Episode6.「スタッフが変われば、店は変わる」 ──そう信じていた私が、“理念の仲間づくり”にたどり着くまで。
📝 連載の趣旨
この連載「Episode」では、私が実際に行った言語化支援のエピソードをご紹介していきます。
クライアントの了解のもと、内容を確認いただいたうえで掲載しています。
本連載の目的は、“言語化”というプロセスを通じてどんな成果を得て、どんな変化が生まれたのかを、
具体的な対話の場面やことばのやりとりを交えながらお伝えすることです。
「愚痴で終わると思っていた話が、気づけば“再出発”の一歩になっていました」
🍶 ご相談内容──地域の飲食店経営者・川島さん(仮名)
なぜかうまくいかない。何度やっても噛み合わない。
「料理の質が落ちた」
「採用したスタッフがすぐ辞めてしまう」
「こちらの思いが伝わらない」
「売上が伸びない。自分ばかりが疲弊していく…」
今回ご相談いただいたのは、酒屋直営の飲食店を経営する川島さん(仮名)でした。
🧭 理念もある。ビジョンもある。それでも噛み合わない
川島さんは、こんな葛藤を抱えていました。
「自分の伝え方が悪いのか?」
「でも、話しても“はい”って言うだけで、何も変わらない」
「本当は、自分の店のように考えてくれる仲間がほしいだけなのに…」
何度も「リセット」と「再挑戦」を繰り返してきた川島さん。
それでも理想を捨てず、自分と店の在り方を問い直そうとしていました。

🗣 言語化が、モヤモヤに“輪郭”を与える
ご支援では、まずじっくり話を聴くことから始めました。
経営の背景
理想の店の姿
これまでの失敗と葛藤
そして、スタッフとの“伝わらなさ”への苛立ちや悲しみ
これらを丁寧に言葉にし、「見える化」していく中で、川島さんの口から出てきたのは…
「なんか、すっきりしました。愚痴で終わらせずに済んだ」
「考えていたことを言語化したら、頭の中が整理できて、次に何をすればいいか見えてきました」
悩みの正体は、「伝わらないスタッフ」ではなく、「共有されていない理念」だったのです。

🤝 経験よりも、“想いに共感する人”を仲間にしよう
川島さんが本当に求めていたのは、次のようなお店の姿でした。
お酒の敷居を下げる、気軽で自由な文化を育てたい
地域の飲食店が集まる、にぎわいの起点になりたい
スタッフ全員で、“幸せな体験”を届けるチームでありたい
そして導き出されたのが…
「飲食経験者にこだわらず、“共感”を採用の基準にしよう」

スタッフに怒っていたわけでも、愚痴を言いたかったわけでもない。
「この想いを分かち合える人と働きたい」──その願いが明確になった瞬間でした。
✍️ 理念に共感する仲間を迎えるために
セッション後、私は川島さんの思考を整理し、
PMVV(Purpose / Mission / Vision / Value)
求人メッセージ草案
を作成・提供しました。

これは、
“お酒の文化を再発明する店”という想いを言葉として可視化し、
共感を起点にした組織づくりへの第一歩となる素材でもあります。
🌱 言葉にできれば、次の一歩が見える
悩みの本質は、「うまくいかない現場」ではなく、
「想いが共有されない孤独」だったのかもしれません。
経営者として、理念を掲げること
そして、それを“仲間と共有する言葉”に変えていくこと
それができたとき、人は動き出す準備が整うのだと思います。
川島さんの再出発が、このお店の未来を変えるはじまりになりますように。
#経営のモヤモヤに向き合うときに
「伝えたつもりが伝わらない」
「理想はあるのに、現場が動かない」
「スタッフと心が通っていない気がする」
そんな違和感やモヤモヤは、誰にでも訪れるものかもしれません。
でも、その感情を丁寧にたどっていくと、
そこにはきっと、大切にしたい“何か”があるはずです。
🔍 あとがきに代えて
言葉にならない思いを、言葉にしていくこと。
それは、経営や組織を動かす前に、まず自分自身の“軸”を取り戻す時間でもあります。
誰かと共有できる言葉に変わったとき、
次の一歩は、自然と見えてくるのかもしれません。
