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「Watashiは変われましたか」第5話

私が最後に目を閉じる瞬間、手にはずっと使っていたスマホが握られていた。どう握ったのか覚えていないが、スマホは家族や友人と連絡を取るために使っていたもので、瞬間的に掴んだのかもしれない。柔らかな光が画面から漏れ、その光は徐々に強くなり、私の意識を包み込んでいった。

次に目を開けると、私は見知らぬ世界に立っていた。周囲は柔らかな光と自然に包まれており、色とりどりの花々が咲き誇り、木々の葉が風に揺れている。まるで夢の中にいるかのような美しい風景が広がっていた。空気は清らかで、深呼吸をするたびに花の香りが鼻をくすぐる。風が肌に触れるたびに、心地よい冷たさが体全体に広がる。

足元には、鮮やかな緑の草が柔らかく広がり、一歩踏み出すたびにその感触が伝わってくる。目の前には、青い空と白い雲が広がり、太陽の光がキラキラと輝いていた。その光は柔らかく、全てを包み込むような温かさを持っていた。遠くには、澄んだ小川が流れ、そのせせらぎの音が耳に心地よく響く。水面には小さな魚たちが泳ぎ、光を反射してキラキラと輝いている。

不思議なことなことに聴こえるという感覚があることに気がついた。木々の間を歩くと、葉の擦れる音や小鳥のさえずりが静かに耳に届く。音は聞こえないはずなのに、体全体でその響きを感じることができた。これは、ここが現実とは異なる不思議な場所であることを示していた。葉が風に揺れる音、小川のせせらぎ、鳥たちの歌声、それら全てが一つのハーモニーを奏でていた。音になって聴こえ心で感じ取ることのできるこの世界が私を歓迎しているかのようだった。

さらに進むと、見たことのない動物たちが姿を現した。透明な羽を持つ蝶々や、光る羽を広げた小鳥たちが、私の周りを優雅に飛び回る。それらの生き物たちは、私を歓迎しているかのように見えた。蝶々が花から花へと飛び移り、その羽ばたきが風に乗って優雅に響く。その光景を見ていると、まるで時間が止まったかのような感覚に包まれた。蝶の翅が光に透け、虹色の輝きを放つ。小鳥たちは互いに追いかけっこをしながら、空中でダンスをしているようだった。

ふと視線を上げると、思い出の品々がこの不思議な風景の中に溶け込んでいた。わがままを言ってねだって買ってもらった古びたミシンが木陰に置かれていた。そのミシンには、まだ縫いかけの布がセットされており、まるで今にも動き出しそうなほど生き生きとしていた。草むらの中には、幼少期に大切にしていた人形が座っており、その顔には今でも優しい微笑みが浮かんでいる。庭の片隅には、母が愛用していたティーポットがテーブルの上に置かれ、その周りには色とりどりの花々が咲き誇っていた。ティーポットの傍には、私が手作りした服の数々がセンスよく並んでいる。

さらに進むと、母が大切にしていた古い写真アルバムが風に揺れる木の枝に掛けられていた。アルバムのページが風にめくられ、懐かしい思い出の数々が鮮やかによみがえる。母と私が一緒に写っているモノクロ写真、家族で過ごした楽しいひと時が次々と目の前に広がる。その風景は、私の心を温かく包み込み、過去の思い出が現実のように蘇ってくる。

ふと手元を見ると、握ったままのスマホの画面にはこれまで見たことのない不思議なアプリが表示されていた。そのアイコンは、まるで魔法のように輝いており、私を引き込むような魅力があった。アイコンは星や月、木の葉など、自然の要素が組み合わさったデザインで、その輝きが私の好奇心を刺激した。興味本位でアプリをタップすると、画面が柔らかな光を放ち始め、私の意識は遠くへと引き込まれた。

目の前に現れたのは、過去と未来の映像だった。まず映し出されたのは、私の幼少期の光景だった。母と一緒に過ごした日々、彼女の奮闘する姿、そして私を支えてくれたあの温かい笑顔。その映像は、まるで昨日のことのように鮮明だった。母が私を抱きしめているシーンや、一緒に料理をしているシーンが映し出され、その時の温かさが心に蘇ってきた。母の手の温もりや、彼女が作った料理の香りが、まるで実際にその場にいるかのように感じられた。

次に現れたのは、娘の沙羅が杏奈と一緒に笑顔で過ごす様子、杏奈が成長し、母親として奮闘する姿。それは私にとって、希望と喜びに満ちた光景だった。杏奈が成長し、自信に満ちた表情で新しいことに取り組んでいる姿が映し出された。「未来だろうか」彼女が母として、また一人の女性として成長している姿を見ると、胸が熱くなった。杏奈に似た笑顔の子供たちと遊んでいる姿を見ると、その愛情の深さが伝わってきた。

映像を見ていると、私の心には様々な感情が湧き上がってきた。幼少期の私と母の姿を見ると、母の愛情と強さが鮮明に蘇ってくる。母はいつも私を守り、支えてくれた。その優しい手の温もりや、笑顔、そして厳しさ。全てが私の心の中で生き続けている。母が私に教えてくれた教訓や、日々の生活の中で感じた愛情が、次々と思い出される。

「お母さん、あなたの愛情は、私の中に深く根付いている」と心の中でつぶやいた。母がいなければ、私はこんなにも強く生きてこれなかっただろう。母が私に教えてくれたこと、それはただの教えではなく、私の人生そのものだった。母が私に伝えた言葉の一つ一つが、今でも心の支えとなっている。

母が亡くなったとき、私は大きな喪失感に包まれた。彼女がいなくなったことで、未来がみえない気がした。しかし、その後も母の言葉や教えが私を支えてくれた。彼女が残してくれた思い出が、私の心の中で生き続けている。母がいなくても、その思い出や教えが、私の人生を支えているのだ。

娘の沙羅に対しても、同じように愛情を注いできた。彼女が生まれた瞬間から、私の中に新たな強さが芽生えた。聴力を失った私にとって、沙羅は耳であり、支えであり、希望だった。彼女が成長するにつれて、彼女の強さと優しさに驚かされることが多かった。沙羅が私の代わりに周囲の音を伝えてくれる姿は、私にとってかけがえのない存在だった。

沙羅がシングルマザーとして杏奈を育てる姿を見ると、私自身が母として彼女に教えてきたことが実を結んでいるのだと感じる。沙羅は強く、そして優しい母親であり、彼女の姿を見ていると誇らしい気持ちでいっぱいになる。彼女が苦労しながらも、笑顔で日々を過ごす姿を見ると、私が彼女に教えたことが実を結んでいることを実感する。

沙羅は元々多くを語らない性格だが、心の中には多くの思いを抱えている。私もそうだったように、彼女もまた母としての苦労と喜びを一身に背負っているのだろう。彼女が私にもっと心の内を話してくれたらいいのにと思うこともあるが、沙羅はいつも私を気遣ってくれる。その姿を見ていると、彼女の強さに胸が熱くなる。沙羅の内に秘めた強さと優しさが、私の心に深く響く。

スマホの画面に映し出される映像は、まるで生きているかのように動き、音や匂いまで感じることができる。その力を通じて、私は過去の記憶を追体験し、未来の可能性を垣間見ることができた。映像の中の一つ一つのシーンが、私の心に深く刻まれる。

突然画面がフリーズし文字が浮かび上がる「この旅を通じて、あなたの人生の大切な瞬間を見つめ直し、感謝と理解を深めてください」同時に様々なシーンが世界いっぱいに広がった

#創作大賞2024 #ファンタジー小説部門


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