしも、この件についてご存じのオタクがいらっしゃれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。

もう少し詳しく知りたいオタクは下記記事を参考ください!(有料記事です)


いいなと思ったら応援しよう!

あにもに いただいたチップはシャフト公式オンラインショップ SHAFT TENに使うので、巡り巡ってシャフトのお金になります。